本日の東京市場はNY市場の大幅な上昇から一昨日の強い反発をつないだ堅調な一日となっている。シカゴ225先物の12.220円引けを大きく上回る71円高の12.331円で始まり後場から一段高の高値235円高を付けて大引け222円高12.482円、先物も9万6.368枚の出来高で12.390円引けである。本日は週末である上にグッドフライデーで世界各国が休場という背景にも関わらず大引けにかけて上値を取る非常に強い動きとなっているが、相場の中身が伴っていない動きであるだけにあくまで今週前半までの全体相場の大きな下落に対する戻りに過ぎない動きである。この短期的な戻り相場から本格的な上昇相場に進展するには相場の中身にその柱となる流れの強い上昇が不可欠であり、来週の中身の変化に注目する事が大切である。
■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■

 2008年3月21日の東京株式市場は日経平均株価が続伸いたしました。
昨晩の米NY株式市場は上昇。DOWは+261ドルの12,361ドル、NASDAQ総合指数は+48.15ポイントの22,258.11ポイントとなりました。
 シカゴ平均株価先物大証終値−50円の12,220円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り2390万株、買い3780万株、差し引き1390万株の買い越し観測(金額ベースも買い越し)でした。

 東京株式市場は買い戻しや配当権利取りの動きが進み堅調な動きとなりました。日経平均株価始値12,331円と前日終値12,260円から71円高くスタート。その後も金融株や不動産株が買われるなど買い優勢の展開で推移いたしました。引けにかけて一段高となり、引けは+222円の12,482円で取引を終了しております。
 東証1部の騰落数は、値上がり1,449銘柄、値下がり220銘柄、変わらずは54銘柄。東証1部の売買代金は1兆9,823億円、売買高は18億2,062万株となっております。

 ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 週末金曜日、本日の東京株式市場は主力株を中心に幅広い銘柄が買われ続伸となりました。
 個別では、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、りそなホールディングス(8308)など大手銀行株や、大和証券グループ本社(8601)、野村ホールディングス(8604)などの証券株、 三井不動産(8801)、三菱地所(8802)、住友不動産(8830)など大手不動産株が買われ続伸。

 三井住友海上火災保険(8752)、損保ジャパン(8755)、あいおい損害保険(8761)など保険株や、紀州製紙(3882)、日本製紙グループ本社(3893)などパルプ・製紙株が上昇。アイフル(8515)、武富士(8564)、アコム(8572)など消費者金融株も買われております。
 反面、商船三井(9104)、川崎汽船(9107)、新和海運(9110)など海運株や、伊藤忠商事(8001)、住友商事(8053)、三菱商事(8058)など商社株が下落。NY原油先物相場の下落を受け国際石油開発帝石ホールディングス(1605)、石油資源開発(1662)、昭和シェル石油(5002)、AOCホールディングス(5017)など資源開発株や石油株が売られております。

 目立った銘柄では、割安感が指摘された鬼怒川ゴム工業(5196)が+24円の182円と暴騰し、東証1部上昇率ランキングトップに君臨。IT関連からドワンゴ(3715)、カカクコム(2371)、ズルズルと売られていた不動産株からゴールドクレスト(8871)、日本綜合地所(8878)、東京建物不動産販売(3225)などが買われ、ゼンショー(7550)、紀文フードケミファ(4065)、日清オイリオグループ(2602)、SUMCO(3436)なども幅のある上昇を演じました。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場押し目買いが広がり続伸。主力株では、楽天(4755)を始め、ミクシィ(2121)、スパークス・グループ(8739)、GCAサヴィアングループ(2174)、ACCESS(4813)、サイバーエージェント(4751)、サイバー・コミュニケーションズ(4788)、アクロディア(3823)などが上昇。
 新興3市場は、JASDAQ平均、マザーズ指数、ヘラクレス指数は上昇いたしました。

 個別では、アライヴ コミュニティ(1400)、ケアネット(2150)、SBSホールディングス(2384)、トレジャー・ファクトリー(3093)、ネットイヤーグループ(3622)、日本ベリサイン(3722)、ナノ・メディア(3783)、ビットアイル(3811)、ネクストジェン(3842)、プレステージ・インターナショナル(4290)、ニューフレアテクノロジー(6256)などがストップ高まで買われるなど、大きく売られていた銘柄に見直し買いが広がりました。

 さて、弱い弱い動きが続いていた東京株式市場は3日続伸です。徐々に底入れ感が広がっており「少し買ってみようか」と変化が見られます。ダメ押しの下げが残されているのか?不透明感も残りますが、不動産ファンド関連株の買いに続き、日本証券金融(8511)、リロ・ホールディング(8876)、新光電気工業(6967)など大幅下落銘柄の反発を狙う形となります。

 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は+222円の12,482円と大幅続伸いたしました。昨晩の米NY株式市場は上昇。3月フィラデルフィア(フィリー)連銀景気指数が市場予想ほど悪化しなかったことなどから金融株などが買われ反発となりました。
 東京株式市場は、シカゴ平均株価先物大証終値−50円の12,220円と小安く回ってきましたが、米NYDOWの反発や為替の落ち着きなどから買い優勢で取引をスタートいたしました。

 日経平均株価は+71円の12,331円と高く始まりました。寄り付き直後の12,400円台まで買われた後は売り物に押される場面もありましたが、比較的底堅く推移したことから、買い安心感も広がり後場に入りジリジリと買われ+222円の12,482円と、12,400円台に乗せ本日の取引を終えました。
 中期基調は下向き。短期基調は上向き継続となっております。日経平均株価のサイコロは●○●●○○●●●○○○と「6勝6敗」。25日移動平均線は13,079円と下向き。日足は窓を開け短い下ヒゲを持つ陽線を形成。

 日経平均株価は陽線を重ね反発基調を強めております。本日の上昇で日経平均株価も3連騰です。市場では「底入れだ」とトレンドの転換に期待する見方も更に強まってきました。本日の後場はもみ合う動きが続くと思われましたが引けにかけ上げ幅を拡大するなど、予想より強い動きとなりました。
 未だ明確な底入れ感はございませんが、本日後場の動きを見る限りでは米NY株式市場に崩れなど無ければ、来週も東京株式市場はジリジリと下値を切り上げる動きが続くことが期待されます。

 米商品先物相場の急落から資源関連株の下落も気になり引き続き下落に対する注意が必要ですが、市場では配当権利取りの買いに続き新年度入りからの買いも期待されております。腰折れとならなければ、まずは25日移動平均線の13,000円辺りまでの上昇が期待されます。