日経平均心理的な節目の12500円、3月限SQ値(12518円)を上回って取引を終えた。前日は大引けにかけて急速に値を消したが、休場明けの米国市場ではベアー・スターンズの買収価格引き上げ、市場予想を上回る住宅指標など好材料が相次いだほか、為替相場も再び1ドル=100円台を回復したことで、投資家心理が好転したようだ。東証1部の売買代金は前日比23.3%増の2兆1980億円と6日ぶりに増加したとはいえ、活況の目安とされる3兆円には遠く及ばない。あすから受渡し日ベースで新年度相場入りとなり、新規資金がどの程度流入するか注目したい。また、あす26日は3月期決算銘柄の権利落ち日に相当する。例年のように配当落ち分を埋め戻すような形となれば、4月からの新年度相場に向けてリバウンド機運が高まる可能性もあろう。ただ、きょうの後場は配当取り狙いの買いがかなり入ったと思われるだけに、その反動が懸念される。
休み明けのNY市場は2月中古住宅販売が7ヶ月ぶりに増加に転じた事やJPモルガンチェースに依るベアースターンズの買収額を引き上げるといった大きな好材料を背景にダウ187ドル高ナスダック68p高、シカゴ225先物に至っては12.685円引けといずれも大幅高となっている。これを受けた東京市場は全般的な買戻しに依って231円高で始まり後場からアメリカ経済は金融政策に依って最悪期を脱したとの見方も出て来た事から311円高の高値を付けて大引け265円高12.745円、先物出来高11万8.559枚で12.730円引けと一日を通して非常に強い動きとなっている。今回の米金融大手の損失拡大をキッカケとする信用不安もひとまず落ち着き、3月末特有の配当取りを狙った資金流入も相まって一気に好転して来た本日の東京市場である。後は相場の中身に柱となる流れが出来上がるかどうかが今後の上昇を左右する事になるだけに目先の相場の変化には大いに注目する所である。
■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■

 2008年3月25日の東京株式市場は日経平均株価が反発いたしました。
昨晩の米NY株式市場は上昇。DOWは+187ドルの12,548ドル、NASDAQ総合指数は+68.64ポイントの2,326.75ポイントとなりました。
 シカゴ平均株価先物大証終値+275円の12,685円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り1410万株、買い1700万株、差し引き290万株の買い越し観測でした。

 東京株式市場は米株式市場の上昇や円安が好感され好地合。日経平均株価始値12,639円と前日終値12,480円から159円高くスタート。その後売り物に押される場面もありましたが、後場に入ると一段高。前日比+311円の12,791円まで上げ幅を拡大する場面がありました。引けは+265円の12,745円で取引を終了しております。
 東証1部の騰落数は、値上がり1,319銘柄、値下がり324銘柄、変わらずは81銘柄。東証1部の売買代金は2兆1,980億円、売買高は19億530万株となっております。

 ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 本日の東京株式市場は米NY株式市場高を好感し上昇。朝方から幅広い銘柄が買われ堅調な動きとなっております。
 個別では、新日本製鐵(5401)、神戸製鋼所(5406)など鉄鋼株や、住友金属鉱山(5713)、三菱マテリアル(5711)、大阪チタニウムテクノロジーズ(5726)など非鉄金属株が上昇。

 伊藤忠商事(8001)、住友商事(8053)、三菱商事(8058)など商社株や、商船三井(9104)、乾汽船(9113)、第一中央汽船(9132)など海運株が上昇。トヨタ自動車(7203)、日産自動車(7201)、ホンダ(7267)など自動車株や、ソニー(6758)、京セラ(6971)、キヤノン(7751)、アドバンテスト(6857)などハイテク株も上昇。
 反面、プロミス(8574)、アコム(8572)など消費者金融株や、三井住友海上火災保険(8752)、損保ジャパン(8755)、富士火災海上保険(8763)など損保株が売られ下落しております。

 目立った銘柄では、2008年3月期業績予想の上方修正が好感された住友電設(1949)を始め、政投銀系ファンドなどが筆頭株主となったブックオフコーポレーション(3313)、ユナイテッド・テクノロジー(2146)とのトップ会談が報じられたグッドウィル・グループ(4723)が揃ってストップ高
 その他、メック(4971)、トウペ (4614)、日本電気硝子(5214)、サンシティ(8910)などが幅のある上昇を演じております。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場は買いが継続し続伸。主力株では、楽天(4755)を始め、ミクシィ(2121)、フルスピード(2159)、ぐるなび(2440)、ガンホーオンライン(3765)などが上昇いたしましたが、セブン銀行(8410)、ワークスアプリケーションズ(4329)、サイバーエージェント(4751)、アクロディア(3823)、ダヴィンチ・アドバイザーズ(4314)、アルデプロ(8925)、アセット・マネジャーズHD(2337)などが売られ株価を落としました。
 新興3市場は、JASDAQ平均、マザーズ指数、ヘラクレス指数は上昇いたしました。

 個別では、ACCESS(4813)を始め、アライヴ コミュニティ(1400)、ソフトフロント(2321)、シーフォーテクノロジー(2355)、パイプドビッツ(3831)、コムチュア(3844)、リアルコム(3856)、日本精密(7771)、アドバンスクリエイト(8798)などがストップ高となり、マネーパートナーズ(8732)、アスカネット(2438)、大崎エンジニアリング(6259)などが大きく買われました。

 さて、昨晩の米NY株式市場は大幅上昇、「更に深い下落が襲う」と指摘されていたNYDOWのチャートは日経平均株価のチャートよりはるかにしっかりとした形となっております。
 東京株式市場も「どうせまた下がる」との見方を跳ね除け日経平均株価は大幅上昇。明日以降、売り物に押され軽い調整となることも予想されますが、押し目買い意欲は強まっており下げても大きくは落とさないのではないか?と思われます。

 ピックアップ銘柄からも、日本ガイシ(5333)、SFCG(8597)、新光電気工業(6967)が揃って大幅高。エフテック(7212)、イオンファンタジー(4343)は更なる上昇に期待。また、昨晩会員ページで提案させて頂いた乾汽船 (9113)も上昇スタートとなっております。期待していきましょう。

 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は+265円の12,745円と大幅上昇となりました。昨晩の米NY株式市場は上昇。ベアー・スターンズの買収価格引き上げや予想を上回る住宅指標などが好感され大きく買われました。
 東京株式市場は、シカゴ平均株価先物大証終値+275円の12,685円と大きく買われたことや、為替の円安などが好感され買い優勢で取引を開始。

 日経平均株価は+159円の12,639円と小高く始まりました。前場は12,600円台前半でもみ合う動きが続きましたが、後場に入り上げ幅を拡大。引けは+265円の12,745円と12,700円台に乗せ本日の取引を終えました。
 中期基調は上向き。短期基調も上向き継続となっております。日経平均株価のサイコロは●●○○●●●○○○●○と「6勝6敗」。25日移動平均線は12,998円と下向き。日足は窓空け陽線で上昇基調継続となっております。

 これまでの動きを考えると本日の後場は売り物に押され上げ幅を消しても可笑しくない形でしたが、実際の日経平均株価は予想以上に強い動きとなり、市場では「主力株に海外資流入」「国内年金の買い」との指摘もありました。明日からは期末越えから需給関係の好転も期待されるなど、更なる上昇が期待されております。
 「マエストロ」では引き続き25日移動平均線の13,000円辺りまでの上昇を予想しております。ただ日経平均株価の動きが止まったとしても、出遅れ銘柄は上昇する循環物色の色彩が強まってくるでしょう。良い流れになってきました。個別重視で見て行きます。