落ち着いた動きとなるかが注目された昨日のNY市場はベアスターンズ資金繰り悪化の噂を始めとする金融機関の悪材料から景気減速懸念が更に高まった事に依ってダウ153ドル安ナスダック43p安シカゴ225先物も12.425円引けといずれも大幅な下落となったが、東京市場は朝方こそ安く始まったが昨日の米緊急利下げが具体的になって来た事を背景に大引けにかけて大きく切り返す強い動きとなっている。ダウは139円安で始まり直後に付けた179円安を安値に戻りに入って後場には高値142円高を付けて大引け126円高の12.658円、先物も13万8.135枚の出来高で12.620円の終わりである。一足先に切り返しに入った東京市場であり、相場の中身に於いてもそれぞれの流れが強く上昇する事で全体相場が強くなるという理想的な形となって来た。これで先の14.000円乗せから必要以上に下落した押し目を終えて倍返しの上昇相場に入る事になるであろう。目先はNY市場の上昇が大きな好材料となるだけに引き続きNY市場に注目しながら今後の相場に期待である。

本日の株式市場の全般的な動き

 ■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■

 2008年3月11日の東京株式市場は日経平均株価が反発いたしました。
昨晩の米NY株式市場は続落。DOWは−153ドルの11740ドル、NASDAQ総合指数は−43.15ポイントの2169.34ポイントとなりました。
 シカゴ平均株価先物大証終値−125円の12,425円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り2790万株、買い1950万株、差し引き840万株の売り越し観測(金額ベースも大幅売り越し)でした。

 東京株式市場はリバウンドの動きとなり3日ぶりに反発いたしました。日経平均株価始値12,392円と前日終値12,532円から140円安くスタート。円高一服から輸出関連株などが買われ、押し目買いの流れが広がり上昇。引けにかけて上げ幅を拡大し、結局+126円の12,658円で取引を終了しております。
 東証1部の騰落数は、値上がり1,006銘柄、値下がり599銘柄、変わらずは115銘柄。東証1部の売買代金は2兆5,512億円、売買高は23億7,091万株となっております。

 ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 本日の東京株式市場は反発となりました。朝方は軟調展開となりましたが、自律反発狙いの買いや売り方の買い戻しが入り反発いたしました。
 個別では、新日本製鐵(5401)、住友金属工業(5405)、ジェイ エフ イー ホールディングス(5411)など鉄鋼株や、三菱マテリアル(5711)、住友金属鉱山(5713)、三井金属(5706)など非鉄金属株が買われ反発。

 また、川崎汽船(9107)、明治海運(9115)、新和海運(9110)など海運株や、 トヨタ自動車(7203)、ホンダ(7267)、スズキ(7269)など自動車株、オークマ(6103)、コマツ(6301)、森精機製作所(6141)、JUKI(6440)など機械株なども上昇。昭和シェル石油(5002)、コスモ石油(5007)、AOCホールディングス(5017)など石油関連株も買われております。

 反面、あいおい損害保険(8761)、日本興亜損害保険(8754)、損保ジャパン(8755)など保険株や、野村ホールディングス(8604)、松井証券(8628)、マネックス・ビーンズ・ホールディングス(8698)など証券株が売られ下落。関西電力(9503)、四国電力(9507)、九州電力(9508)など電力株の一角や、オリックス(8591)、SFCG(8597)、プロミス(8574)、アコム(8572)などノンバンク株も売られ株価を落としております。

 その中目立った銘柄では、「ザラ場の銘柄情報」でピックアップしたGMOインターネット(9449)が+78円の509円と暴騰し東証1部上昇率ランキングトップに君臨。「メインバンクのみずほ銀行が債権を売却し米系2社主導で再建へ」との報道からグッドウィル・グループ(4723)がストップ高。自己株取得発表が好感されたリサ・パートナーズ(8924)も上昇。
 その他、スカパーJSAT(9412)、サンシティ(8910)、ダイエー(8263)、合同製鐵(5410)、三晃金属工業(1972)、新興プランテック(6379)などが幅のある上昇を演じました。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場押し目買いが入り反発。主力株では、「ザラ場の銘柄情報」でピックアップしたミクシィ(2121)、アルデプロ(8925)がストップ高まで買われたのを始め、ACCESS(4813)、サイバーエージェント(4751)、フルスピード(2159)、ザッパラス(3770)、ワークスアプリケーションズ(4329)、日本風力開発(2766)などが上昇。GCAサヴィアングループ(2174)は下落。
 新興3市場は、JASDAQ平均、マザーズ指数、ヘラクレス指数共に反発いたしました。

 個別では、「ザラ場の銘柄情報」ピックアップ銘柄のウェブマネー(2167)、マネースクウェア・ジャパン(8728)、アルデプロ(8925)がストップ高となった他、CDS(2169)、イー・キャッシュ(3840)、ナノキャリア(4571)、アプレック(8489)、リプラス(8936)などが値幅制限いっぱいまで上昇。その他、フリービット(3843)、ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(7774)、デジタルアーツ(2326)、ウェブドゥジャパン(2138)、フルスピード(2159)なども幅のある上昇を演じました。

 さて、日経平均株価は−180円の12,352円まで下落した後に反発。新興市場ストップ高ミクシィ(2121)を始めこれまで大きく下落してきた銘柄がリバウンドとなりました。今晩の米NY株式市場が堅調に推移すれば、売り方の買戻しも手伝い明日もしっかりとした動きで推移することが予想されます。
 ただ、まだ明確に底打ちしたとはいえない状況。上値が重いとなればズルズルと下げてくることも予想されますので積極的な買いには注意が必要。買いは一部の資金で動きある銘柄の飛び乗り飛び降りとなります。

 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は+126円の12,658円と反発。昨晩の米NY株式市場は続落。前週末発表の雇用統計が大幅に悪化したことなどからリセッション(景気後退)への不安が強まり下落。アナリストによる金融機関に対する業績見通しの引き下げなども嫌気されておりました。
 東京株式市場は、米NY株式市場の下落、シカゴ平均株価先物大証終値−125円の12,425円と下落し回ってきたことなどから売り優勢で取引をスタートいたしました。

 日経平均株価は−140円の12,392円と安く始まりました。寄り付き直後に12,352円まで売られた場面がありましたが、その後は反発基調に転じ、前場終値は+17円の12,549円と前日比プラス圏まで上昇。後場も堅調に推移し引けは+126円の12,658円と反発し本日の取引を終えました。
 中期基調は下向き。短期基調は下向き継続となっております。日経平均株価のサイコロは○●○●●●○●○●●○と「5勝7敗」。25日移動平均線は13,349円と下向き。日足は幅のある陽線を形成しておりますが、一般的には『下げ足の差し込み線』となり陽線に対して逆向かい、追撃売りの急所とされます。

 日経平均株価はようやく反発となり市場では「底打ちしたのではないか」と今後の動きに期待する見方も高まっております。しかし直近高値2月27日の14,105円から本日安値の12,352円まで1,753円幅の暴落を演じた後の単なるリバウンドとも思われます。
 昨日に「テクニカル的には再度超短期でリバウンドが期待される水準に差し掛かっております。ただこの期待されるリバウンドも単なる1日2日のアヤ戻しで終わってしまい、その後は12,000円を割り込む方向に向かうことが考えられますので、引き続き注意が必要といえます」と書かせて頂きましたが、その見方に変更はございません。