本日の東京市場、注目されたNY市場はプラスとマイナスを往復する不安定な動きとなったがダウは27ドル高で引けた事とシカゴ225先物の14.510円引けを背景に何とか反発の一日となっている。ダウは71円安で始まり後場からプラスに転じて高値47円高を付けて大引け28円高の14.528円、先物は9万8.498枚の出来高で14.540円の終わりである。小幅な反発ではあるが本日の動きで年末からの下落を止めた所であるが、注目すべきは相場の中身である。折からの相場の柱である銘柄群が揃って高値引けもしくは高値圏で終わっており、これに加えてサブプライムローン問題で一番心配される銀行株がいずれも商いを伴う強力な上昇で高値引けとなっている点である。相場は昨日の大引けにかけての動きと本日の動きに依って上昇相場の形を完全に整えたという事であるが、昨日触れた通りNY市場に於ける大手銀行の決算をはじめ折から続く良くも悪くも相場を一変させる突発的な材料が出て来る可能性は十分にあるだけに引き続きNY市場の動向に注意しつつ相場そのものの方向性を見極める事が大切な場面である。

本日の株式市場の全般的な動き

 ■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■

 2008年1月8日の東京株式市場は日経平均株価が小幅反発いたしました。
昨晩の米NY株式市場は高安マチマチ。DOWは+27ドルの12827ドル、NASDAQ総合指数は−5.19ポイントの2499.46ポイントとなりました。
 シカゴ平均株価先物大証終値+50円の14,510円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り3340万株、買い2250万株、差し引き1090万株の大幅売り越し観測(金額ベースも売り越し)でした。

 東京株式市場は5営業日ぶりに反発に転じております。日経平均株価始値14,429円と前日終値14,500円から71円安くスタート。直後に−135円の14,365円まで下げたものの、銀行株などを中心に押し目買いが入りプラスに転じました。再び下げる場面もありましたが引けにかけて買い優勢となり、+28円の14,528円で本日の取引を終了しております。
 東証1部の騰落数は、値上がり703銘柄、値下がり897銘柄、変わらずは129銘柄。東証1部の売買代金は2兆6315億円、売買高は21億1415万株となっております。

 ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 本日の東京株式市場は主力株を中心に押し目買いが入り反発に転じる動きとなっております。米NY株式市場の動向など不透明感は強いままですが、連日の下落から割安感も生じております。
 個別では、渡辺金融担当大臣が「サブプライム問題で日本の金融システムに深刻なダメージは無い」などと発言したことなどが買い手がかりとなり、三井住友フィナンシャルグループ(8316)、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、りそなホールディングス(8308)など大手銀行株が上昇。千葉銀行(8311)、関東つくば銀行(8338)など地銀株の一角も買われております。

  ディフェンシブ銘柄としてJR東日本(9020)、JR西日本(8021)、JR東海(9022)など鉄道株も買われ上昇。新日本製鐵(5401)、住友金属工業(5405)、ジェイ エフ イー ホールディングス(5411)など鉄鋼株や、住友金属鉱山(5713)、三菱マテリアル(5711)、三井金属(5706)など非鉄金属株、伊藤忠商事(8001)、三菱商事(8058)、住友商事(8053)など商社株も買われ反発に転じました。
 また、住友不動産(8830)、三菱地所(8802)、東急不動産(8815)などの不動産株や、日本郵船(9101)、川崎汽船(9107)、乾汽船(9113)など海運株も買われました。

 目立った銘柄では、自社株買い発表が好感され飯田産業(8880)がストップ高となり東証1部上昇率ランキングトップに君臨。今08年8月期2月中間期業績予想の上方修正からクラウディア(3607)もストップ高
 また「マエストロ」の一般会員注目銘柄のディー・エヌ・エー(2432)が買いを集め大幅続伸。その他、東日カーライフグループ(8291)、アークランドサカモト(9842)、ネクシィーズ(4346)、カカクコム(2371)などが買われております。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場押し目買いが入り小反発。主力株では、ミクシィ(2121)、ACCESS(4813)、ソネットエンタテインメント(3789)、サイバーエージェント(4751)、サイバー・コミュニケーションズ(4788)などは上昇いたしましたが、スパークス・グループ(8739)、インテリジェンス(4757)、インデックス・ホールディングス(4835)などは下落いたしました。
 新興3市場は、JASDAQ平均は続落となりましたが、マザーズ指数、ヘラクレス指数はそろって反発。

 個別では、「ザラ場の銘柄情報」ピックアップ銘柄からユビキタス(3858)、ウェブマネー(2167)、MICメディカル (2166)、リアルコム(3856)などが大きく買われた他、シナジーマーケティング(3859)、スタートトゥデイ(3092)、CDS(2169)、テクノアルファ(3089)などが幅のある上昇を演じております。

 さて、弱い弱い動きが続いていた東京株式市場ですが、ようやく反発となりました。全般的には未だ弱い動きですが、東証1部では大手銀行株を始め、海運・鉄鋼・非鉄金属・商社・電鉄などに買われ、新興市場では直近公開銘柄の一角が大幅高となるなど、明日から週末にかけてのリバウンドが期待される動きとなっております。
 直近公開銘柄を始めとした値動きの良い新興市場銘柄に乗るか?ボリュームある商いが出来る東証1部の主力株の戻りにつくかは好みとなりますが、コツコツ取っていく作戦となります。

 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は+28円の14,528円と小幅反発。5営業日ぶりの上昇となりました。
 昨晩の米NY株式市場は売り圧力の強い中反発期待の買いも入りもみ合う動きとなり高安マチマチ。シカゴ平均株価先物大証終値+50円の14,510円と小高く回ってきましたが、米景気減速への懸念や前日のまでの大幅下落を見て処分売りの動きもあり、東京株式市場は軟調商状で取引をスタートいたしました。

 日経平均株価は−71円の14,429円と安く取引を開始。寄り付き後にズルズルと下落し−135円の14,365円まで売られましたが、その後は押し目買いが入り反発。引けにかけて下値を切り上げ+28円の14,528円で取引を終了。後場入り直後には+47円の14,547円まで買われた場面がありました。
 中期基調は下向き。短期基調も下向き継続となっております。日経平均株価のサイコロは●●●○○○○●●●●○と「5勝7敗」。25日移動平均線は15,417円と下向き。日足は上下に短いヒゲを持つ短小陽線を形成。下落の流れもひとまず一服です。

 日経平均株価は昨日の時点で既に大きく下落しておりましたが、本日更に売られ、12月26日高値の15,653円から本日安値の14,356円まで下げ幅は1,297円幅に達しました。
 昨日に「テクニカル的には明日以降目先の安値を付け反発・反騰を演じることが予想されます」と書かせて頂きましたが、安値14,365円から引けは14,528円と反発し取引を終えました。

 米NY株式市場が戻れば日経平均株価先物の買戻しの動きも強まり買われることが予想されます。本日安値が目先の安値となるかの判断は今後の動きを見ていかなけければなりませんが、テクニカル的にはここから2・3日の戻りが想定されます。反発力は弱いものの下値を切り上げる戻り足に期待していきます。