■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■

 2008年3月28日の東京株式市場は日経平均株価が反発いたしました。
昨晩の米NY株式市場は続落。DOWは−120ドルの12,302ドル、NASDAQ総合指数は−43.53ポイントの2,280.83ポイントとなりました。
 シカゴ平均株価先物大証終値+30円の12,660円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り2810万株、買い3070万株、差し引き260万株の買い越し観測(金額ベースでは売り越し)でした。

 東京株式市場は年度末を前にしたドレッシング買いが入り相場を押し上げております。日経平均株価始値12,594円と前日終値12,604円から10円安くスタート。前場はマイナス圏で小安く推移しておりましたが、後場に入り上昇に転じました。高値でもみ合う動きが続き、引けは+215円の12,820円で取引を終了しております。
 東証1部の騰落数は、値上がり1,215銘柄、値下がり393銘柄、変わらずは108銘柄。東証1部の売買代金は2兆519億円、売買高は18億129万株となっております。

  ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 週末金曜日、本日の東京株式市場は商い閑散の中、先物主導で上昇いたしました。
 個別では、野村ホールディングス(8604)、新光証券(8606)、松井証券(8628)など証券株の一角や、三菱地所(8802)、住友不動産(8830)、東京建物(8804)など不動産株が上昇いたしました。

 伊藤忠商事(8001)、住友商事(8053)、三菱商事(8058)など商社株や、国際石油開発帝石ホールディングス(1605)、関東天然瓦斯開発(1661)、石油資源開発(1662)、昭和シェル石油(5002)、AOCホールディングス(5017)など資源開発株や石油関連株が続伸いたしました。
 目立った銘柄では、低位材料株のトウペ(4614)が暴騰し東証1部上昇率ランキングトップに君臨。業績の上方修正からライトオン(7445)、ランドビジネス(8944)が上昇。その他、古河電池(6937)を始め、SRAホールディングス(3817)、東急ストア(8197)、船井電機(6839)、ケーヨー(8168)、タクマ(6013)などが大きく買われました。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場は直近公開銘柄を始めネット関連株の一角などが買われ堅調。主力株では、楽天(4755)を始め、サイバーエージェント(4751)、スタートトゥデイ(3092)、ngi group(2497)などは上昇いたしましたが、スパークス・グループ(8739)、フルスピード(2159)、アクロディア(3823)、ザッパラス(3770)、ガンホーオンライン(3765)などは売り物に押され株価を落としました。
 新興3市場は、ヘラクレス指数は下落いたしましたが、JASDAQ平均、マザーズ指数は上昇いたしました。

 個別では、ミクシィ(2121)を始め、エス・エム・エス(2175)、テンポスバスターズ(2751)、ブロードバンドタワー(3776)、ターボリナックス(3777)、ユビキタス(3858)、アズジェント(4288)、アンジェス MG(4563)、フォトニクス(7708)、スターツ出版(7849)などがストップ高
 また直近公開銘柄から、ウェブマネー(2167)、ビリングシステム(3623)、デジタルハーツ(3620)、テックファーム(3625)などが揃って上昇。その他、パイプドビッツ(3831)、エイチアイ(3846)、ブイ・テクノロジー(7717)などが幅のある上昇を演じました。

 正直、予想以上に強い動きとなっております。安値からこれまでの上昇が単なる戻しでしたら、昨日の後場や本日の後場はズルズルと下落しても可笑しくは無いのですが、下値は買われ個別株の日足を見ても陽線を立てている銘柄が多い状況です。テクニカル的には来週中頃からは戻りいっぱいからの『押し』が予想されますが、売り方の踏み上げ相場に発展する可能性もあるだけに決め付けずに見ていく必要もございます。

