昨日のNYに続く東京の大幅下落から注目された本日の相場であるが、NY市場は終始下落で大引けも小幅安の一方で東京市場は強い動きが目立って大引けも僅かながらプラスとひとまずは一安心の動きとなっている。ダウは88円高で始まり高値118円高があって大引け0.10円高の12.992円、先物は13万8.999枚の出来高で12.960円の終わりである。NY市場が昨日の動きに対して落ち着きを取り戻した事に加えてシカゴ225先物が13.135円で引けた事が本日の動きの背景であるが、これをキッカケに相場の中身は再び以前の形となっている点に注目である。昨日の大幅下落に対して筆者は「持ち直すかこのまま弱くなるかは明日の動きで決まる」と解説したが、相場の柱を中心に前者の持ち直しの動きに入ったという事である。
 ■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■

 2008年3月4日の東京株式市場は日経平均株価が前日終値同値引けとなりました。
昨晩の米NY株式市場は小幅続落。DOWは−7ドルの12258ドル、NASDAQ総合指数は−12.88ポイントの2258.60ポイントとなりました。
 シカゴ平均株価先物大証終値+145円の13,135円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り2760万株、買い2220万株、差し引き540万株の売り越し観測でした。

 東京株式市場は売り買い交差しもみ合い。日経平均株価始値13,080円と前日終値12,992円から88円高くスタート。寄り付き後は売り物に押され前日比−109円の12,883円まで下落しました。急速に切り返しプラスに転じる場面もありましたが終盤にかけて膠着商状となり、結局前日同値の12,992円で取引を終了しております。
 東証1部の騰落数は、値上がり514銘柄、値下がり1,097銘柄、変わらずは117銘柄。東証1部の売買代金は2兆3,744億円、売買高は20億8,711万株となっております。

 ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 昨日の暴落から一夜空けた本日の東京株式市場ですが、上下にもみ合う動きが続きました。
 個別では、住友金属鉱山(5713)、DOWAホールディングス(5714)、大阪チタニウムテクノロジーズ(5726)など非鉄金属株や、伊藤忠商事(8001)、三菱商事(8058)、住友商事(8053)などの商社株が買われ反発上昇。ファナック(6954)、京セラ(6971)、TDK(6762)、松下電器産業(6752)などハイテク株の一角が買われております。

 反面、みずほフィナンシャルグループ(8607)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)、りそなホールディングス(8308)など大手銀行株や、野村ホールディングス(8604)、大和証券グループ本社(8601)、新光証券(8606)など証券株が下落。
 三井不動産(8801)、三菱地所(8802)、東急不動産(8815)など不動産株や、新日本石油(5001)、昭和シェル石油(5002)、コスモ石油(5007)、AOCホールディングス(5017)など石油株も売られております。

 その中目立った銘柄では、本日買いの特別会員銘柄から三晃金属工業(1972)が+50円の239円とストップ高となり東証1部上昇率ランキングトップに君臨。
 また、プラズマTV用パネル生産からの撤退が好感されたパイオニア(6773)や、サーベラスの株式買い増しが発表された あおぞら銀行(8304)、決算発表からイオンディライト(9787)、巴工業(6309)などが上昇。その他、井関農機(6310)、山水電気(6793)なども買われております。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場は売り物に押され続落。主力株では、ミクシィ(2121)を始め、ACCESS(4813)、アルデプロ(8925)、日本風力開発(2766)、ザッパラス(3770)、スタートトゥデイ(3092)、アクロディア(3823)などが売られ下落。楽天(4755)、サイバーエージェント(4751)、GCAサヴィアングループ(2174)などは買われております。
 新興3市場は、JASDAQ平均、マザーズ指数、ヘラクレス指数が揃って続落となりました。

 個別では、三平建設(1908)、ソフトフロント(2321)、綜合臨床HD(2399)、ネクサス(2799)、ターボリナックス(3777)、リアルコム(3856)、ソースネクスト(4344)、ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(7774)などがストップ高。直近公開株からセブン銀行(8410)、デジタルハーツ(3620)なども買われ逆行高。その他、ベストブライダル(2418)、SDホールディングス(3726)、マルマエ(6264)なども買われております。

 さて、昨日の下落から市場のムードは悪化。本日リバウンドを試す場面もありましたが上値は重く日経平均株価は前日同値。新興市場の各指数は続落となっております。ただ、三晃金属工業(1972)、昭和ゴム(5103)、夢真ホールディングス(2362)、セブン銀行(8410)などのように短期資金を集め大幅上昇する銘柄もあることから、こうした材料株への上手な飛び乗りでコツコツ取っていける地合いでもあります。

 無理は出来ない場面ですが、割り切れる範囲の資金で動きある銘柄への飛び乗り・飛び降り。また、本日の三晃金属工業(1972)のように暴騰銘柄の暴落後の短期反発を狙っていきます。

 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は+0.1円の12,992円の大変珍しい前日終値同値引けとなりました。昨晩の米NY株式市場は小幅続落。2月ISM製造業景気指数が僅かですが市場予想を上回ったことなどから下げ渋り引けました。
 東京株式市場は、米NY株式市場の下げ渋りやシカゴ平均株価先物大証終値+145円の13,135円と高く回ってきたことからやや買い優勢で取引をスタートいたしました。

 日経平均株価は+88円の13,080円と高く始まり寄り付き直後に13,110円まで買われましたが、買い一巡後は売り物に押され下落。その後は上下に揺れ動き、結局前日同値の12,992円で本日の取引を終了いたしました。2営業日続けて13,000円割れ引けとなりました。
 中期基調は下向き。短期基調は下向き継続となっております。日経平均株価のサイコロは○○●○●○●○●●●○と3連敗で「6勝6敗」。25日移動平均線は13,494円と下向き。日足は下ヒゲを持つ陰線。

 27日の14,105円から本日安値の12,883円まで短期で1,222円もの下げを演じていることから、いつ何時反発に転じても可笑しくない状態となっております。ただ、25日線を割り込み下げ始めた場面ですのでリバウンドも積極的には狙えません。

 本日は上下に揺れる動きが続きましたが、この「もみ合い」が1,222円幅に対する単なる調整の場合、この調整が終了した後は再度下落を開始し本日安値の12,883円を割り込み、1月22日安値の12,572円を守ることが出来るか試される展開となることも考えられます。
 戻りが入りやすい位置まで下げておりますが、とにかく強い下向きの力が働いております。キャッシュポジションを高め慎重姿勢で臨みましょう。