本日の東京市場はNY市場に於けるバーナンキ氏の「必要に応じて大幅な追加措置をとる用意がある」との発言を好感した上昇とシカゴ225先物の14.505円引けを受けて31円高で始まり折からの相場の柱となっている銘柄群の強い上昇に依って高値59円高を付けたが「米証券大手メリルリンチが約150億ドルの損失を計上する見通し」との報道から一気に崩れて安値280円安を付けて大引け277円安の14.110円引け、先物も13万8.402枚の出来高で14.170円の終わりとなっている。本日のSQは清算値14.355円で決まってその後は相場の中身から上昇する堅調な動きとなったが今週はNY市場を中心に来週に控えた銀行各社の決算に強い不安を持った動きが続いて来ただけに本日の報道がもろに悪材料となったという所である。しかし、当の本人であるNY市場は既に以前より大幅な下落が続いる上に本日の報道に依って大幅な追加利下げも決定的になったという所であり、更には来週ハッキリする銀行各社の決算も既に損失拡大は予想されている事であるだけに来週は悪材料出尽くしとして前向きに受け止める動きが目立つ相場になるものと筆者は見る所である。
■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■

 2008年1月11日の東京株式市場は日経平均株価が大幅続落いたしました。
昨晩の米NY株式市場は上昇。DOWは+117ドルの12853ドル、NASDAQ総合指数は+13.97ポイントの2488.52ポイントとなりました。
 シカゴ平均株価先物大証終値+105円の14,505円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り3660万株、買い2630万株、差し引き1030万株の大幅売り越し観測(金額ベースでも売り越し)でした。

 東京株式市場は弱い動きが続いております。日経平均株価始値14,419円と前日終値14,388から31円高くスタート。買い一巡後は不動産関連株を中心に売られ下落。後場に入って先物主導で売りが加速し下げ幅を拡大いたしました。引けは−277円の14,110円と昨年来安値を更新しております。
 東証1部の騰落数は、値上がり216銘柄、値下がり1,452銘柄、変わらずは61銘柄。東証1部の売買代金は3兆474億円、売買高は24億7053万株となっております。

 ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 週末金曜日、本日の東京株式市場は主力株を中心に幅広い銘柄が売られ続落。不動産市況の先行き懸念から、不動産ファンド関連株が急落するなど市場心理が後退。東証1部の騰落数は値下がり1,452銘柄と全面安商状となっております。

 個別では、三井住友フィナンシャルグループ(8316)、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、りそなホールディングス(8308)など大手銀行株や、大和証券グループ本社(8601)、野村ホールディングス(8604)など証券株が下落。

 新日本製鐵(5401)、住友金属工業(5405)、神戸製鋼所(5406)など鉄鋼株や、住友金属鉱山(5713)、三菱マテリアル(5711)、三井金属(5706)など非鉄金属株も続落。伊藤忠商事(8001)、三菱商事(8058)、住友商事(8053)など商社株や、新和海運(9110)、乾汽船(9113)、第一中央汽船(9132)など海運株も引き続き売られております。
 また、アセット・マネジャーズ(2337)が発表した2008年2月期業績予想の大幅減額が嫌気され、住友不動産(8830)、三菱地所(8802)、東急不動産(8815)などの不動産大手が大幅安。クリード(8888)、パシフィックマネジメント(8902)、ケネディクス (4321)など不動産ファンド関連株は揃ってストップ安に沈むなど不透明感が強まり投売りの様相となっております。

