休み明けのNY市場は2月中古住宅販売が7ヶ月ぶりに増加に転じた事やJPモルガンチェースに依るベアースターンズの買収額を引き上げるといった大きな好材料を背景にダウ187ドル高ナスダック68p高、シカゴ225先物に至っては12.685円引けといずれも大幅高となっている。これを受けた東京市場は全般的な買戻しに依って231円高で始まり後場からアメリカ経済は金融政策に依って最悪期を脱したとの見方も出て来た事から311円高の高値を付けて大引け265円高12.745円、先物出来高11万8.559枚で12.730円引けと一日を通して非常に強い動きとなっている。今回の米金融大手の損失拡大をキッカケとする信用不安もひとまず落ち着き、3月末特有の配当取りを狙った資金流入も相まって一気に好転して来た本日の東京市場である。後は相場の中身に柱となる流れが出来上がるかどうかが今後の上昇を左右する事になるだけに目先の相場の変化には大いに注目する所である。

 ■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■

 2008年3月26日の東京株式市場は日経平均株価が小幅反落いたしました。
昨晩の米NY株式市場は高安マチマチ。DOWは−16ドルの12,532ドル、NASDAQ総合指数は+14.30ポイントの2,341.05ポイントとなりました。
 シカゴ平均株価先物大証終値+45円の12,775円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り2240万株、買い3180万株、差し引き940万株の買い越し観測(金額ベースでは小幅買い越し)でした。

 東京株式市場は配当権利落ちの影響もあり軟調日経平均株価始値12,648円と前日終値12,745円から97円安くスタート。主力株を中心に売り優勢の展開が続きました。一時−154円の12,591円まで下げ幅を拡大しましたが、引けにかけて下げ幅を縮小。結局−38円の12,706円で取引を終了しております。
 東証1部の騰落数は、値上がり700銘柄、値下がり912銘柄、変わらずは100銘柄。東証1部の売買代金は1兆7,815億円、売買高は15億7529万株となっております。

  ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 本日の東京株式市場は高安まちまちと方向感に乏しい展開となっております。
 個別では、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)など大手銀行株や、大和証券グループ本社(8601)、野村ホールディングス(8604)、新光証券(8606)など証券株が売り物に押され下落。

 三菱地所(8802)、東宝不動産(8833)など不動産株や、三井住友海上火災保険(8752)、損保ジャパン(8755)、富士火災海上保険(8763)など損保株、トヨタ自動車(7203)、日産自動車(7201)など自動車株や、ソニー(6758)、京セラ(6971)、キヤノン(7751)、アドバンテスト(6857)などハイテク株も売り物に押され株価を落としております。
 一方、東邦亜鉛(5707)、住友金属鉱山(5713)、三菱マテリアル(5711)など非鉄金属株や、伊藤忠商事(8001)、住友商事(8053)、三菱商事(8058)など商社株が続伸。国際石油開発帝石ホールディングス(1605)、関東天然瓦斯開発(1661)、石油資源開発(1662)、新日本石油(5001)、昭和シェル石油(5002)、AOCホールディングス(5017)など資源開発株や石油関連株も買われております。

 その中目立った銘柄では、トウペ(4614)が続騰しストップ高まで買われ東証1部上昇率ランキングトップに君臨。これまでズルズルと売られてきた銘柄から乃村工藝社(9716) ジーンズメイト(7448)、パル(2726)、ミヤチテクノス(6885)なども大きく買われております。
 その他、「特別会員中期注目銘柄」のドワンゴ(3715)が+34,000円の372,000円と大幅上昇。本日で6日続伸となりました。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場は売り買い交差、しっかりした銘柄も散見されます。主力株では、楽天(4755)を始め、ワークスアプリケーションズ(4329)、ミクシィ(2121)、ACCESS(4813)、サイバーエージェント(4751)、日本風力開発(2766)、アクロディア(3823)、ガンホーオンライン(3765)などが上昇。
 新興3市場は、マザーズ指数は上昇いたしましたが、JASDAQ平均、ヘラクレス指数は反落いたしました。

 個別では、「ザラ場の銘柄情報」でピックアップした銘柄からアクセルマーク(3624)、エイチアイ(3846)がストップ高となった他、ウェブドゥジャパン(2138)、ブイ・テクノロジー(7717)、ザッパラス(3770)、ngi group(2497)、アウンコンサルティング(2459)などが幅のある上昇を演じました。

