昨日のNY市場は一時200ドル安を越える弱い動きであったが折りからのモノライン格下げ懸念で動向が注目されていた大手格付け会社S&Pが「サブプライム関連の評価損の大半が既に評価済みであり、市場の混乱は終わりに近づいている」と発表した事に依る安心感から大引けにかけて大きく戻してダウ35ドル高ナスダック19pシカゴ225先物も12.600円引けといずれも堅調な動きとなっている。これを受けた東京市場も76円高で始まり高値149円高を付ける堅調な前場となったが為替が再び1ドル100円に入って来た事とイタリアに於ける大手銀行の評価損計上や複数のヘッジファンドの破綻の噂が市場に流れた事をキッカケに後場からマイナスに転じて安値266円安を付けて大引け191円安の12.241円引け、先物出来高14万6.062枚で12.200円引けとNY市場とは逆に大引けかけて下落した一日となっている。NY市場がようやく落ち着いたと思ったら今度はイタリアの悪材料に付き合った本日の相場であるが、サブプライムローン問題の根源はアメリカにあるだけに本日の動きは一過性のものとして来週の動きに期待する所である。
 ■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■

 2008年3月14日の東京株式市場は日経平均株価が続落いたしました。
昨晩の米NY株式市場は反発。DOWは+35ドルの12145ドル、NASDAQ総合指数は+19.74ポイントの2263.61ポイントとなりました。
 シカゴ平均株価先物大証終値+195円の12,595円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り3550万株、買い2300万株、差し引き1250万株の売り越し観測(金額ベースでも売り越し)でした。

 東京株式市場は軟調日経平均株価始値12,509円と前日終値12,433円から76円高くスタート。前場は堅調に推移し+149円の12,582円まで上昇しましたが、後場に入ると一転して下げ基調となりマイナス圏へ下落。−266円の12,167円まで下げ幅を拡大いたしました。引けは−191円の12,241円で取引を終了しております。
 東証1部の騰落数は、値上がり238銘柄、値下がり1,394銘柄、変わらずは85銘柄。東証1部の売買代金は3兆7,867億円、売買高は31億4,890万株となっております。

 ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 週末金曜日、本日の東京株式市場は主力株を中心に幅広い銘柄が売られ日経平均株価が続落となりました。SQ算出通過後から動きが変わるか?とも思われましたが、週末要因もあり新規の買いは入らず様子見ムードが強まる中、先物主導で下落いたしました。
 個別では、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、りそなホールディングス(8308)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)など大手銀行株や、三井不動産(8801)、三菱地所(8802)、住友不動産(8830)など大手不動産株が売られ続落。

 明治海運(9115)、川崎汽船(9107)、新和海運(9110)など海運株や、トヨタ自動車(7203)、ホンダ(7267)など自動車株、伊藤忠商事(8001)、住友商事(8053)、三菱商事(8058)など商社株や、ソニー(6758)、キヤノン(7751)、京セラ(6971)、東京エレクトロン(8035)などハイテク株も揃って売られました。
 また、新日本製鐵(5401)、神戸製鋼所(5406)、ジェイ エフ イー ホールディングス(5411)など鉄鋼株や、三井住友海上火災保険(8752)、日本興亜損害保険(8754)、損保ジャパン(8755)など損保株も下落。東邦亜鉛(5707)、住友金属鉱山(5713)、DOWAホールディングス(5714)など非鉄金属株も売られております。

 その中目立った銘柄では、今期黒字転換が好感されたアビリット(6423)がストップ高となり東証1部上昇率ランキングトップに君臨。復配発表から鬼怒川ゴム工業(5196)、自動車用新型電池の古河電池(6937)、第1四半期決算が好感されたオハラ(5218)などが上昇。その他、「マエストロ」注目銘柄のマルハニチロホールディングス(1334)や、東和銀行(8558)、テンプスタッフ(2476)なども買われました。
 反面、アーバンコーポレイション(8868)、ケネディクス(4321)、クリード(8888)、パシフィックマネジメント(8902)など不動産ファンド関連株が暴落。アルデプロ(8924)の下方修正から連想売りが波及いたしました。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場は売りに押され続落。主力株では、楽天(4755)を始め、スパークス・グループ(8739)、GCAサヴィアングループ(2174)、ACCESS(4813)、アクロディア(3823)、サイバー・コミュニケーションズ(4788)などがそろって売られました。
 新興3市場は、JASDAQ平均、マザーズ指数、ヘラクレス指数がそろって下落いたしました。

 個別では、デジタルスケープ(2430)、ジャパン・デジタル・コンテンツ信託(4815)がストップ高となり、ジャレコ・ホールディング(7954)、NFKホールディング(6494)、ナチュラム(3090)などが買われました。
 反面、アルデプロ(8925)を始め、アライヴ コミュニティ(1400)、サムシングホールディングス(1408)、エス・エム・エス(2175)、フリーワーク(2486)、ネットイヤーグループ(3622)、アドバンスト・メディア(3773)、ダヴィンチ・アドバイザーズ(4314)、ラ・パルレ(4357)などがストップ安に沈むなど大幅下落銘柄が続出しております。

 さて、米NY株式市場の反発などから今日は小高く始まった東京株式市場ですが1日を終えてみれば全般続落商状となっております。一部の材料銘柄が買われておりますが、何度も書かせて頂いているように「買い」は割り切れる範囲の資金に限定。底打ちまではこの弱い弱い動きが続くことが予想されることから無理は出来ません。
 来週に入り日経平均株価が12,000円を割り込み、そして1日の下げ幅が500円・600円と暴落するような動きとなった場合、その場面が下落の最終局面セイリングクライマックスと予想されますので、『大底形成』からの反騰期待で積極買いとなります。
 「買い」は暴落している不動産銘柄・不動産ファンド銘柄を筆頭に下落幅の大きい銘柄を狙います。会員ページでは強気のセット買い銘柄の提案も予定しております。引き続き大底場面で大きく買いに向かえるよう、キャッシュポジションは高く保ち、セイリングクライマックスを待つ形となります。

 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は−191円の12,241円と続落し安値を更新。昨晩の米NY株式市場は反発。サブプライムローン問題に絡む損失拡大懸念で大幅安となった後に、格付け会社S&Pによる大手金融機関のサブプライムローン関連の評価損計上一巡観測から買い直されました。
 東京株式市場は、米NY株式市場の反発、為替の円高一服、シカゴ平均株価先物大証終値+195円の12,595円と高く回ってきたことなどから買い優勢で取引をスタートいたしました。

 日経平均株価は+76円の12,509円と高く始まりました。寄り付き後に12,582円まで買われた場面がありましたが買いは続かず下落。後場に入り下げ幅は更に広がり引けは−191円の12,241円で本日の取引を終了いたしました。
 中期基調は下向き。短期基調は上向きから下向きに転換。日経平均株価のサイコロは●●●○●○●●○○●●と「4勝8敗」。25日移動平均線は13,249円と下向き。日足は短い下ひげを持つ幅のある陰線を形成。下落足です。

 先週末から「12,572円をも割り込んでくると11,800円前後まで下落する可能性もあるだけに注意が必要です」と書かせて頂いておりますが、その流れが継続しております。昨日の427円安に続き本日は191円安と無抵抗の下落となっており、市場のムードは更に悪化しております。
 下落に次ぐ下落からテクニカル的にはいつ反発に転じても可笑しくない位置に差し掛かっておりますが、引き続き大底打ちからの反騰開始を待つ形となります。