来週は波乱含みの展開となりそうだ。名実ともに新年度相場入りし、日経平均は金融不安の後退を背景に戻り歩調を強めているだけに、心理的な節目である14000円台を目指す展開を期待したい。とはいえ、東証1部の売買代金は活況の目安とされる3兆円には遠く及ばないうえ、足元の相場上昇が売り方の買い戻しの側面が強いことを勘案すれば、楽観ムードが冷えると再び調整局面を迎える可能性も否定できない。外部環境がやや落ち着きを取り戻したことで、来週は企業業績に関心が向かいそうだ。東京市場ではイオン、セブン&アイ、ローソンなど小売大手の決算発表が相次ぐ。2007年度実績は勿論のことだが、2008年度見通しが要注目だろう。厳しい経営環境下で、市場予想を上回る見通しが相次げば楽観ムードが広がりそうだが、逆にコンセンサスを大幅に下回ると冷や水を浴びせかねない。また、米国ではサブプライム問題の影響が実体経済に及ぶなか、今週から米1Q(1-3月期)決算がスタートする。トムソンファイナンシャルによると、主要500社の1Q純利益は前年同期比で約8%減と3四半期連続で減少する見通しで、4-6月期に関しても約2%の減益を見込んでいるという。それだけに、主力株のトップバッターとして登場する非鉄大手アルコアの決算が注目されよう。また、日銀金融政策決定会合が行われるが、総裁不在の異常事態が解消に向かうかどうかも注目したい。
本日の東京市場、この3日間の約864円の上昇に対する一服の動きとなっている。NYのNY市場はダウ20ドル高ナスダック1p高と小幅な上昇となったがシカゴ225先物は13.405円引けと小安く終わった事を受けて103円安で始まりこの所の連騰に対する利食いから安値169円安を付けて後場入りからは先物を中心に29円安まで戻す所もあったが買いは続かず大引け96円安の13.293円、先物出来高8万4.781枚で13.280円引けとなっている。久しぶりに先物に一日を通した買いが入らなかった事とこの3日間に対する利食いが本日の動きの背景であり、中身の弱さを見てもいかに昨日までの連騰が先物に拠る上昇かを示した一日となっている。しかし、約900円もの連騰に対して約100円安に留めた底堅さと中身に於いて相場の柱となっている銘柄群を中心に大引けにかけて上昇の体勢を作った点は来週からの変化に期待する終わり方である。
■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■

 2008年4月4日の東京株式市場は日経平均株価が反落いたしました。
昨晩の米NY株式市場は小動き。DOWは+20ドルの12,626ドル、NASDAQ総合指数は+1.90ポイントの2,363.30ポイントとなりました。
 シカゴ平均株価先物大証終値−15円の13,405円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り3100万株、買い2590万株、差し引き510万株の売り越し観測でした。

 東京株式市場は一服商状。日経平均株価始値13,286円と前日終値13,389円から103円安くスタート。主力株を中心に利益確定売りが広がりマイナス圏で推移いたしました。後場開始後に−29円の13,360円まで下げ幅を縮小する場面もありましたが、買いは続かず売り直され引けは−96円の13,293円で取引を終了しております。
 東証1部の騰落数は、値上がり458銘柄、値下がり1,167銘柄、変わらずは100銘柄。東証1部の売買代金は2兆1629億円、売買高は18億4009万株となっております。

 ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 週末金曜日、本日の東京株式市場は売り物に押され日経平均株価が下落いたしました。前日までしっかりと上げてきましたが週末要因も重なり反動安となりました。
 個別では、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、りそなホールディングス(8308)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)など大手銀行株や、日本興亜損害保険(8754)、損保ジャパン(8755)など損保株は、売り買い交差の軟調もみ合い商状。

 三井不動産(8801)、三菱地所(8802)、東京建物(8804)など大手不動産株や、大和証券グループ本社(8601)、野村ホールディングス(8604)、新光証券(8606)など証券株は売り物に押され反落。新日本製鐵(5401)、神戸製鋼所(5406)、ジェイ エフ イー ホールディングス(5411)など鉄鋼株、三菱マテリアル(5711)、住友金属鉱山(5713)、DOWAホールディングス(5714)など非鉄金属株も売られ下落いたしました。

