注目された昨日のNY市場であるが心配された金融大手の決算はいずれも予想を上回りFOMCもFFレート0.75%引き下げを決定した上に声明文に追加利下げの用意がある事を示唆する内容があったという事でダウ420ドル高ナスダック91p高と上げ幅今年最大、シカゴ225先物も12.460円引けとここ数日の不安を吹き飛ばす非常に強い動きとなっている。東京市場はここ数日NY市場の方向性を待っていただけに本日は178円高で始まり高値410円高を付けて大引け296円高の12.260円、先物も16万2.499枚の出来高で12.230円引けと久々に朝から引けまで一貫した気持ちの良い強い上昇となっている。昨年来NY市場は経済指標と政府の駆け引きが続いており今回もあらかじめ不安を煽って相場に織り込ませて好材料をより効果的にするという環境作りが目に付くが、いずれも市場を総弱気にさせて来た心配が覆る事に依って大きく上昇している点に注目する事が大切である。

 ■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■

 2008年3月19日の東京株式市場は日経平均株価が大幅続伸いたしました。
昨晩の米NY株式市場は暴騰。DOWは+420ドルの12392ドル、NASDAQ総合指数は+91.25ポイントの2268.26ポイントとなりました。
 シカゴ平均株価先物大証終値+580円の12,460円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り2300万株、買い3180万株、差し引き880万株の買い越し観測(金額ベースも買い越し)でした。

 東京株式市場は米NY株式市場の急伸や円相場の下落を好感し全面高商状。日経平均株価始値12,142円と前日終値11,964円から178円高くスタート。金融株を中心に幅広く買われ、+410円の12,374円まで上昇いたしました。後場に入り伸び悩む場面もありましたが高値圏を維持し、引けは+296円の12,260円で取引を終了しております。
 東証1部の騰落数は、値上がり1,521銘柄、値下がり149銘柄、変わらずは54銘柄。東証1部の売買代金は2兆3,356億円、売買高は21億3,433万株となっております。

 ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 本日の東京株式市場は主力株を中心に幅広い銘柄が買われ続伸となりました。
 個別では、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、りそなホールディングス(8308)など大手銀行株や、三井不動産(8801)、三菱地所(8802)、住友不動産(8830)など大手不動産株が買われ続伸。セキュアード・キャピタル・ジャパン(2392)、ケネディクス(4321)、リサ・パートナーズ(8924)など不動産ファンド関連株も買われております。

 新日本製鐵(5401)、住友金属工業(5405)、ジェイ エフ イー ホールディングス(5411)など鉄鋼株や、東邦亜鉛(5707)、DOWAホールディングス(5714)など非鉄金属株も上昇。
 日本郵船(9101)、川崎汽船(9107)、新和海運(9110)など海運株や、キヤノン(7751)、ソニー(6758)、東京エレクトロン(8035)、アドバンテスト(6857)などハイテク株も買われております。

 目立った銘柄では、マックと共同で「トンネル施工情報管理システムは表示画面」を開発したと発表した飛島建設(1805)が大幅上昇。不動産ファンド関連からアーバンコーポレイション(8868)やアトリウム(8993)が上昇。石油プラントの新興プランテック(6379)、新光証券が投資判断を「2」から「2+」に格上げした中外炉工業(1964)などが上昇。
 その他、インターネットイニシアティブ(3774)、ラウンドワン(4680)、長谷工コーポレーション(1808)、伊藤忠テクノソリューションズ(4739)、JUKI(6440)などが大きく買われております。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場押し目買いが広がり反発。主力株では、楽天(4755)を始め、ミクシィ(2121)、GCAサヴィアングループ(2174)、スパークス・グループ(8739)、サイバーエージェント(4751)、アクロディア(3823)、大阪証券取引所(8697)などが上昇いたしましたが、ACCESS(4813)、日本風力開発(2766)などは売られております。
 新興3市場は、JASDAQ平均、マザーズ指数、ヘラクレス指数は上昇いたしました。

 個別では、アセット・マネジャーズHD(2337)を始め、メディビックグループ(2369)、プロパスト(3236)、ネットプライスドットコム(3328)、アクセルマーク(3624)、鉱研工業(6297)、プレシジョン・システム・サイエンス(7707)、レイコフ(8941)などがストップ高まで買われた他、AQインタラクティブ(3838)、MonotaRO(3064)、フィンテック グローバル(8789)、船井財産コンサルタンツ(8929)などが幅のある上昇を演じました。

 さて、米NY株式市場の大幅な上昇から買い安心感が広がっております。3月期末配当権利落ち日接近から配当権利取りに向かう買い物に売り方の買戻しも後押しし、大きく買われております。
 これまで下落に次ぐ下落と大きく売られてきたことから、いつ何時底入れとなっても可笑しくはありません。通常でしたら本日の動きを見て「流れは変わった。積極買いだ!」となりますが、これまで何度も米NY株式市場の大幅高からの上昇にだまされているので慎重になります。

 底入れがはっきりとするまでは、先日から注目している不動産銘柄・不動産ファンド銘柄からアーバンコーポレイション(8868)を筆頭に、クリード(8888)、ケネディクス(4321)、アセット・マネジャーズHD(2337)、セキュアード・キャピタル・ジャパン(2392)、日本レップ(8992)、レーサム(8890)、ダヴィンチ・アドバイザーズ(4314)などを追っていきます。

 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は+296円の12,260円と大幅続伸いたしました。昨晩の米NY株式市場は暴騰。米連邦準備理事会(FRB)は政策金利を0.75%下げ年2.25%とすることを発表。またリーマン・ブラザーズゴールドマン・サックスが発表した四半期決算が予想を上回ったことなどが好感されました。NYDOW、NASDAQ総合指数ともに今年最大の上げ幅を記録いたしました。
 東京株式市場は、米NYDOWの大幅続伸、円安方向に進んだ為替、シカゴ平均株価先物大証終値+580円の12,460円と大きく買われたことなどから買い優勢で取引をスタートいたしました。

 日経平均株価は+178円の12,142円と高く始まりました。高寄り後もジリジリと買われ+410円の12,374円まで上昇。後場に入り売り物に押され上げ幅を縮小。引けは+296円の12,260円と12,200円台に乗せ取引を終えました。
 中期基調は下向き。短期基調は本日の上昇で下向きから上向きに転換いたしました。日経平均株価のサイコロは○●○●●○○●●●○○と「6勝6敗」。25日移動平均線は13,125円と下向き。日足は窓を開け上ヒゲを持つ陽線を形成。

 日経平均株価は陽線を重ね反発基調を強めてきました。本日の上昇で市場では「底入れだ」とトレンドの転換に期待する見方も強まっております。この上昇が単なるリバウンドで戻り一巡後はまた下に向かうのか?或いは、既に中長期的な上昇が始まっているのか?見方の分かれる場面です。
 これまで大幅上昇から底入れか?と思われた場面が何度もございましたが、全て否定されズルズルと売られ続けてきましたので、今回もそうなる可能性もございます。ただ、連日の上昇から基調は強くなっております。腰折れとならなければ、まずは25日移動平均線の13,125円前後までの上昇が期待されます。