NY市場の下落が続く一方で堅調な動きとなって来ている東京市場である。シカゴ225先物の12.910円引けを受けて55円安で始まり51円高の高値を付けて大引け20円安の12.972円、先物出来高10万3.520枚で12.970円引けの終わりである。NY市場に於ける2月の非製造業景況指数と雇用統計の発表を控えて様子見気分が強い事から終始揉み合う動きであるが、NY市場が下落しているにも関わらず値を持った堅調な動きとなって来ている点は大いに注目すべき変化である。相場は一昨日の大幅下落から持ち直して次の上昇へのキッカケ待ちという所でありNY市場の上昇がそのキッカケになるものと筆者は見る。引き続きNY市場に注目する事が大切な場面である。

本日の株式市場の全般的な動き

 ■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■

 2008年3月5日の東京株式市場は日経平均株価が小幅下落となりました。
昨晩の米NY株式市場は小幅続落。DOWは−45ドルの12213ドル、NASDAQ総合指数は+1.68ポイントの2260.28ポイントとなりました。
 シカゴ平均株価先物大証終値−50円の12,910円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り2990万株、買い1940万株、差し引き1050万株の売り越し観測でした。

 東京株式市場は様子見ムードが広がり方向感に乏しくもみ合い。日経平均株価始値12,973円と前日終値12,992円から19円安くスタート。断続的にプラスに転じる場面が見られましたが、買いは続かず13,000円前後でもみ合う動きが続きました。引けは−20円の12,972円で取引を終了しております。
 東証1部の騰落数は、値上がり541銘柄、値下がり1,062銘柄、変わらずは123銘柄。東証1部の売買代金は2兆1,554億円、売買高は19億5,286万株となっております。

 ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 本日の東京株式市場ですが、昨日に続き上下にもみ合う動きが続いております。
 個別では、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)など銀行株や、野村ホールディングス(8604)、新光証券(8606)など証券株、三井住友海上火災保険(8752)、日本興亜損害保険(8754)、損保ジャパン(8755)など保険株が売られ下落。

 また、住友不動産(8830)、三井不動産(8801)、東急不動産(8815)など不動産株や、キヤノン(7751)、TDK(6762)、アドバンテスト(6857)などハイテク株や、新和海運(9110)、川崎汽船(9107)など海運株も下落いたしました。
 一方、メリルリンチ日本証券が投資判断を「買い」に引き上げた 丸紅(8002)が+68円の864円と大幅上昇を演じた他、伊藤忠商事(8001)、住友商事(8053)など商社株が買われ上昇。新日本石油(5001)、昭和シェル石油(5002)、コスモ石油(5007)など石油株や、カプコン(9697)、コナミ(9766)、バンダイナムコホールディングス(7832)などゲーム関連株も買われ上昇いたしました。

 目立った銘柄では、太陽光発電パネルと一体化したテントシートの開発から高島(8007)がストップ高となり東証1部上昇率ランキングトップに君臨。中低位材料株物色の流れから東光(6801)、紀州製紙(3882)、第一屋製パン(2215)なども上昇。その他、島田理化工業(6818)、グッドウィル・グループ(4723)、スカパーJSAT(9412)などが買われました。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場は売り物に押され続落。主力株では、ミクシィ(2121)を始め、ACCESS(4813)、スパークス・グループ(8739)、ワークスアプリケーションズ(4329)、GCAサヴィアングループ(2174)、アルデプロ(8925)、ザッパラス(3770)、ぐるなび(2440)などが売られ下落。スタートトゥデイ(3092)、アクロディア(3823)などは買われております。
 新興3市場は、JASDAQ平均、マザーズ指数、ヘラクレス指数が揃って続落となりました。

 個別では、DNAチップ研究所(2397)、イーサポートリンク(2493)、フライトシステムコンサルティング(3753)、リアルコム(3856)などがストップ高となり、ジャレコ・ホールディング(7954)、大崎エンジニアリング(6259)、ベストブライダル(2418)などが買われ逆行高を演じております。

 さて、市場参加者は少なく主力株に元気が無い中、高島(8007)、東光(6801)、紀州製紙(3882)など中低位材料株の一角が買われ短期資金を集めております。昨日も書かせて頂きましたが、引き続き割り切れる範囲の資金でこうした材料株への飛び乗り飛び降りトレードでコツコツ取っていく形となります。
 しかし、相場は弱く無理は出来ない場面です。下落相場ですので明確に底入れするまでは様子見となります。

 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は−20円の12,972円と小幅下落。昨晩の米NY株式市場はNYDOWが小幅続落。バーナンキ米連邦準備理事会議長が厳しい住宅市場の見通しを示したことなどから、金融機関の業績悪化が懸念され売られましたが、引けにかけて急速に下げ渋っております。
 東京株式市場は、シカゴ平均株価先物大証終値−50円の12,910円と安く回ってきたことなどから売り優勢で取引をスタートいたしました。

 日経平均株価は−19円の12,973円と小安く始まりました。寄り付き後は上下に揺れる方向感のない動きが続き、様子見ムードが高まっております。マーケット参加者が減少し商いは低調。様子見気分は更に強まっております。本日で3営業日続けて13,000円割れ引けとなりました。
 中期基調は下向き。短期基調は下向き継続となっております。日経平均株価のサイコロは○●○●○●○●●●○●と「5勝7敗」。25日移動平均線は13,474円と下向き。日足は十字線を形成。

 27日の14,105円から前日安値の12,883円まで短期で1,222円もの下げを演じていることから、いつ何時反発に転じても可笑しくない状態となっております。ただ、25日線を割り込み下げ始めた場面ですのでリバウンドも積極的には狙えません。

 昨日から上下に揺れる動きが続いておりますが、この「もみ合い」が1,222円幅に対する単なる調整の場合、この調整が終了した後は再度下落を開始し本日安値の12,883円を割り込み、1月22日安値の12,572円を守ることが出来るか試される展開となることも考えられます。
 戻りが入りやすい位置まで下げておりますが、とにかく強い下向きの力が働いております。先週より書かせて頂いておりますが、引き続きキャッシュポジションを高め慎重姿勢で臨みましょう。