日経平均は2日連続で後場に下げ渋るなど、底堅い推移をみせている。押し目買いに加え、期末接近に伴うお化粧買いなどが下支えしている側面が強い。とはいえ、25日移動平均(12928円)、13000円の大台を手前に、上値を積極的に買い進むという雰囲気はない。東証が発表した3月第3週(17〜21日)の投資部門別売買動向では、外国人投資家が5週連続の売り越し。過去2番目の大幅売り越しだった前週に比べ、売り越し額が大幅に減少したが、外国人投資家が買い越しに転じない限りリバウンドの域を脱するのは難しい。当面は3月の月中平均(12595円)、心理的な節目の12500円辺りを意識した展開となりそうだが、外部環境がさらに悪化すれば再び調整色を強める可能性も否定できない。

 米国市場では、前日のS&P/ケース・シラー住宅価格指数、3月消費者信頼感指数に続き、この日は耐久財受注が市場予想を下回るなど、厳しいマクロ統計が相次いでいる。さらに、ゴールドマンがサブプライム問題絡みで、世界の金融機関や投資ファンドなどの損失が1兆2000億ドル(約120兆円)に達する可能性を指摘。このうち、米国分の損失は約4割に相当する約4600億ドル(内訳は住宅ローン関連が2400億ドル、商業用不動産関連で約800億ドル、クレジットカードや自動車ローン関連で約500億ドル)を見込み、企業向けの融資や社債の値下がりでも多額の評価損が発生する可能性が高いとしている。FRBによる救済融資などで、金融不安はやや後退しつつあっただけに、冷や水を浴びせた格好だが、米金融機関がこれまでの決算で処理した損失は1200億ドルに過ぎないことを勘案すれば、今後損失拡大への警戒感が強まりそうだ。
本日の東京市場はNY市場の耐久財受注の予想を上回る悪化とシティグループの損失拡大懸念を背景とする下落とシカゴ225先物の12.580円引けから88円安で始まりここ数日の堅調な動きに対する利食いも入って230円安の安値を付けたが大引けにかけて戻しに入って102円安の12.604円、先物は9万3.084枚の出来高で12.630円引けとなっている。本日の全体相場の下落はNY市場の下落に対して小幅であるだけに全く心配無しであり、注目すべきは相場の中身の強さである。折から解説の通り全体相場の強い上昇にはその柱となる流れの上昇が不可欠であり、その動きが着々と進展している本日の相場である。

 ■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■

 2008年3月27日の東京株式市場は日経平均株価が続落いたしました。
昨晩の米NY株式市場は下落。DOWは−109ドルの12,422ドル、NASDAQ総合指数は−16.69ポイントの2,324.36ポイントとなりました。
 シカゴ平均株価先物大証終値−190円の12,580円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り2760万株、買い2970万株、差し引き210万株の買い越し観測(金額ベースでも買い越し)でした。

 東京株式市場は買いが限定される中、米NY株安を嫌気した売り物に押され軟調日経平均株価始値12,618円と前日終値12,706円から88円安くスタート。その後−231円の12,475円と12,500円を割り込む場面も見られました。引けは−102円の12,604円で取引を終了しております。
 東証1部の騰落数は、値上がり684銘柄、値下がり934銘柄、変わらずは98銘柄。東証1部の売買代金は1兆9,215億円、売買高は16億7336万株となっております。

  ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 本日の東京株式市場は商い閑散の中、軟調商状となっております。
 個別では、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)など大手銀行株や、大和証券グループ本社(8601)、野村ホールディングス(8604)、新光証券(8606)など証券株が売り物に押され続落。

