日経平均の3月末終値心理的な節目の12500円を辛うじて上回ったが、昨年3月末に比べ27.5%もの下落。昨年末比で18.2%の下落となった。この株価下落を受けて、減損処理適用(有価証券評価損の計上)に対する警戒感が強まりそうだ。特に決算発表を間近に控える3月期決算銘柄の場合、3Q決算(4-12月期)の基準は12月末で、年初からの相場急落は考慮されていない(3月末の数値が確定した段階で業績予想を見直す)とみられ、今後下方修正が相次ぐ公算は大きい。

 あすは寄り付き前に発表される、3月日銀短観が注目されよう。代表的な指標である大企業製造業DIの市場予想は+13(前回比-6)だが、これを下回る着地となれば投資家心理はさらに冷え込みそうだ。日銀短観の前哨戦と目された1-3月期の法人企業統計景気予測調査では、大企業全産業の景況判断指数が-9.3(前回は+0.5)と大幅に悪化。全産業と製造業、非製造業の全ての企業規模の景気判断指数が現行調査開始の2004年4-6月期以来、最低を記録するなど散々な結果に終わっただけに、日銀短観に対する警戒感は強い。また、あすから名実ともに新年度相場入りで、新規資金がどの程度流入するか注目したい。

 ■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■

 2008年3月31日の東京株式市場は日経平均株価が反落いたしました。
先週末の米NY株式市場は続落。DOWは−86ドルの12216ドル、NASDAQ総合指数は−19.65ポイントの2261.18ポイントとなりました。
 シカゴ平均株価先物大証終値−155円の12,685円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り2320万株、買い1880万株、差し引き440万株の売り越し観測でした。

 東京株式市場は軟調もみ合い商状。日経平均株価始値12,709円と前日終値12,820円から111円安くスタート。後場に入ると更に売られ下げ幅を拡大。引けは−294円の12,525円で取引を終了。一時、−390円の12,430円まで下げる場面が見られました。
 東証1部の騰落数は、値上がり305銘柄、値下がり1,359銘柄、変わらずは53銘柄。東証1部の売買代金は2兆1371億円、売買高は18億3936万株となっております。

  ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 週明け月曜日、本日の東京株式市場は商い閑散の中、売り物に押され大幅安。東証1部の騰落数では値下がり銘柄が1,359銘柄に達するなど全面安に近い予想となっております。
 個別では、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)、りそなホールディングス(8308)など大手銀行株や、野村ホールディングス(8604)、新光証券(8606)、松井証券(8628)など証券株が下落。

 三菱地所(8802)、住友不動産(8830)、東京建物(8804)など不動産株が上昇いたしました。

 伊藤忠商事(8001)、住友商事(8053)、三菱商事(8058)など商社株や、国際石油開発帝石ホールディングス(1605)、関東天然瓦斯開発(1661)、石油資源開発(1662)、昭和シェル石油(5002)など資源開発株や石油関連株が下落。
 また、新日本製鐵(5401)、住友金属工業(5405)、神戸製鋼所(5406)など鉄鋼株や、住友金属鉱山(5713)、DOWAホールディングス(5714)、三菱マテリアル(5711)など非鉄金属株も売られております。

 その中目立った銘柄では、システム構築・運用管理サービスのシーエーシー(4725)が+140円の1,200円と大幅上昇を演じたのを始め、黒字転換のミルボン(4919)、クレディ・スイスが新規にカバレッジを開始したプレス工業(7246)、三菱UFJ証券がレーティングを新規「1」としたテレパーク(3738)などが上昇。
 その他、大日精化工業(4116)、マルハニチロホールディングス(1334)、オーエム製作所(6213)、トウペ(4614)などが幅のある上昇を演じました。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場は売り物に押され下落。主力株では、楽天(4755)を始め、スパークス・グループ(8739)、ACCESS (4813)、アクロディア(3823)、ガンホーオンライン(3765)などは上昇いたしましたが、ミクシィ(2121)、サイバーエージェント(4751)、日本風力開発(2766)、フルスピード(2159)、アルデプロ(8925)などは売り物に押され株価を落としました。
 新興3市場は、JASDAQ平均、マザーズ指数、ヘラクレス指数がそろって下落いたしました。

 個別では、「特別会員銘柄」のウェブドゥジャパン(2138)、データ・アプリケーション(3848)を始め、UBIC(2158)、アールエイジ(3248)、ネットワークバリューコンポネンツ(3394)、ネットイヤーグループ(3622)、ネクステック(3767)、パイプドビッツ(3831)、アンジェス MG(4563)、日本レップ(8992)、リビングコーポレーション(8998)、カウボーイ(9971)などがストップ高まで買われました。

 さて、明日から名実共に4月相場入りとなります。新年度入りから新たな動きに期待しておりますが、東京株式市場は反発後も安定感の無い動きが続いていることから、引き続き「上」「下」決めずに実際の動きを見ながら日々予想を修正するなど、フットワークを軽くしていきます。
 また明日以降物色対象に変化が見られることも考えられます。仕手性銘柄や材料株などもマークし、値幅が生まれやすい足の軽い銘柄が動いた場面では、飛び乗り・飛び降りトレードで狙っていきます。

 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は−294円の12,525円と大幅安となりました。先週末の米NY株式市場は続落。JCペニーの業績見通しの引き下げが嫌気され小売株が売られたほか、根強いクレジット懸念で金融株も売られ続落となりました。
 東京株式市場は、米NY株式市場安やシカゴ平均株価先物大証終値−155円の12,685円と売られたことなどが嫌気され売り優勢で取引を開始いたしました。

 日経平均株価は−111円の12,709円で始まりました。前場は12,600円〜12,700円前後でもみ合う動きが続きましたが、後場に入り下げ幅を拡大。上海や香港などアジア株式市場の下落や先物への売り仕掛けなどからズルズルと下落いたしました。引けは−294円の12,525円となっております。
 中期基調は上向き。短期基調は上向きから下向きに転換。日経平均株価のサイコロは●●●○○○●○●●○●と「5勝7敗」。25日移動平均線は12,854円と下向き。日足は下ヒゲを持つ中陰線を形成いたしました。

 チャートは25日移動平均線に跳ね返され下落。本日の下落が単なる『一服』なのか?或いは、リバウンド終了から『調整入り』となる下げなのか?見方が分かれます。本日後場は先週金曜日のようにドレッシング買いからの反発が期待されましたが期待は裏切られ後場に入り一段安と、嫌な動きとなりました。
 明日も無抵抗にズルズルと下げると短期調整入りとなりますので、どの位置で下げ止まるのかはっきりとするまでは様子見となり、更なる下落に対し注意して見て行きます。