本日の東京市場、NY市場の上昇とシカゴ225先物の15.295円引けを背景に昨日の終値を挟んで小幅に揉み合う前場となったが後場に入って先物に対する仕掛け的な売り叩きから下落に転じて大引け177円安の15.030円、先物は8万750枚の出来高で15.090円の終わりとなっている。相場の中身を含めて前場の堅調な動きが先物の動きに依って後場から一転するという相変わらずの薄商いを背景とする先物主導の動きが目立っているが、本日の安値も昨日の安値を割る事無く切り上げて来ている点に注目である。先物に振り回される動きは以前からの事であるが今週に入ってからの薄商いに依って余計に際立つ動きとなっている。この閑散とした状態は月曜日のサブプライムローン問題の再燃から暖まりかけていた相場の中身が一気に崩れた事にある。毎度解説の事であるが先ずは全体相場を支えて市場に明るさをもたらす柱となる流れの強い上昇が必要であり、非鉄金属株、商社、鉄鋼、船株、これ等の動きに懸かっているというのが現状である。ひとまず本日はこの内の一つである鉄鋼株に大きな材料が出た所であるだけに明日の変化に期待したい。

本日の株式市場の全般的な動き

 ■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■

 12月19日の東京株式市場は日経平均株価が続落いたしました。
昨晩の米NY株式市場は反発。DOWは+65ドルの13232ドル、NASDAQ総合指数は+21.57ポイントの2596.03ポイントとなりました。
 シカゴ平均株価先物大証終値+125円の15,295円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り2790万株、買い3390万株、差し引き600万株の買い越し観測(金額ベースも小幅買い越し)でした。

 東京株式市場は日経平均株価が6日続落。日経平均株価始値15,165円と前日終値15,249円から42円安くスタート。前場は反発基調に転じ上昇いたしましたが、後場に入ると売り直され下落。引けは−177円の15,030円で本日の取引を終了しております。
 東証1部の騰落数は、値上がり287銘柄に対し、値下がりは1,336銘柄、変わらずは99銘柄。東証1部の売買代金は2兆2057億円、売買高は17億7698万株となっております。

 ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 本日の東京株式市場は小高く買われた場面もありましたが、上値の重さが嫌気され売られております。
 個別では、大和証券グループ本社(8601)、新光証券(8606)、カブドットコム証券(8703)など証券株や、三井不動産(8801)、住友不動産(8830)、藤和不動産(8834)など不動産株が売られ下落。

 また、商船三井(9104)、明治海運(9115)、太平洋海運(9123)などの海運株や、伊藤忠商事(8001)、住友商事(8053)など商社株、新日本石油(5001)、昭和シェル石油(5002)、コスモ石油(5007)など石油株も下落。エルピーダメモリ(6665)、東京エレクトロン(8035)、アドバンテスト(6857)など半導体関連株も売り物に押され株価を落としております。

 その中目立った銘柄では、「特別会員注目銘柄」のシンキ(8568)が+31円の188円と暴騰し全市場上昇率ランキングトップに君臨。同じく「特別会員銘柄」の日特建設(1929)も+5円の81円と大幅上昇を演じ東証1部上昇率ランキング5位にランクイン。
 その他では、グリーンホスピタルサプライ(3360)、シルバーオックス(8024)、東京テアトル(9633)、JFE商事ホールディングス(3332)、太陽誘電(6976)などが買われ逆行高を演じております。
 反面、業績予想の下方修正が嫌気された日本化薬(4272)はストップ安に沈み、藤和不動産(8834)、三井鉱山(3315)は大幅続落。フェイス(4295)、NISグループ(8571)なども大きく売られました。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場は売り物に押され下落。主力株では、SBIイー・トレード証券(8701)を始め、インテリジェンス(4757)、ミクシィ(2121)、アルデプロ(8925)、GCAホールディングス(2126)、サイバーエージェント(4751)、アセット・マネジャーズ(2337)、ガンホーオンライン(3765)などが揃って下落いたしましたが、ACCESS(4813)、ターボリナックス(3777)などは上昇いたしました。
 新興3市場は、JASDAQ平均、マザーズ指数、ヘラクレス指数は下落いたしました。

 個別では、エム・ピー・テクノロジーズ(3734)、ジー・エフ(3751)、イー・キャッシュ(3840)、ラ・パルレ(4357)、日本通信(9424)、アイフィスジャパン(7833)などがストップ高まで買われ、フライトシステムコンサルティング(3753)、日本マイクロニクス(6871)、e−まちタウン(4747)、LTTバイオファーマ(4566)などが上昇しております。
 反面、前日新規上場を果たしたCDS(2169)を始め、エイジア(2352)、いい生活(3796)、アイ・ピー・エス(4335)はストップ安に沈み、ウェブマネー(2167)、ファンコミュニケーションズ(2461)、ネットプライスドットコム(3328)、アプリックス(3727)などが大幅下落となるなど軟調商状となっております。

 新興市場は前日のリバウンドの流れは続かず、引けにかけて値を消す形となりました。CDS(2169)、ウェブマネー(2167)、MICメディカル(2166)、日本マニュファクチャリングサービス(2162)など直近公開銘柄も売られ大幅下落。東証1部の主力株でも朝方強く買われた鉄鋼株が後場には上げ幅をなくすなど酷い動きが続いております。
 外国人がクリスマス休暇入りと市場参加者は減少。積極的な買いは限定的となっております。日経平均株価も6日続落と大きく下げていることから、今週で調整を終え来週から買い優勢となることも考えられます。ただ、動きがはっきりとするまではトレードは割り切れる範囲の資金に留め、ここから更に大きく下落した場面があれば、その時に大きく買い向かえるようキャッシュポジションは高めたままとなります。

 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は−177円の15,030円と続落。
 昨晩の米NY株式市場は欧州中銀が民間銀行に5000億ドルの資金供給を行ったことなどが好感され反発。
 東京株式市場は米NY株高やシカゴ平均株価先物大証終値+125円の15,295円と高く買われたことや、寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況が差し引き600万株の買い越し観測となったことから『買い優勢』で始まるかと思われましたが、先物への売り仕掛けが入り、日経平均株価は−42円の15,165円と小安くスタート。

 寄り付き後は、昨晩の米NY株高に続き夜間取引のGLOBEXで米株価指数先物が強含み、アジア株式も堅調に推移していたことなどから、下値を切り上げる動きに転じました。しかし後場に入ると先物主導で値を崩し、終値は−177円の15,030円の安値引けとなりました。
 中期基調は下向き。短期基調も下向き継続となっております。日経平均株価のサイコロは●○○○●○●●●●●●と「4勝8敗」。25日移動平均線は15,429円とフラットから下向きに。日足は上ヒゲを持つ陰線を形成いたしました。

 昨日、15,004円まで売られた後に15,301円まで反発し、市場では「底入れ」に期待した見方もございましたが、リバウンドの動きは続かず下落。昨日に「明日以降も強く推移すれば大納会に向け15,700円前後までの反発も期待されます」と書かせて頂きました。
 明日以降15,000円割れを避け強く反発してくれば、調整一巡から反発に転じる動きとなりますが、15,000円を割り込むような下げとなると、そのまま14,700円ほどまでの下げを演じる可能性もございます。明確な底打ちまでは慎重姿勢そのままに日々の動きを見ていきます。