 さて、本日より受け渡しベースで実質新年度相場入りとなりましたが、配当権利落ち分(日経平均株価で100円前後)を埋めきることはできませんでした。東証1部の出来高、売買代金はともに実質今年最低を記録するなど商いは閑散。盛り上がりに欠けております。
 本日は新興市場のネット関連株の一角が大きく買われましたが、ストップ高銘柄が続出するような元気はありません。

 本日買われた新興市場銘柄の活躍に期待しておりますが、底打ち場面で真っ先に動きを見せたアーバンコーポレイション(8868)が−32円の454円と続落していることや、大手銀行株のそれぞれが下落し25日移動平均線に跳ね返されたような形になっていることが懸念されます。
 本日の動きを見る限り日経平均株価もしっかりとしており「過度な心配は禁物でしょう」との見方も多いですが、上昇銘柄についてはコツコツと利益を確定。ジリジリと上げる動きに期待はしておりますが、一端キャッシュポジションを高め『休憩』を入れる場面と捉えても良いでしょう。

 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は−38円の12,706円と小幅反落いたしました。昨晩の米NY株式市場は高安マチマチ。東京株式市場は配当権利落ちの影響もありやや売り優勢で取引を開始。
 日経平均株価は−97円の12,648円と配当権利落ち分の100円前後安く始まり、寄り付き後も12,600円台でもみ合う動きが続きました。午後2時以降に下値を切り上げ引けは12,706円と12,700円台で取引を終了いたしました。

 中期基調は上向き。短期基調も上向き継続となっております。日経平均株価のサイコロは●○○●●●○○○●○●と「6勝6敗」。25日移動平均線は12,956円と下向き。日足は短い下ヒゲを持つ小陽線を形成しております。
 本日、配当権利落ちをキッカケにズルズルと売られるかと思われましたが、引け間際に下げ幅を縮小するしっかりとした動きとなりました。明日以降も月初に向けジリジリと上昇する動きを期待しております。

 しかし、3月17日安値の11,691円から昨日の12,791円まで既に1,100円のリバウンドを達成しております。3月17日の11,691円で「底打ち」となったのでしたら、今後ももみ合いながらも反発の動きが予想されるのですが、「底打ち」ではなく更に安値があると考えた場合、1,100円幅の上昇は再度下げに転じるまでの『単なる戻り』として見ると十分な値幅です。

 ですので、一端利益を確定するものはしっかりと利益を確定し、底打ちしたのか?単なる戻りで再度大きく下げてしまうのか?用心深くなっても良いと思われます。慎重になりすぎているのかも知れませんが、これまでの下落過程で何度も騙されているだけに慎重になることに越したことはありません。ここからの「買い」は手控え明日以降の動きに注目していきます。
 きょうは3月期決算銘柄の権利落ち日に相当。日経平均は急速な下げ渋りで、実質的には上昇したが、配当落ち分(約100円)を埋め戻すことは出来なかった。例年、配当落ちを埋め戻すと、その後の相場が堅調になるアノマリーがあるが、2年連続で埋め戻しに失敗したのはやや気掛かり。日経平均は直近のリバウンド相場で、3月中旬(13〜17日)の急落前の水準を回復したうえ、25日移動平均(12956円)に迫ったことで戻り待ちの売りが出易いとみられる。

 また、市場エネルギーの低迷も懸念される。東証1部の売買代金は前日比23.3%減の1兆7816億円に落ち込み、24日に記録した今年最低(1兆7828億円)をさらに下回った。24日は欧米市場がイースター休暇の影響で、市場参加者が少なく仕方がない部分もあったが、きょうは受渡し日ベースで実質新年度相場入りで、新規資金の流入も期待されただけに状況は深刻。薄商いのなかのリバウンド相場は、外部環境の悪化で急落しかねないだけに警戒心を持って臨みたい。足下では米金融不安がやや後退しているが、為替相場は1ドル=100円前後、米マクロ指標(S&P/ケース・シラー住宅価格指数、3月消費者信頼感指数)が悪化するなど、予断を許さない状況は続いている。