 その中目立った銘柄では、短期資金流入日本橋梁(5912)が大幅続伸し東証1部上昇率ランキングトップに君臨。前日に発表した12月の月次動向が好感されたスギ薬局(7649)、業界再編期待からニチレイ(2871)、2007年11月中間期の増益決算が好感されたクリエイトエス・ディー (2794)、薬害肝炎救済法の成立から田辺三菱製薬(4508)などが上昇。
 また、クボテック(7709)がストップ高まで買われた他、東北ミサワホーム(1907)、クラリオン(6796)なども逆行高を演じております。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場は売り物に押され続落。主力株では、楽天(4755)を始め、ミクシィ(2121)、GCAホールディングス(2126)、ACCESS(4813)、スパークス・グループ(8739)、インデックス・ホールディングス(4835)、日本ベリサイン(3722)、サイバーエージェント(4751)、サイバー・コミュニケーションズ(4788)などが下落いたしましたが、SBIイー・トレード証券(8701)、インテリジェンス(4757)は買われております。
 新興3市場は、JASDAQ平均、マザーズ指数、ヘラクレス指数そろって下落いたしました。JASDAQ平均は終値ベースで2004年3月以来の安値水準に至っております。

 個別では、アセット・マネジャーズ(2337)を始め、鉄人化計画(2404)、ネクストジャパン(2409)、エスプール(2471)、ベクター(2656)、エー・ディー・ワークス(3250)、ジー・トレーディング(3348)、アドバンスト・メディア(3773)、ターボリナックス(3777)、デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム(4281)、ダヴィンチ(4314)、e−まちタウン(4747)、USEN(4842)、フィンテック(8789)、レーサム(8890)、エリアリンク(8914)、レイコフ(8941)などが値幅制限いっぱいまで売られるなどストップ安銘柄が続出しております。

 さて連休前にもう一段大きく下げてきました。「はっきりと底打ちするまでは、割り切れる資金でトレードを」とお伝えしてきましたが、市場は投売りの様相となっており、いよいよその『底打ち』も迫ってきました。
 連休明けの動きにもよりますが恐らく来週半ばから来週末にかけて目先の底打ち場面が到来すると予想されます。

 反発場面では特に大きく下落した新興市場銘柄から1.5倍以上の暴騰を見せる銘柄も多く出現することが期待できます。実際の動きも見てみないと確実とはいえませんが、来週はそうした『大幅暴騰期待銘柄』をセットで強気提案できるものと思われます!とにかく大底からの反騰場面が株式投資では一番大きく儲かる場面です!

 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は−277円の14,110円と大幅続落いたしました。
 昨晩の米NY株式市場は上昇。米バンク・オブ・アメリカが米住宅ローン大手のカントリーワイド・フィナンシャル買収に向けて協議を進めているとの報道が好感されました。
 米NY株式市場の続伸から東京株式市場は反発が期待されましたが、終わってみれば全面安と残念な動きとなりました。

 日経平均株価は+31円の14,419円と小高く取引を開始。寄り付き後に+59円の14,447円まで買われた場面がありましたが、その後は先物主導で売られ下落。後場に入っても目立った反発のないまま更に売られ、引けは−277円の14,110円と大幅続落。
 昨日に「週末に向けまずは14,900円前後までの反発が予想されます」と書かせて頂きましたが買いは続かず反落と、弱い動きとなりました。今晩にバーナンキFRB議長の講演、明日には株価指数オプション1月物SQ算出を控えていることもあり様子見気分の強い中、先物主導で下落いたしました。

 中期基調は下向き。短期基調も下向き継続となっております。日経平均株価のサイコロは○○○○●●●●○○●●と「6勝6敗」。25日移動平均線は15,287円と下向き。日足は幅のある陰線を形成し下放れの下落足となっております。
 昨日に「明日空かさず反発すれば14,900円前後に向かう動きが予想されますが、弱い動きが続くと14,000円をも割り込む下落となる可能性もございます」と書かせて頂きましたが、市場は下を選びました。

 日経平均株価は1月9日安値の14,271円を割り込み底割れとなりました。これで週末の米NY株式市場が売られると連休明けは更にムードが悪化し、売り気配で始まることも考えられます。
 しかし、今週は底打ちに失敗した東京株式市場ですが、来週に入りズルズルと更に突っ込んだ場面では底打ちとなるでしょう。短期間(2週間前後)で日経平均株価が安値から1,500円幅近く上昇する反騰を見せるものと思われます。嫌な嫌な相場ですがそれまで今少し待つ形となります。