世界的な株式市場の暴落から注目された昨日のNY市場は500ドル安い大幅下落で始まったが0.75%の大幅な緊急利下げの発表から大きく戻してダウ128ドル安ナスダック47p安と大引けには落ち着きを取り戻して終わっている。東京市場もこれを受けて183円高の寄付きから一気に13.000円台に乗せる高値490円高を付けて大引け256円高の12.829円、先物も21万5.240枚の出来高で12.800円引けと久々に終始全面高の一日となっている。昨日の緊急利下げに依ってひとまずは連日の大幅な世界株安が食い止められた所であるが、あくまで相場に対する小手先の好材料にしかならないだけに本日で好転したとまで判断する事は到底できないものである。本日の一時490円高を付ける強い上昇は歓迎したい所であるが連日の下落を考慮すればこの程度は当然の動きであり、本日の動きを底に方向転換できるかどうかは明日明後日の動きを見極める事が大切である。
 ■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■

 2008年1月23日の東京株式市場は日経平均株価が反発いたしました。
昨晩の米NY株式市場は下落。DOWは−128ドルの11971ドル、NASDAQ総合指数は−47.75ポイントの2292.27ポイントとなりました。
 シカゴ平均株価先物大証終値+600円の13,110円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り4370万株、買い4570万株、差し引き200万株の買い越し観測(金額ベースも買い越し)でした。

 東京株式市場は3日ぶりに上昇いたしました。日経平均株価始値12,756円と前日終値12,573円から183円高くスタート。幅広い銘柄に押し目買いが入り、前場は+490円の13,063円まで上昇する場面がありました。後場に入ると急速に伸び悩む動きとなり上げ幅を縮小。引けにかけて再び買われ、引けは+256円の12,829円で本日の取引を終了しております。
 東証1部の騰落数は、値上がり1,444銘柄、値下がり220銘柄、変わらずは62銘柄。東証1部の売買代金は2兆9446億円、売買高は25億2806万株となっております。

 ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 『日経平均−752円の12,573円』と大波乱の翌日となる本日の東京株式市場は反発となりました。主力株を筆頭に幅広い銘柄に押し目買いが入り反発。下げ一服となっております。
 個別では、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)、りそなホールディングス(8308)など銀行株や、野村ホールディングス(8604)、大和証券グループ本社(8601)、新光証券(8606)など証券株が反発。

 三井不動産(8801)、三菱地所(8802)、東急不動産(8815)など不動産株も買われ上昇。住友金属鉱山(5713)、DOWAホールディングス(5714)、 三菱マテリアル(5711)など非鉄金属株や、新日本製鐵(5401)、住友金属工業(5405)、ジェイ エフ イー ホールディングス(5411)など鉄鋼株、日本郵船(9101)、新和海運(9110)、乾汽船(9113)など海運株も買われ反発いたしました。
 また、トヨタ自動車(7203)、日産自動車(7201)、ホンダ(7267)など自動車株や、伊藤忠商事(8001)、住友商事(8053)、三菱商事(8058)など商社株も買われ反発いたしました。

 目立った銘柄では、割安感が指摘されているダイワボウ情報システム(9912)が+145円の1,545円と続伸。大幅下落銘柄からドワンゴ(3715)、学習研究社(9470)、日本コンベヤ(6375)などが反発。新興プランテック(6379)、ブリヂストン(5108)、任天堂(7974)なども買われております。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場押し目買いから反発。主力株では、ミクシィ(2121)を始め、インテリジェンス(4757)、スパークス・グループ(8739)、GCAホールディングス(2126)、フルスピード(2159)、サイバーエージェント(4751)、ぐるなび(2440)などが上昇。
 新興3市場は、JASDAQ平均、マザーズ指数、ヘラクレス指数共に反発いたしました。

 個別では、スタートトゥデイ(3092)、トレジャー・ファクトリー(3093)、ネットプライスドットコム(3328)、鉱研工業(6297)、アドバンテッジリスクマネジメント(8769)、日本社宅サービス(8945)などがストップ高となった他、ザッパラス(3770)、日本レップ(8992)、ネットプライスドットコム(3328)、ゼンテック・テクノロジー・ジャパン(4296)などが幅のある上昇を演じております。

 本日反発となりましたが、市場の下げに対する恐怖は消えてはおりません。サブプライムローン問題の広がりから世界景気減速懸念が強まり世界同時株安が進行。昨晩のFRBの緊急利下げ発表をきっかけに下げ止まった東京株式市場ですが、米景気の減速懸念は根強く払しょくされてはおりません。
 しかし、先日書かせて頂いたように日経平均株価テクニカル指標は過去17年間で最大数値まで売られており、騰落レシオなど各種テクニカル指標も歴史的底値を示しております。『下げれば更に強気』の見方は継続。
 先日より「買い」に向かった下げすぎ銘柄を持続、反発反騰を待つ形となります。東証1部からは、三井造船(7003)、新和海運(9110)、第一中央汽船(9132)、大平洋金属(5541)、東邦チタニウム(5727)、カブドットコム証券(8703)などの暴落銘柄の動きを追っていきます。

 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は+256円の12,829円と反発。
 昨晩の米NY株式市場は続落ながら、米NY株式市場が休場中の世界市場の下落幅を考えると小幅の下落に留まっております。FRBによる0.75%の緊急利下げの発表も下支えとなっております。
 東京株式市場はシカゴ平均株価先物大証終値+600円の13,110円と高く買われたことや、円高一服感などが好感され買い優勢で取引を開始いたしました。

 日経平均株価は+183円の12,756円と高くスタート。寄り付き直後に+490円の13,063円まで買われましたが、買いは続かず上げ幅を縮小。後場は上下に揺れる動きとなり終値は+256円の12,829円。終値13,000円回復はお預けとなっております。
 中期基調は下向き。短期基調も下向き継続となっております。日経平均株価のサイコロは●○○●●●●○○●●○と「5勝7敗」。25日移動平均線は14,620円と下向き。日足は大きく下落した後に「はらみ線」が出現。相場の転換を案じさせる形となっております。

 日経平均株価は昨年12月7日の16,107円から昨日安値の12,572円までワントレンドで3,535円幅(21.94%)の下落を演じました。本日+256円の12,829円と反発しておりますが、これまでの下げと比較すると反発のうちに入らず、むしろ「下げ一服」といえます。

 ただ、これまでの暴落から反転への形を見ても翌日から一気に暴騰するような動きは稀で、ほとんどが本日のように高寄りするがその後はもみ合う1日を経て反騰に向かう形がほとんどです。
 明日、本日の反発を打ち消す下落を演じ安値を更新してくると、本日の反発は単なるアヤ戻しだったことになりますので注意も必要ですが、既に大きく売られております。ここから底の形を整え上昇に転じる動きが予想されます。