本日の東京市場、NY市場の大幅上昇とシカゴ225先物の14.610円引けを受けて52円安の寄付きから14円安まで戻す堅調な朝方となったが明日にSQを控えて大引けにかけてはこの2日間の上昇に対する利食いに依って211円安の14.388円引け、先物も9万1.719枚の出来高で14.400円引けとなっている。
本日の相場の中身は非鉄金属株、鉄鋼、商社、船株、いずれも安く、これ等の相場の柱が立たなかった事で全体相場も一日を通して弱い動きとなっている。しかし、本日は明日にSQを控えているという背景とあくまで一服であって昨日の上昇分の半分も下げていない銘柄が目立っている点に注目である。明日のSQは昨日一昨日の上昇と本日のロールオーバーを含めた下落に依って売り買いどちらが上回るか非常に読み難い所であるが、SQ商いがあらかた済んだ前場中頃から再び昨日までの中身から上昇する健全な相場付きとなるであろう。いずれにしても明日SQ後の動きに注目である。

本日の株式市場の全般的な動き

 ■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■

 2008年1月10日の東京株式市場は日経平均株価が反落いたしました。
昨晩の米NY株式市場は反発。DOWは+146ドルの12735ドル、NASDAQ総合指数は+34.04ポイントの2474.55ポイントとなりました。
 シカゴ平均株価先物大証終値+10円の14,610円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り3090万株、買い2660万株、差し引き430万株の売り越し観測(金額ベースでは買い越し)でした。

 東京株式市場は上値重く大幅に反落。日経平均株価始値14,546円と前日終値14,599から53円安くスタート。積極的な買いは見られず戻り待ち売りに押される展開となりました。終盤に売りが加速し下げ幅を拡大。引けは−211円の14,388円と本日の安値で取引を終了しております。
 東証1部の騰落数は、値上がり373銘柄、値下がり1,272銘柄、変わらずは84銘柄。東証1部の売買代金は2兆4206億円、売買高は19億1620万株となっております。

 ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 本日の東京株式市場は主力株を中心に幅広い銘柄が売られ反落。アジア株式市場の下落も売りを誘う要因となりました。
 個別では、三井住友フィナンシャルグループ(8316)、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、りそなホールディングス(8308)など大手銀行株や、千葉銀行(8331)、横浜銀行(8332)など地銀株が売り物に押され下落。

 新日本製鐵(5401)、住友金属工業(5405)、ジェイ エフ イー ホールディングス(5411)など鉄鋼株や、住友金属鉱山(5713)、三菱マテリアル(5711)、三井金属(5706)など非鉄金属株も反落。伊藤忠商事(8001)、三菱商事(8058)、住友商事(8053)など商社株や、新和海運(9110)、乾汽船(9113)、第一中央汽船(9132)など海運株も売られております。
 また、住友不動産(8830)、三菱地所(8802)、東急不動産(8815)などの不動産株や、ソニー(6758)、TDK(6762)、キヤノン(7751)などのハイテク株も下落いたしました。

 目立った銘柄では、日本経済新聞が「米国の医薬品市場に本格進出する」と伝えたソネット・エムスリー(2413)がストップ高を重ねた他、「ザラ場の銘柄情報」ピックアップ銘柄のテイクアンドギヴ・ニーズ(4331)、短期資金流入日本橋梁(5912)がそれぞれストップ高となりました。
 また、「マエストロ」の一般会員注目銘柄からイオンファンタジー(4343)が暴騰し東証1部上昇率ランキング6位にランクイン。その他、松尾橋梁(5913)、ホウスイ(1352)、ダイセキ(9793)などが買われました。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場は売り物に押され下落。主力株では、ソネットエンタテインメント(3789)が大幅続伸し、スパークス・グループ(8739)、リンク・セオリーHD(3373)、大阪証券取引所(8697)などが買われましたが、楽天(4755)、SBIイー・トレード証券(8701)、インデックスHD(4835)、インテリジェンス(4757)、GCAホールディングス(2126)、ミクシィ(2121)など揃って下落。
 新興3市場は、JASDAQ平均は小幅反発となりましたが、マザーズ指数、ヘラクレス指数は下落いたしました。

 個別では、エイジア(2352)を始め、ビューティ花壇(3041)、ジー・トレーディング(3348)、オンコセラピー・サイエンス(4564)、LTTバイオファーマ(4566)などがストップ高となり、スタートトゥデイ(3092)、ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(7774)などが幅のある上昇を演じております。
 また、大発会の買い銘柄として166,000円の位置で提案させて頂いた ザッパラス(3770)は株価が+21,000円の211,000円と大幅続伸し21万円台に乗せてきました。

 さて、日経平均株価は反落し朝方強かった新興市場も引けにかけて下落し寂しい動きとなりました。東証1部騰落銘柄数では値下がり1,272銘柄と全面安に近い展開となり全般安。
 「マエストロ」の注目銘柄では、ザッパラス(3770)、イオンファンタジー(4343)が暴騰した他、先週末突っ込んだ場面で提案させて頂いたディー・エヌ・エー(2432)も上昇を重ね大幅高となっております。
 流石にこの地合いですのでサッパリいかない銘柄もございますが、持続する銘柄は上昇を期待し持続。見切る銘柄は手仕舞いし底打ち場面での買い待ち資金といたします。はっきりと底打ちするまでは、割り切れる資金で朝方動きの出た銘柄などを『飛び乗り飛び降りトレード』で狙っていきます。

 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は−211円の14,388円と下落いたしました。
 昨晩の米NY株式市場はディフェンシブ銘柄への買いや主力ハイテク株への押し目買いの動きとなり反発し下げ一服。
 米NY株式市場は上昇いたしましたが前日の上昇で織り込み済みとあってか東京株式市場はやや売り優勢で取引をスタートいたしました。

 日経平均株価は−53円の14,546円と安く取引を開始。寄り付き後も目立った反発がないままズルズルと下落し、引けは−211円の14,388円の安値引けとなり、終値ベースでの安値更新となりました。
 昨日に「週末に向けまずは14,900円前後までの反発が予想されます」と書かせて頂きましたが買いは続かず反落と、弱い動きとなりました。今晩にバーナンキFRB議長の講演、明日には株価指数オプション1月物SQ算出を控えていることもあり様子見気分の強い中、先物主導で下落いたしました。

 中期基調は下向き。短期基調も下向き継続となっております。日経平均株価のサイコロは●○○○○●●●●○○●と「6勝6敗」。25日移動平均線は15,349円と下向き。日足は短い上ヒゲを持つ陰線を形成。
 前日ザラ場の328円幅の上昇から、市場では「これで底打ちだ!」と強気に転じる見方も出てきた翌日の下落。投資家心理は後退しムードはまた悪化しております。

 本日は前日ザラ場の上昇に対する一服と、上昇に期待する見方もございますが、本日反発できずに大きく下げてきた動きは頼りなく見られます。明日空かさず反発すれば14,900円前後に向かう動きが予想されますが、弱い動きが続くと「14,000円をも割り込む下落となる」可能性もございます。
 日経平均株価は未だ期待された『明確な底打ち』に至っておりません。明日は週末金曜日ですので今日以上動き難い1日といえます。個別重視で見ていきます。