 キャッシュポジションを高め『休憩』としておりましたが相場は思いのほか強いことから、日本ビクター(6792)、GMOインターネット(9449)など節目を抜いてきた銘柄や、ノーリツ鋼機(7744)、日本電波工業(6779)、わらべや日洋(2918)、エフテック(7212)など出遅れ銘柄もマークしていきます。
 また、チャレンジ銘柄となりますが短期資金が流入し値幅が生まれている直近公開銘柄も引き続き注目。ネットイヤーグループ(3622)が出遅れております。

 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は+215円の12,820円と反発いたしました。昨晩の米NY株式市場は続落。オラクルの決算が予想を下回ったことや、経営悪化の思惑でリーマン・ブラザーズが急落するなど金融株が売られました。
 東京株式市場は米NY株安を嫌気しやや売り優勢で取引を開始いたしました。

 日経平均株価は−10円の12,594円と小安く始まり、安寄り後もズルズルと売られ−97円の12,507円まで下落いたしました。しかし後場に入り急進。上海、香港などアジア株式市場の上昇や円高一服感の出た為替などが買い安心感を誘い先物主導で上昇。
 引けは+215円の12,820円と大幅上昇。月末のドレッシング買いに、売り方の買戻しや新規の買いも加わり、12,800円台に乗せてきました。
 中期基調は上向き。短期基調も上向き継続となっております。日経平均株価のサイコロは○●●●○○○●○●●○と「6勝6敗」。25日移動平均線は12,893円と下向き。日足は下ヒゲを持つ幅のある陽線を形成。チャートは陽線が重なる上昇基調継続となっております。

 昨日に『3日間もみ合ったことから、明日以降は「上」「下」どちらでも動ける形となっております』と書かせて頂きましたが、前場下方向に揺れた後に後場に入り大幅上昇、『上』に放たれました。これで週末の米NY株式市場が大きく下げなければ週明け月曜日も堅調な動きが期待されます。
 そうなるといよいよ日経平均株価13,000円台が意識される形となります。ただ、3月17日安値の11,691円から本日の12,874円まで既に1,183円のリバウンドを達成しております。12,893円には下向きの25日移動平均線が位置し上値の重さも意識される水準となります。25日移動平均線とのタッチや13,000円台に乗せてくれば目標達成感も高まってくるものと思われますので、更に上昇した場面では利益確定を優先いたします。
 来週は名実ともに新年度相場入りとなり、新規資金の流入を期待したい。足下では市場エネルギーが低迷し、東証1部の売買代金は2兆円を割り込む日々が続いている。閑散に売りなしとの見方もあるが、直近のリバウンド相場は期末を意識したドレッシング買い、売り方の買い戻しの側面が強い。日経平均は2週間ぶりの水準を回復したとはいえ、25日移動平均(12893円)、心理的な節目の13000円の大台を回復するには商いを伴っての上昇が必須だろう。また、外部環境の悪化にも警戒したい。為替相場は1ドル=100円前後での推移が続いているうえ、米マクロ指標の悪化が相次いでいる。さらに、FRBによる救済融資などで金融不安は後退しつつあったが、ゴールドマンがサブプライム問題絡みで、世界の金融機関や投資ファンドなどの損失が1兆2000億ドル(約120兆円)に達する可能性を指摘しており、金融不安が再燃しかねない。

 イベント面では、国内は日銀短観、海外は米雇用統計が注目されよう。日銀短観の前哨戦との色彩が強い、1-3月期の法人企業統計景気予測調査では、大企業全産業の景況判断指数が-9.3(前回は+0.5)と大幅に悪化。全産業と製造業、非製造業の全ての企業規模の景気判断指数が現行調査開始の2004年4-6月期以来、最低を記録するなど散々な結果に終わっているのは気掛かり。また、米雇用統計は目下2ヵ月連続マイナスとなっているが、今回もマイナスになればリセッション入りが濃厚となるだけに、要注目だろう。そのほかでは、新年度相場入りに伴い、メタボ対策や日本版SOX法適用が開始され、関連銘柄が賑う可能性もありそうだ。