 三菱地所(8802)、住友不動産(8830)、東京建物(8804)など不動産株の一角や、ミレアホールディングス(8766)、損保ジャパン(8755)、ニッセイ同和損害保険(8759)など損保株、トヨタ自動車(7203)、日産自動車(7201)など自動車株が下落。ソニー(6758)、ファナック(6954)、京セラ(6971)などハイテク株も売り物に押され株価を落としております。
 一方、国際石油開発帝石ホールディングス(1605)、関東天然瓦斯開発(1661)、石油資源開発(1662)、昭和シェル石油(5002)、AOCホールディングス(5017)など資源開発株や石油関連株が上昇。東京電力(9501)、中部電力(9502)、東北電力(9506)など電力株が上昇いたしました。

 目立った銘柄では、業績予想の上方修正からランドビジネス(8944)がストップ高。来2009年3月期に約1億円の特別利益計上見通し発表から栗本鐵工所(5602)も人気化し大幅上昇を演じております。
 その他、「一般会員持続銘柄」の乾汽船(9113)が大幅上昇となった他、三井鉱山(3315)、インターネットイニシアティブ(3774)、日本農薬(4997)、クミアイ化学工業(4996)などが買われました。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場は売りに押され下落。主力株では、GCAサヴィアングループ(2174)、サイバーエージェント(4751)、アクロディア(3823)、ぐるなび(2440)、スパークス・グループ(8739)などは売られましたが、ワークスアプリケーションズ(4329)、デジタルアーツ(2326)、アイレップ(2132)などは買われました。
 新興3市場は、JASDAQ平均、マザーズ指数、ヘラクレス指数は下落いたしました。

 個別では、地域新聞社(2164)、ガンホーオンライン(3765)、ネクステック(3767)、ターボリナックス(3777)、ナノ・メディア(3783)、エイチアイ(3846)、オープンループ(4831)などがストップ高まで買われた他、エス・エム・エス(2175)、セブン銀行(8410)、マルマエ(6264)などが幅のある上昇を演じました。

 さて、活躍に期待した新興市場のネット関連株も本日は一服。東証1部銘柄の動きも悪く調整色が強まっております。明日も下げて始まると下げ易くなるため、より一段と丁寧に見る必要もございます。
 昨日も書かせて頂きましたが、上昇銘柄についてはコツコツと利益を確定し、キャッシュポジションを高め『休憩』を入れます。そして、割り切れる資金の範囲内で仕手性銘柄や材料株を狙っていきます。

 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は−102円の12,604円と続落となりました。昨晩の米NY株式市場は下落。2月の耐久財受注額が予想外の減少となり米景気後退観測が強まったことや、証券会社オッペンハイマーシティグループなどの一株損益見通しを引き下げたことなどが嫌気されました。
 東京株式市場は米NY株安や為替の円高、シカゴ平均株価先物大証終値−190円の12,580円と売られた事などが嫌気され売り優勢で取引を開始。

 日経平均株価は−88円の12,618円と小安く始まり、安寄り後もズルズルと売られ後場入り直後には−231円の12,475円まで売られました。しかしその後は先物主導で反発基調に転じ、−102円の12,604円と12,600円台まで戻し本日の取引を終えました。
 中期基調は上向き。短期基調も上向き継続となっております。日経平均株価のサイコロは○○●●●○○○●○●●と「6勝6敗」。25日移動平均線は12,928円と下向き。日足は下ヒゲを持つ短小陰線を形成しております。

 昨日に『3月17日安値の11,691円から昨日の12,791円まで既に1,100円のリバウンドを達成。3月17日の11,691円で「底打ち」となったのなら今後も反発継続が予想されるのですが、「底打ち」ではなく更に安値があると考えた場合、1,100円幅の上昇は再度下げに転じるまでの“単なる戻り”として見ると十分な値幅。』と書かせて頂きましたが、やはり一端売られる形となりました。

 ただ終値ベースの下げ幅では−102円と限定的。前場の動きを考えると後場は更に下げても可笑しくなかったのですが、大きく下げた場面では下値に抵抗も見せております。
 3日間もみ合ったことから、明日以降は「上」「下」どちらでも動ける形となっております。方向がはっきりするまでは、一端利益を確定するものはしっかりと利益を確定し、明日以降の動きに注目していきます。