昨日のNY市場は約300ドル安の大幅下落で始まったが心配された金融保障会社モノラインに対する救済の動きを好材料にプラスに転じて大引けダウ298ドル高ナスダック24p高と一転して大幅高の終わりとなっている。相変わらずサブプライムローン問題を背景とする政府の動向次第で大幅に上下する博打的な動きが続いているが、この問題の震源地であるNY市場のこの2日の動きは大いに評価したい所である。東京市場も昨日が目先の底となるかどうかという点で注目された本日の相場であるが、NY市場の動きとシカゴ225先物の13.095円引けを受けて123円高で始まり高値305円高を付けて大引け263円高の13.092円引け、先物も14万8.617枚の出来高で13.060円引けといずれも13.000円を大きく上回る堅調動きで終わっている。筆者は昨日の時点で底入れを確認するのは時期尚早であり2.3日の相場付きで見極める事が大切であると解説したが、昨日の連日の下落を止めた動きから本日は寄りから引けまで最近目立った急転の無いしっかりした上昇の一日となっている点に注目する所である。

 ■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■

 2008年1月24日の東京株式市場は日経平均株価が続伸いたしました。
昨晩の米NY株式市場は大幅反発。DOWは+298ドルの12270ドル、NASDAQ総合指数は+24.14ポイントの2316.41ポイントとなりました。
 シカゴ平均株価先物大証終値+295円の13,095円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り4110万株、買い2810万株、差し引き1300万株の売り越し観測(金額ベースでは買い越し)でした。

 東京株式市場は米NY株式市場の急反発を好感し全面高。日経平均株価始値12,952円と前日終値12,829円から123円高くスタート。終日高い水準での堅調展開が続きました。引けは+263円の13,092円と13,000円台を回復し本日の取引を終了しております。
 東証1部の騰落数は、値上がり1,544銘柄、値下がり154銘柄、変わらずは31銘柄。東証1部の売買代金は3兆555億円、売買高は26億1795万株となっております。

 ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 本日の東京株式市場は大幅続伸。前日の米NY株式市場で金融保証会社に対する救済策が伝わり信用収縮懸念が後退、急反発を見せたことから、主力株を筆頭に幅広い銘柄に押し目買いが入り続伸いたしました。
 個別では、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)、りそなホールディングス(8308)など銀行株や、野村ホールディングス(8604)、大和証券グループ本社(8601)、新光証券(8606)など証券株が続伸。

 三井不動産(8801)、三菱地所(8802)、東急不動産(8815)など不動産株も買われ大幅上昇。住友金属鉱山(5713)、DOWAホールディングス(5714)、 三菱マテリアル(5711)など非鉄金属株や、新日本製鐵(5401)、住友金属工業(5405)、ジェイ エフ イー ホールディングス(5411)など鉄鋼株、飯野海運(9119)、新和海運(9110)、乾汽船(9113)など海運株も大きく買われ大幅続伸となりました。
 また、伊藤忠商事(8001)、住友商事(8053)、三菱商事(8058)など商社株や、千代田化工建設(6366)、鹿島(1812)、清水建設(1803)、前田建設工業(1824)など建設株も買われました。

 目立った銘柄では、チタン工業(4098)が仕手化し+29円の154円と暴騰し東証1部上昇率ランキングトップに君臨。大幅下落銘柄からラウンドワン(4680)が反発に転じ一気にストップ高ディーアンドエムホールディングス(6735)、リズム時計工業(7769)、三協・立山ホールディングス(3432)、アツギ(3529)などの低位株の一角も大幅上昇。
 また、「特別会員銘柄」のNISグループ(8571)を始め、「一般会員銘柄」の日本カーボン(5302)も暴騰。セイコーエプソン(6724)、大京(8840)、富士通ゼネラル(6755)なども大きく買われております。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場押し目買いが広がり続伸。主力株では、楽天(4755)を始め、スパークス・グループ(8739)、インテリジェンス(4757)、ミクシィ(2121)、GCAホールディングス(2126)、フルスピード(2159)、スタートトゥデイ(3092)、サイバーエージェント(4751)、ダヴィンチ・アドバイザーズ(4314)、ぐるなび(2440)などが上昇。
 新興3市場は、JASDAQ平均、マザーズ指数、ヘラクレス指数共に続伸いたしました。

