世界株安の中で大幅全面安が続く東京市場である。昨日のNY市場はキング牧師生誕記念日で休みであるが世界株安を背景に200円安で始まり12.700円割れから前引けにかけて戻りに入る動きとなったが上海市場に於ける銀行株の売買停止やインド市場の取引全面停止というアジア市場のパニック的な下落から大引けにかけて一段安の752円安12.573円、先物は26万7.440枚の大商いで12.510円引けといずれも暴力的な下落となっている。昨日触れた通りサブプライムローン問題が世界中で続出しておりNY市場に於ける金融大手の決算発表もまだ残っているだけに更に下落させる材料が出て来る可能性があり、相場も市場も冷静さを失って個々の動き無く東京市場として全体が博打的に動いているのが現状である。しかし、本日の東京市場を含めたアジア各国の下落と売買停止は異常事態であり、ここまで来れば政府が何かしらの手を入れなくてはならない所へ来たものと筆者は考える。米国は先週末1.500億ドルの景気対策を発表したが、これに続く日本政府の対策に注目しながら様子を見るしか無い所である。
 ■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■

 2008年1月22日の東京株式市場は日経平均株価が暴落いたしました。
先週末の米NY株式市場はキング牧師誕生日で休場でした。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り2940万株、買い2170万株、差し引き770万株の売り越し観測(金額ベースも売り越し)でした。

 東京株式市場は全面安商状。日経平均株価始値13,125円と前日終値13,325円から100円安くスタート。その後も幅広い銘柄が売られ下げ幅を拡大。後場軟調もみあいが続き引けにかけて一段安となりました。引けは−752円の12,573円で本日の取引を終了しております。
 東証1部の騰落数は、値上がり31銘柄、値下がり1,682銘柄、変わらずは15銘柄。東証1部の売買代金は3兆0542億円、売買高は27億8912万株となっております。

 ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 大波乱です。本日の東京株式市場は大幅続落。主力株を筆頭に幅広い銘柄が大きく売られ全面安となりました。昨晩の米NY株式市場は「キング牧師誕生日」の祝日で休場となりましたが、世界連鎖株安から欧州の株式市場が暴落。ロンドンFT100種株価指数は前週末比5.48%もの下落を演じ、米同時多発テロが発生した2001年9月11日の5.7%以来の下げ幅を記録。東京株式市場はこれに嫌気し昨日に続き『売り一色』となりました。

 個別では、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)、りそなホールディングス(8308)など銀行株や、野村ホールディングス(8604)、大和証券グループ本社(8601)、日興コーディアルグループ(8603)など証券株が大幅続落。
 三井不動産(8801)、三菱地所(8802)、東急不動産(8815)など不動産株や、クリード(8888)、パシフィックマネジメント(8902)、リサ・パートナーズ(8924)、ケネディクス(4321)など不動産ファンド関連株も売られ株価を下げております。

 また、住友金属鉱山(5713)、DOWAホールディングス(5714)、 三菱マテリアル(5711)など非鉄金属株や、新日本製鐵(5401)、住友金属工業(5405)、ジェイ エフ イー ホールディングス(5411)など鉄鋼株、日本郵船(9101)、新和海運(9110)、乾汽船(9113)など海運株も続落。
 更には、トヨタ自動車(7203)、日産自動車(7201)、ホンダ(7267)など自動車株や、ソニー(6758)、キヤノン(7751)、TDK(6762)などハイテク株や、伊藤忠商事(8001)、住友商事(8053)、三菱商事(8058)など商社株も株価を大きく落としております。

 その中目立った銘柄では、割安感が指摘されているダイワボウ情報システム(9912)が+45円の1,400円と続伸。先日みずほ証券が投資判断を「3」から「2」に引き上げ目標株価を4,300円としたエルピーダメモリ(6665)も+70円の3,680円と続伸いたしました。
 その他、テレビ東京(9411)、松屋(8237)、総合メディカル(4775)などが全面安の中、株価を上げております。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場は投売りを浴び大幅続落。主力株では、楽天(4755)を始め、スパークス・グループ(8739)、ミクシィ(2121)、ACCESS(4813)、GCAホールディングス(2126)、サイバーエージェント(4751)、ぐるなび(2440)などが揃って下落。
 新興3市場は、JASDAQ平均、マザーズ指数、ヘラクレス指数共に大幅続落となりました。

 個別では、地域新聞社(2164)、CDS(2169)、ジー・モード(2333)、セレブリックス(2444)、オールアバウト(2454)、エフティコミュニケーションズ(2763)、ディア・ライフ(3245)、エー・ディー・ワークス(3250)、ザッパラス(3770)、ブロードバンドタワー(3776)、ジーダット(3841)などが値幅制限いっぱいまで売られるなどストップ安銘柄が続出しております。

 市場は恐怖から「買い」が引っ込む中、先物の売りに追い証発生に伴う処分売りが続き大幅な下落となりました。正にセイリングクライマックス特有の動きです。
 当然のことながら『下げれば更に強気』となります。気が気でない方は反発を確認してから、買い向かう形で良いと思いますが、東証1部でも新興市場でも下落に続く下落を演じている銘柄は反発期待で「買い」となります。本日大きく売られている持続銘柄についても、ここでの売りは安値売りとなってしまう為、反騰期待で持続方針となります。

 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は−752円の12,573円と大幅続落となりました。
 節目となる13,000円を割り込む動きとなり、下げ幅「752円安」は1月4日大発会の616円安を抜いて今年最大を記録。サブプライムローン問題の広がりから世界景気減速懸念が更に強まり世界同時株安が進行。世界の株式市場から資金が逃避しております。

 東京株式市場はヨーロッパ市場の暴落や、円高方向に進んだ為替などが嫌気され売り優勢で取引を開始。日経平均株価は−100円の13,125円と安寄りスタート。寄り付き後もズルズルと売られ、終わってみれば−752円の12,573円と、まるで値動きの激しい新興市場銘柄のような下げとなりました。ほぼ安値引けです。
 中期基調は下向き。短期基調も下向き継続となっております。日経平均株価のサイコロは●●○○●●●●○○●●と「4勝8敗」。25日移動平均線は14,748円と下向き。日足は下放れ大陰線で暴落線。前日の安値更新からグサリと落としております。

 先週末、後場の反発で「底入れ」と思われた東京株式市場も、更に大きく下げております。25日移動平均線マイナス乖離率は14.7%に達しました。通常マイナス乖離8%が反発の目安とされます。これが10%に達する場面もございますが、それは下落トレンドの最終局面となり、年に1・2度あるかの『買いチャンス』となります。

 本日の『マイナス乖離率14.75%』は10年に1度あるかの数値です。過去の暴落をさかのぼると1980年以降のデータで日経平均株価25日移動平均線マイナス乖離トップは1990年10月1日の17.9%、2位は1993年11月29日の15.3%、3位は1992年4月9日の15.2%となっております。
 これを見ても、そうあることのない歴史的な底値圏に達していることは明白。ここから更に売られても瞬間的、その後は反発・反騰の動きに転じることとなります。『強気の買いです』