日経平均は買い一巡後に伸び悩み、先物主導で下落。日足が2日連続の陰線を記録するなど、明らかに潮目は変わった。終値ベースで13000円割れを回避したことで、日柄調整との見方もできるが、3月中旬から続いたミニリバウンド相場は終焉を迎えた可能性が高そう。東証1部の売買代金が2兆円前後と薄商いの中で上昇してきたのは、売り方による買い戻しの側面が強い。2007年度に急落した金融、不動産などの直近の戻りは、リターン・リバーサルの象徴だったと言っても過言ではない。だが、その勢いは止まり、直近2日間の下落を見ると目先天井をつけた公算が大きい。寄り付き前の外資系証券経由の注文動向をみると、2日連続の大幅売り越し観測。売りの水準はそれ程変化はないものの、買いが急速に細っているのは気掛かりだ。あすは、4月限オプションの取引最終日だけに先物主導で値動きの荒い展開が予想される。

 外部環境は、FRBによる短期金融市場への大量資金供給、ベア・スターンズの救済などで、金融不安は後退したとの見方が強まったが、ここに来て再び暗雲が漂い始めている。先週発表された米指標は相次いで市場予想以上の悪化をみせたほか、サブプライム関連の損失拡大懸念も影を落としそうだ。IMFの世界金融安定報告では、米国の金融混乱に伴う金融機関の損失総額を約9450億ドルと試算。昨年10月時点(2400億ドル)の約4倍で、1990年代の日本の金融危機に匹敵する規模とみている。IMFでは、混乱は単なる流動性不足ではなくバランスシートの深刻な悪化と弱い資本力を反映しており、その影響は重大で長引く可能性が高いと指摘。世界の金融機関は既に2320億ドルの評価損を計上しているが、IMFの見通しは信用収縮の最悪期が終わっていない可能性があることを示唆しており、来週決算を予定しているメリルリンチ、シティに対する警戒感が強まりそうだ。

 ■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■

 2008年4月9日の東京株式市場は日経平均株価が続落いたしました。
昨晩の米NY株式市場は下落。DOWは−35ドルの12,576ドル、NASDAQ総合指数は−16.07ポイントの2,348.76ポイントとなりました。
 シカゴ平均株価先物大証終値+105円の13,395円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り3290万株、買い1700万株、差し引き1590万株の大幅売り越し(金額ベースでも売り越し)観測でした。

 東京株式市場は上値の重い展開。日経平均株価始値13,295円と前日終値13,250円から45円高くスタートし、+98円の13,348円まで上昇しましたが買い一巡後は利益確定売りに押され下げ基調となりました。後場はマイナス圏で推移し一時−252円の12,998円と13,000円を割り込む場面がありました。引けは−138円の13,111円で取引を終了しております。
 東証1部の騰落数は、値上がり378銘柄、値下がり1,245銘柄、変わらずは96銘柄。東証1部の売買代金は2兆602億円、売買高は18億3294万株となっております。

 ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 本日の東京株式市場は主力株を筆頭に幅広い銘柄が売られ続落となりました。
 個別では、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、りそなホールディングス(8308)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)など大手銀行株や、大和証券グループ本社(8601)、野村ホールディングス(8604)、新光証券(8606)など証券株は売り物に押され続落。

 三井不動産(8801)、三菱地所(8802)、住友不動産(8830)など不動産株や、伊藤忠商事(8001)、住友商事(8053)など商社株が下落。新日本製鐵(5401)、住友金属工業(5405)、神戸製鋼所(5406)など鉄鋼株や、住友金属鉱山(5713)、三菱マテリアル(5711)、東邦亜鉛(5707)など非鉄金属株も売られております。
 また、ソニー(6758)、キヤノン(7751)、アドバンテスト(6857)などハイテク株も売られております。