 個別では、ジー・モード(2333)、メディビックグループ(2369)、フジコー(2405)、東京一番フーズ(3067)、さくらインターネット(3778)などがストップ高となった他、トレジャー・ファクトリー(3093)、ぐるなび(2440)、マネースクウェア・ジャパン(8728)、USEN(4842)、ブイ・テクノロジー(7717)などが幅のある上昇を演じております。

 さて、東京株式市場ですが米NY株式の上昇を好感し続伸となりました。通常暴落後の反発時には新興市場からストップ高が続出するのですが、新興市場銘柄は追証による処分売りが多いと見られ、本日は東証1部から大幅上昇銘柄が続出いたしました。
 サブプライムローン問題を発端に世界連鎖株安となっております。これまで崩れを見せなかった中国まで崩れを見せております。根強いサブプライムローン問題から未だ不安心理は消えませんが、不安心理が消える時にリバウンド相場が「戻り天井」を形成する可能性もございます。
 先日より「買い」に向かった下げすぎ銘柄も大きく上げてきました。引き続きセット買い銘柄を持続、上昇を楽しむ形となります。東証1部銘柄では、三井造船(7003)、新和海運(9110)、第一中央汽船(9132)、大平洋金属(5541)、東邦チタニウム(5727)、カブドットコム証券(8703)などの暴落銘柄を引き続きマークしていきます。

 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は+263円の13,092円と続伸し13,000円台を回復いたしました。
 昨晩の米NY株式市場は急反発。米アップルの業績見通しが予想を下回ったことから売られた場面がありましたが前日の緊急利下げや、金融保証会社救済に向けた動きなどが好感され、引けにかけて急上昇。
 東京株式市場はシカゴ平均株価先物大証終値+295円の13,095円と高く買われたことや、米NY株式市場の反発、円高一服感などが好感され買い優勢で取引を開始いたしました。

 日経平均株価は+123円の12,952円と高くスタート。寄り付き後もジリジリと買われ13,000円台を回復。後場入り直後に上げ幅を縮小した場面もありましたが、反発期待の買いは継続。終値は+263円の13,092円と続伸いたしました。
 中期基調は下向き。短期基調も下向き継続となっております。日経平均株価のサイコロは○○●●●●○○●●○○と「6勝6敗」。25日移動平均線は14,506円と下向き。日足は小陽線を形成。前日の「はらみ線」の上に陽線をのせ、相場の転換を案じさせる形となっております。

 日経平均株価は昨年12月7日の16,107円から昨日安値の12,572円までワントレンドで3,535円幅(21.94%)の下落を演じました。昨日の256円高、そして本日の263円高と反発しておりますが、これまでの下げと比較すると小さく戻しただけであり、この程度では反発のうちに入りません。未だ「下げ一服」の動きといえます。

 ただ、大きく売られていた東証1部銘柄から10%台の反騰を見せる銘柄が散見され、市場では『底入れした』と楽観視する声も出ております。望むならNY株式市場高を好感しての窓空け上昇ではなく前日終値付近で寄り付きしっかりと上げる動きが欲しい。そうなると上昇に幅が生まれ実態のある陽線を形成、相場の変化を強く感じさせる形となります。
 本日の上昇で昨日よりは形がよくなったものの、明日反発を打ち消す下落を演じ安値を更新してくると、この上昇は単なるアヤ戻しだったことになってしまうので注意も必要です。しかし、昨日も書かせて頂いたようにテクニカル指標は歴史的数値を示しております。ここから更に上昇しトレンドを転換させる動きに期待していきます。