 また、ソニー(6758)、京セラ(6971)、キヤノン(7751)などハイテク株や、NTT(9432)、NTTドコモ(9437)、ソフトバンク(9984)など情報・通信株、トヨタ自動車(7203)、日産自動車(7201)、ホンダ(7267)など自動車株も株価を落としております。
 目立った銘柄では、大幅増益見通しを発表した鈴丹(8193)がストップ高を重ね東証1部上昇率ランキングトップに君臨。月次動向の発表が好感されたタカキュー(8166)、鳥インフルエンザ関連のダイワボウ(3107)、三菱UFJ証券がレーティング「3」でカバーを開始したラウンドワン(4680)などが上昇。
 その他、原発関連株から木村化工機(6378)が連日のストップ高イオンファンタジー(4343)も続騰いたしました。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場は売り物に押され軟調な銘柄が目立っております。主力株では、楽天(4755)を始め、スパークス・グループ(8739)、ミクシィ(2121)、ACCESS(4813)、スタートトゥデイ(3092)、フルスピード(2159)、ダヴィンチ・アドバイザーズ(4314)、デジタルアーツ(2326)アクロディア(3823)などが下落いたしましたが、「特別会員銘柄」のオプト(2389)や、GCAサヴィアングループ(2174)などは買われております。
 新興3市場は、JASDAQ平均は小幅続伸いたしましたが、マザーズ指数、ヘラクレス指数は反落となりました。

 個別では、マネースクウェア・ジャパン(8728)を始め、アライヴ コミュニティ(1400)、フォーバルクリエーティブ(2724)、テクノアルファ(3089)、データ・アプリケーション(3848)、アイル(3854)、SBIフューチャーズ(8735)などがストップ高となり、スター・マイカ(3230)、トリドール(3397)、NTTデータイントラマート(3850)などが買われました。

 さて、これまでリバウンドが続いた銘柄も一服となり、主力株にも安い銘柄が目立っております。昨日までの動きを見ても日経平均株価が25日移動平均線で頭打ちとならず13,400円近くまで上げてきた強い動きですので、『上げ止まり⇒下げる』ではなく『上げ止まり⇒ヨコヨコの動きで調整⇒また上げる』となることも考えられます。実際どのような動きとなるか見て行きます。
 一端はキャッシュポジションを高め動向を見守りたい場面となりましたので、ここからは大きくは買わずに資金の一部で小さく見て行きます。
 「買い」は材料株や仕手性銘柄など動きあるホットな銘柄を狙っていきます。富士紡ホールディングス(3104)、クミアイ化学工業(4996)、ジーエス・ユアサ コーポレーション(6674)などをマークしていきます。

 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は−96円の13,293円と反落。4日ぶりの下落となりました。昨晩の米NY株式市場は小幅上昇。安い場面もありましたがメリルリンチが追加増資の必要性はないとの認識を示したことなどが好感されて戻しております。
 東京株式市場は米NY株式市場が小幅上昇となりましたが、前日までの急ピッチな上昇に対する反動から利益確定の売りに押されております。

 日経平均株価は−103円の13,286円でスタート。寄り付き後には−169円の13,220円まで下押す場面もありました。しかし大きな崩れは無く、13,200円台〜13,300円台でもみ合う動きが続きました。引けは−96円の13,293円となっております。
 中期基調は上向き。短期基調も上向き継続。日経平均株価のサイコロは○○●○●●○●○○○●と「7勝5敗」。25日移動平均線は12,727円と下向き。日足は十字線を形成し一服です。

 日経平均株価の反発は3月17日安値の11,691円から前日の13,389円まで1,169円幅の上昇(14.52%)に達しております。本日下げたといっても、これまでの「下げれば暴落」のような動きではなく安いところは買われており、市場では来週更なる上昇に期待する見方も多いようです。
 ただ昨日も書かせていただきましたが、リバウンド期間もある程度経過し、そろそろ一服・短期調整入りとなっても可笑しくない日柄となっております。
 中長期的には、まだ上値が残されているものと思われますが、いっぱいとなった後にはズルズルと下落することが予想されますので、ここからは上げれば上げるだけ次の下げに対し注意をしていきます。新規の買いは焦らずに押し目を待つ形となります。