 その中目立った銘柄では、「大豆成分イソフラボンが子宮内膜に作用し着床不全よる不妊症への治療に応用できるとの発表」が改めて評価された、ニチモウ(8091)が+50円の199円のストップ高と暴騰し東証1部上昇率ランキングトップに君臨。
 昨晩提案・本日買いの特別会員銘柄からは第一屋製パン(2215)が+39円の176円と暴騰し東証1部上昇率ランキング2位にランクイン。
 その他、業績の上方修正から愛知機械工業(7263)がストップ高となった他、東京特殊電線(5807)、豊和工業(6203)、イズミヤ(8266)、あさひ(3333)などが幅のある上昇を演じております。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場は売り物に押され続落。主力株では、スパークス・グループ(8739)、ワークスアプリケーションズ(4329)、ミクシィ(2121)、GCAサヴィアングループ(2174)、ACCESS(4813)、サイバーエージェント(4751)などが売られ株価を落としております。
 新興3市場は、JASDAQ平均、マザーズ指数、ヘラクレス指数が揃って続落となりました。

 個別では、アライヴ コミュニティ(1400)、CDS(2169)、オールアバウト(2454)、フォーバルクリエーティブ(2724)、ナチュラム(3090)、メビックス(3780)、ジャパン・デジタル・コンテンツ信託(4815)、鉱研工業(6297)などがストップ高となった他、エスティック(6161)、ユナイテッド・テクノロジー・HD(2146)、ヴィレッジヴァンガード(2769)などが大きく買われました。

 さて、これまで強く推移していた日経平均株価が続落となり調整色を強めております。また、リーマンブラザーズ証券がレーティングを新規3(アンダーウエイト)に設定したことが嫌気されミクシィ(2121)が−104,000円の906,000円と大きく売られたことから、ディー・エヌ・エー(2432)、フルスピード(2159)、一休(2450)などの人気株が大きく売られるなどIT関連株が大幅安。投資家心理は後退しております。

 ただ、ニチモウ(8091)や、第一屋製パン(2215)、林兼産業(2286)、中国工業(5974)、東京特殊電線(5807)など低位株から派手な動きを見せる銘柄が出ており、飛び乗り飛び降りで取れる相場は続いております。
 引き続き、材料株や仕手株新興市場の人気株などから上昇期待の持てる銘柄を見て行きます。三晃金属工業(1972)、第一屋製パン(2215)に続き、トウペ(4614)をマークしていきます。

 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は−138円の13,111円と続落。昨晩の米NY株式市場は下落。アルコアが発表した 1-3月期決算で一株利益が市場予想を下回ったほか、半導体大手アドバンスト・マイクロ・デバイスが発表した売上高見通しも市場予想に届かなかったことなどが嫌気されております。
 東京株式市場は、シカゴ平均株価先物大証終値+105円の13,395円と高く回ってきたことや、為替の円安などが好感され買い優勢の展開で取引を開始いたしました。

 日経平均株価は+45円の13,295円と高くスタート。寄り付き直後に+98円の13,348円まで上げましたが、その後はズルズルと下落。後場に入っても軟調商状は続き−138円の13,111円で本日の売買を終了いたしました。ザラ場では−252円の12,998円と13,000円を割り込む場面もありました。
 中期基調は上向き。短期基調は上向から下向きに転換。日経平均株価のサイコロは○●●○●○○○●○●●と「6勝6敗」。25日移動平均線は12,736円と上向き継続。日足は下ヒゲを持つ陰線を形成、陰線は2本連続となっております。

 3月17日安値の11,691円からジリジリと上昇し4月7日高値の13,485円まで1,794円幅の上昇を遂げましたが、ここに来て調整色を強めております。強い動きを見せるのでしたら1・2・3と3日下げた後に大きく切り返し13,485円を抜けてくる上昇を見せるのですが、可能性としては高くはないでしょう。
 一般的な見方では25日移動平均線の12,736円(上向き)付近までの調整が想定されます。ただ、本日心理的抵抗線の13,000円を少し割り込んだ後に反発し下げに対して抵抗も見せております。上げ下げのリズムでは下げ(調整)に入った所となっておりますが、この調整が深くなるのか?或いは、たいして下げずにここからはヨコヨコの動きで過熱感を解消するのか?調整の進み方で市場の強弱を測っていきます。