本日の東京市場はNY市場の下落とシカゴ225先物の15.075円引けを受けて150円安で始まり朝方付けた15.000円割れ寸前の145円安から先物を中心に買戻しが入って高値51円高まで切り返したが大引けにかけて再び売られて41円安の15.207円引け、先物は11万9.383枚の出来高で15.170円の終わりとなっている。NY市場に於けるサブプライムローン問題に対する不安の再燃に加えて証券大手の決算を控えている事で様子見気分が強い上に何とか15.000円を守った事で一旦売り方が買い戻しに入った事が本日の先物に振り回された一日の背景である。ようやく暖まって来た相場が一気に崩れた昨日の動きに依って市場は再び総悲観となったが、好材料や前向きな買い方の動きが無くとも売り方の動きのみで大幅に上昇した本日の相場は大きな変化として注目である。好材料が無くともこれ以上下がらないとなれば一旦買い戻しに入る事だけで踏み上げが起こる事を証明した一日であり兜町で言う所の「陰の極」である。まだまだ心配される決算を控えたNY市場の動向には気が抜けないが、東京市場の相場は何が無くとも反発の方向性が出て来たという所である。

本日の株式市場の全般的な動き

 ■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■

 12月18日の東京株式市場は日経平均株価が続落いたしました。
昨晩の米NY株式市場は続落。DOWは−172ドルの13167ドル、NASDAQ総合指数は−61.28ポイントの2574.46ポイントとなりました。
 シカゴ平均株価先物大証終値−165円の15,075円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り2620万株、買い2290万株、差し引き330万株の売り越し観測(金額ベースも売り越し)でした。

 東京株式市場は日経平均株価が5日続落。日経平均株価始値15,099円と前日終値15,249円から150円安くスタート。前場軟調展開で前日比−245円の15,004円まで下げる場面が見られました。後場に入り反発基調を強め引けは−41円の15,207円で本日の取引を終了しております。

 東証1部の騰落数は、値上がり805銘柄に対し、値下がりは802銘柄、変わらずは115銘柄。東証1部の売買代金は2兆6185億円、売買高は20億6614万株となっております。

 ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 本日の東京株式市場は日経平均株価は41円安と5日続落となりましたが、東証1部銘柄ではおよそ半数の銘柄が値上がりするなど、朝安後反発基調に転じております。
 個別では、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)など大手銀行株や、三菱地所(8802)、平和不動産(8803)など不動産株の一角が反発。

 また大きく下落していた、川崎汽船(9107)、新和海運(9110)、第一中央汽船(9132)など海運株が反発。新日本製鐵(5401)、住友金属工業(5405)など鉄鋼株や、伊藤忠商事(8001)、住友商事(8053)など商社株の一角も買われました。
 反面、ニチアス(5393)、東北ミサワホーム(1907)が売られ東証1部下落率1位・2位と並び、販売担当社員が架空取引に関与していたことが判明したサカイオーベックス(3408)や、業績の下方修正が嫌気されている三陽商会(3011)は大幅続落となっております。

 目立った銘柄では、今08年3月期の業績予想の上方修正が好感されたハルテック(5916)が暴騰し東証1部上昇率ランキングトップに君臨。今08年5月期の11月中間期業績発表からアスクル(2678)も大幅高。
 また「マエストロの注目銘柄」からは本日買いのディー・エヌ・エー(2432)も大幅高。その他、フェイス(4295)、ダイワボウ(3107)、テイクアンドギヴ・ニーズ(4331)、ゴールドクレスト(8871)、関東電化工業(4047)などが買われました。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場押し目買いが入り反発。主力株では、楽天(4755)を始め、SBIイー・トレード証券(8701)、インデックスHD(4835)、ミクシィ(2121)、ACCESS(4813)、GCAホールディングス(2126)、サイバーエージェント(4751)、ガンホーオンライン(3765)、ぐるなび(2440)などが揃って上昇いたしましたが、インテリジェンス(4757)、ダヴィンチ・アドバイザーズ(4314)などは下落いたしました。
 新興3市場は、JASDAQ平均は下落いたしましたが、マザーズ指数、ヘラクレス指数は反発に転じました。

 個別では、アイ・ビー・イー(2347)、サイオステクノロジー(3744)、ケイブ(3760)、ターボリナックス(3777)、シナジーマーケティング(3859)、アルファ・トレンドHD(4352)、トライアイズ(4840)、マルマエ(6264)、地域新聞社(2164)などがストップ高となり、ナチュラム(3090)、MICメディカル(2166)、リアルコム(3856)、フルスピード(2159)、デジタルアーツ(2326)などが大きく買われております。

 日経平均株価は下げが続いておりますが、新興市場やフェイス(4295)、ディー・エヌ・エー(2432)、ドリームインキュベータ(4310)など東証1部でも新興市場銘柄と足並みを揃え暴落した銘柄がリバウンドに転じました。ただ、本日の上昇も単なるリバウンドとなり買い一巡後はまた下げだす可能性も高い為、強気な買いには注意も必要です。
 大きな下落が無ければ今週で調整を終え、来週から買い優勢となることも考えられます。ただ、動きがはっきりとするまではトレードは割り切れる範囲の資金に留め、ここから更に大きく下落した場面があれば、そのときに大きく買い向かえるようキャッシュポジションは高めたままとなります。

 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は−41円の15,207円と小幅続落。
 昨晩の米NY株式市場は大幅続落。12月NY製造業景気指数が予想を下回り、低調な年末商戦もマイナス要因となり売られております。
 東京株式市場は米NY株安やシカゴ平均株価先物大証終値−165円の15,075円と売られたことや、寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況が差し引き330万株の売り越し観測と外国人売りが続いていることも嫌気され売り優勢で始まりました。

 日経平均株価は−150円の15,099円と安くスタート。寄り付き後に−245円の15,004円まで売られる場面がありましたが、その後は反発基調に転じジリジリと下げ幅を縮小する動きとなりました。引けは−41円の15,207円となっております。
 中期基調は下向き。短期基調も下向き継続となっております。日経平均株価のサイコロは●●○○○●○●●●●●と「4勝8敗」。25日移動平均線は15,432円とフラットに転換。日足は上下にヒゲを持つ陽線を形成いたしました。

 昨日に『15,000円付近まで大きく下げてくれば「小反発狙いで買い」となりますが、中途反発に高く始まり反発する形となると買い一巡後は再度売られる可能性もあることから、明確に下落終了となるまではキャッシュポジションを高く、トレードは小すくいで見ていきます』と書かせて頂きました。
 本日15,004円まで下落した後にジリジリと戻し始めたことから「ザラ場の銘柄情報」で「テクニカル的には反発が期待される水準」と書かせて頂きましたが、その後スルスルと上昇。15,301円まで買われました。

 ひとまず本日安値15,004円からリバウンドの動きとなっております。明日以降も強く推移すれば大納会に向け15,700円前後までの反発も期待されますが、再度下に向けば今度は15,000円を割り込むような下げを演じる可能性もございます。慎重姿勢そのままに日々の動きを見ていきます。