日経平均心理的な節目の13500円を手前に小休止。3月中旬の年初来安値から約3週間で1600円強、新年度相場入りして900円弱上昇していたことを勘案すれば、当然の一服だろう。とはいえ、懸念材料は多数ある。まず、寄り付き前の外資系証券の注文動向をみると、直近は海外市場の落ち着きを背景に買い越しの日が多く、例え売り越しでも小幅だったが、きょうは株数ベースで1770万株の大幅売り越し(金額ベースでも大幅売り越し)観測。これは一過性のものか否か分からないが、あす以降も大幅売り越しが続くと利益確定売り機運を高めかねない。また、下値の固さが安心感を与えていたが、きょうの日経平均の日足は6日ぶりの陰線を記録。5日移動平均を割り込んだところをみると、目先の天井をつけた可能性も否定できない。物色面をみると、金融株、ネット関連(DeNA)など、直近の相場上昇を牽引した銘柄が急落する一方、仕手性材料株の一角が値を飛ばすなど相場の手詰まり感が垣間見える。さらに、市場エネルギーの低迷も深刻で、東証1部の売買代金は1兆9577億円(4日連続の減少)となり、約2週間ぶりの2兆円割れ。2月末の戻り局面も、市場エネルギーが乏しいなかでのリバウンドだっただけに、きっかけ次第では再び調整に転じかねない。足下では、国内で小売大手の本決算、米国で1Q決算がスタートしたが、イオン、アルコアの決算内容、株価下落をみると2008年度業績に対する警戒感は強まりそうだ。

 ■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■

 2008年4月8日の東京株式市場は日経平均株価が反落いたしました。
昨晩の米NY株式市場は高安マチマチ。DOWは+3ドルの12,612ドル、NASDAQ総合指数は−6.15ポイントの2,364.83ポイントとなりました。
 シカゴ平均株価先物大証終値−20円の13,470円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り3920万株、買い2150万株、差し引き1770万株の売り越し(金額ベースでも売り越し)観測でした。

 東京株式市場は手控えムードが広がり軟調日経平均株価始値13,373円と前日終値13,450円から77円安くスタート。主力株を中心に戻り待ち売りに押される展開となりました。後場に入り先物主導で下げ幅を拡大。引けは−199円の13,250円で取引を終了しております。
 東証1部の騰落数は、値上がり339銘柄、値下がり1,288銘柄、変わらずは93銘柄。東証1部の売買代金は1兆9577億円、売買高は16億8776万株となっております。

 ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 本日の東京株式市場は主力株を筆頭に売り物に押され日経平均株価が下落いたしました。
 個別では、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、りそなホールディングス(8308)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)など大手銀行株や、大和証券グループ本社(8601)、野村ホールディングス(8604)、新光証券(8606)など証券株は売り物に押され下落。

 三井不動産(8801)、三菱地所(8802)、住友不動産(8830)など不動産株や、住友商事(8053)、三菱商事(8058)など商社株の一角は一服。日本板硝子(5202)、旭硝子(5201)、日本電気硝子(5214)などガラス株や、ソニー(6758)、キヤノン(7751)、京セラ(6971)、アドバンテスト(6857)などハイテク株は下落。
 また、住友金属工業(5405)、神戸製鋼所(5406)、ジェイ エフ イー ホールディングス(5411)など鉄鋼株も売られております。

 一方、住友金属鉱山(5713)、東邦亜鉛(5707)、DOWAホールディングス(5714)など非鉄金属株の一角が上昇。目立った銘柄では、短期資金流入の中国工業(5974)が+28円の129円と上昇し東証1部上昇率ランキングトップに君臨。「ザラ場の銘柄情報」ピックアップの鈴丹(8193)は本日もストップ高を重ねております。
 その他、過去最高益更新見通しのアトリウム(8993)、アークランドサカモト(9842)や、「主要穀物用の新規選択性除草剤『ピロキサスルホン』を開発し、世界展開を開始する」ことをが伝わったクミアイ化学工業(4996)などが幅のある上昇を演じております。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場は売り物に押され下落。主力株では、楽天(4755)を始め、スパークス・グループ(8739)、オプト(2389)、ミクシィ(2121)、GCAサヴィアングループ(2174)、ACCESS(4813)、サイバーエージェント(4751)、スタートトゥデイ(3092)などが売られております。
 新興3市場は、JASDAQ平均、マザーズ指数、ヘラクレス指数が揃って下落いたしました。

 個別では、総医研ホールディングス(2385)、フォーバルクリエーティブ(2724)、ラ・パルレ(4357)、モンテカルロ(7569)、セイクレスト(8900)などがストップ高となった他、ユナイテッド・テクノロジー・HD(2146)、日本マニュファクチャリングサービス(2162)などが買われております。
 反面、アセット・マネジャーズHD(2337)、エフティコミュニケーションズ(2763)、スタートトゥデイ(3092)、データ・アプリケーション(3848)などがストップ安に沈むなど値を消す銘柄も目立っております。

 さて、日経平均株価が約200円幅の下落を演じ、新興市場銘柄も反落いたしました。昨日まで強気に支配されていた市場も本日の下落で「また下げるかもしれない」と弱気に傾きつつあります。
 本日の反落で指数が調整入りとなった可能性も高いことから、ここからは材料株や仕手株新興市場の人気株などから上昇期待の持てる銘柄を見て行きます。しかし、調整がヨコヨコの時間で過熱感を解消する「時間の調整」ではなく、大きく下げる「価格の調整」となった場合、上昇期待銘柄も足を引っ張られ期待するような上昇を遂げないことも考えられますので、大きくは買えません。無理をしないで市場の動きを追っていきます。

 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は−199円の13,250円と反落。昨晩の米NY株式市場は高安マチマチ。米ワシントン・ミューチュアル(WM)の資本増強報道などが好感されましたが、原油価格の上昇などを嫌気し次第に上げ幅を縮小いたしました。
 東京株式市場は、前日までの上昇から戻り売り警戒感が高まり売り物に押される展開となっております。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況が差し引き1770万株の大幅な売り越しとなったことも様子見ムードを高めております。

 日経平均株価は−77円の13,373円と安くスタート。寄り付き直後に13,402円まで上げましたが、その後はズルズルと下落。後場に入っても軟調商状は続き−199円の13,250円で本日の売買を終了いたしました。
 中期基調は上向き。短期基調も上向き継続。日経平均株価のサイコロは●○●●○●○○○●○●と「6勝6敗」。25日移動平均線は12,731円と下向きから上向きに転換いたしました。日足は幅のある陰線を形成し一服となっております。

 3月17日安値の11,691円からジリジリと上昇し前日高値の13,485円まで1,794円幅の上昇を遂げました。予想以上に強い動きを歩むのでしたら、大して下げずに2・3日もみ合った後に13,485円を抜けてくる上昇を見せるのですが、可能性としては低いものと思われます。
 ここからは、心理的抵抗線の13,000円付近か、25日移動平均線の12,731円(上向き)付近までの調整が想定されます。次の上昇の為にしっかりと調整し再出発の準備を行うのも必要と言えます。