昨日のNY市場は住宅ローン会社ソーンバーグモーゲージとカーライルグループ系金融会社の債務不履行が明らかとなった事と米抵当銀行協会発表の07年10月〜12月期の住宅ローン物件の差し押さえ率が過去最高となったに依ってダウ214ドル安ナスダックも52p安となっている。これを受けた東京市場は190円安で始まり安値470円安を付て大引け432円安の12.782円、先物出来高10万3.017枚で12.760円の終わりとなっている。13.200円を回復した昨日の上昇に対する一服と今晩に2月の米雇用統計発表控えている事に依る様子見、これにNY市場の大幅下落が重なったという事が本日の下落の背景であるが下値を取る動きでは無く12.800円を中心した揉み合いとなっている点に注目である。毎度解説の通り現在の相場に於ける悪材料はサブプライムローン問題では無くNY市場の大幅な下落であり、NYが下落しても落ち着いた動きの範囲であれば東京市場はこれまで通りの上昇を再開する事になるであろう。まずは今晩の雇用統計とこれを受けたNY市場の動きに注目する所である。
 ■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■

 2008年3月7日の東京株式市場は日経平均株価が大幅反落いたしました。
昨晩の米NY株式市場は下落。DOWは−214ドルの12040ドル、NASDAQ総合指数は−52.31ポイントの2220.50ポイントとなりました。
 シカゴ平均株価先物大証終値−415円の12,815円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り3830万株、買い2080万株、差し引き1750万株の売り越し観測でした。

 東京株式市場は米NY株式市場の大幅下落を受け全面安商状に沈んでおります。日経平均株価始値13,024円と前日終値13,215円から191円安くスタート。主力株を中心に幅広い銘柄が売られ、前日比−471円の12,744円まで下げ幅を拡大。反発することなく安値圏で推移し、引けは−432円の12,782円で取引を終了しております。
 東証1部の騰落数は、値上がり180銘柄、値下がり1,491銘柄、変わらずは51銘柄。東証1部の売買代金は2兆3,532億円、売買高は20億7,743万株となっております。

 ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 週末金曜日、本日の東京株式市場は大幅反落となりました。朝方から主力株を筆頭に幅広い銘柄が売られ、全面安となりました。
 個別では、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)など大手銀行株や、野村ホールディングス(8604)、大和証券グループ本社(8601)など証券株、あいおい損害保険(8761)、日本興亜損害保険(8754)、損保ジャパン(8755)など保険株が売られ反落。

 また、住友不動産(8830)、三井不動産(8801)、東急不動産(8815)など不動産株や、商船三井(9014)、新和海運(9110)、川崎汽船(9107)など海運株が上昇。東邦亜鉛(5707)、三井金属(5706)、三菱マテリアル(5711)、大阪チタニウムテクノロジーズ(5726)など非鉄金属株や、住友商事(8053)、三菱商事(8058)など商社株も売られ下落いたしました。
 トヨタ自動車(7203)、ホンダ(7267)、スズキ(7269)など自動車株や、キヤノン(7751)、ファナック(6954)、京セラ(6971)、アドバンテスト(6857)など値がさハイテク株も売り物に押されております。

 目立った銘柄では、JPモルガン証券が投資判断を「Underweight」から「Overweight」に、目標株価を10万円から40万円に引き上げたことが好感されドワンゴ(3715)がストップ高となり東証1部上昇率ランキングトップに君臨。GSが「買い」推奨を継続、目標株価を4,500円から5,000円に引き上げた三井海洋開発(6269)、自社創製「抗CCRヒト化モノクローナル抗体KW-0761」を米アムジェン社とライセンス提供契約を結んだとの発表が引き続き好感された協和発酵工業(4151)などが大幅上昇。
 その他、日本農薬(4997)、ピジョン(7956)、グッドウィル・グループ(4723)、第一屋製パン(2215)、ピクセラ(6731)などが買われております。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場は売り物に押され下落。主力株では、ミクシィ(2121)を始め、ACCESS(4813)、スパークス・グループ(8739)、日本アジア投資(8518)、GCAサヴィアングループ(2174)、日本風力開発(2766)、アルデプロ(8925)などが揃って下落。

 新興3市場は、JASDAQ平均、マザーズ指数、ヘラクレス指数は揃って下落となりました。

 個別では、「ザラ場の銘柄情報」ピックアップ銘柄のフルスピード(2159)を始め、日本マニュファクチャリングサービス(2162)、ジグノシステムジャパン(4300)、ラ・パルレ(4357)、オリコン(4800)、ダブルクリック(4841)、高見沢サイバネティックス(6424)などがストップ高。「マエストロ」の特別会員銘柄のマルマエ(6264)が+30,000円の373,000円と大幅な上昇を演じました。

 さて、日経平均株価は432円安とまた大きく下げております。しかし本当に良く下げます。こう何度も400円幅・500円幅の下落があるようだと「株式投資はやめた」と買い向かう個人投資家がいなくなってしまうのではないか?とまで思われます。
 日経平均株価は、2007年の7月7日の18,295円から下落が始まり8ヶ月が経ちました。ここから更に下げ安値を更新してくれば恐らく今月の中頃から下旬にかけて『大底打ち』となるものと思われます。
 その『大底打ち』場面で大きく買い向かえるよう、今はキャッシュポジションを高め資金を守る形となります。そして割り切れる範囲の資金で短期資金が集まりやすい中・低位仕手材料株の動きを追っていきます。

 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は−432円の12,782円と大幅反落。昨晩の米NY株式市場は下落。複数の投資会社が資金繰り困難に陥っていることが判明、信用市場の不安定化懸念が強まり大きく売られました。
 東京株式市場は、米NY株式市場の大幅安、シカゴ平均株価先物大証終値−415円の12,815円と大きく下落し回ってきたことなどから売り優勢で取引をスタートいたしました。

 日経平均株価は−191円の13,024円と安く始まりました。寄り付き後もズルズルと売られ9時半前後に−471円の12,744円まで暴落いたしましたが、その後はやや下げ幅を縮小。後場は12,800円前後でもみ合う動きが続き、引けは−432円の12,782円と直近3月4日安値の12,883を割り込み取引を終えました。
 中期基調は下向き。短期基調は下向き継続となっております。日経平均株価のサイコロは○●○●○●●●○●○●と「5勝7敗」。25日移動平均線は13,436円と下向き。日足は短い下ヒゲを持つ陰線を形成。

 しかし、昨日は+243円の13,215円と大きく反発。高寄り後もジリジリと買われる強い動きを演じたのですが、一夜明けた本日は安寄りし更に売られる弱い動きと、上下に慌ただしい動きとなっております。
 昨日に「明日以降、13,300円にのせ13,400円に向かいうのか?或いは、13,200円を割り込み“リバウンドは終了”となってしまうのか?見定めていく形となります」と書かせて頂きましたが、本日の暴落で『リバウンドは昨日で終了となり再び下げだした』形となりました。

 本日直近3月4日安値の12,883を割り込んできたことから、来週は1月22日安値の12,572円を守ることが出来るか試される展開となることも考えられます。12,572円をも割り込んでくると11,800円前後まで下落する可能性もあるだけに注意が必要です。
 戻りが入りやすい位置まで下げておりますが、とにかく強い下向きの力が働いております。キャッシュポジションを高め慎重姿勢で臨みましょう。