日経平均心理的な節目の13000円を割り込んで取引を終えた。企業業績に対する警戒感が燻るなかで、NY原油が3週間ぶりに史上最高値を更新、為替相場が100円台に突入、米金融大手の損失拡大懸念など、外部環境が悪化している。「悪材料出尽くし」など、月初にみられたような楽観ムードはもはやなく、3月中旬から続くミニリバウンド相場は終焉を迎えたとみられる。市場エネルギーが乏しいだけに、日経平均は25日移動平均(12735円)を割り込むと、再び調整色を強める可能性も否定できない。東証が10日発表した投資主体別の売買動向によると、外国人投資家が4月1週(3/31〜4/4)に大幅買い越し、相場上昇を演出したとみられる。だが、直近の外資系証券経由の注文動向(3日連続の大幅売り越し観測)や相場一服感を勘案すれば、第2週は売り越しに転じる公算が大きい。あすは、4月限オプションのSQ算出日だが、今後の相場を占う意味で日経平均終値がSQ値を上回るか否か注目したい。SQ値を上回れ(下回れ)ば翌週以降の相場は上昇(下落)する傾向がみられるが、昨秋以降はSQ値を下回り、翌週以降の相場も下落するという負の連鎖が続いている。

 ■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■

 2008年4月10日の東京株式市場は日経平均株価が続落いたしました。
昨晩の米NY株式市場は下落。DOWは−49ドルの12,527ドル、NASDAQ総合指数は−26.64ポイントの2,322.12ポイントとなりました。
 シカゴ平均株価先物大証終値+5円の13,135円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り4320万株、買い2550万株、差し引き1770万株の売り越し(金額ベースでも売り越し)観測でした。

 東京株式市場は米NY株式市場の下落や円高が嫌気され低調。日経平均株価始値13,029円と前日終値13,111円から82円安くスタート。幅広い銘柄が売られ下値で上下にもみ合う動きが続きました。引けは−166円の12,945円と13,000円を割り込み本日の取引を終了しております。
 東証1部の騰落数は、値上がり210銘柄、値下がり1,450銘柄、変わらずは53銘柄。東証1部の売買代金は2兆1608億円、売買高は19億2469万株となっております。

 ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 本日の東京株式市場は主力株を筆頭に幅広い銘柄が売られ続落となりました。
 個別では、りそなホールディングス(8308)、あおぞら銀行(8304)、新生銀行(8303)など大手銀行株の一角や、大和証券グループ本社(8601)、野村ホールディングス(8604)、新光証券(8606)など証券株は売り物に押され続落。

 三井不動産(8801)、三菱地所(8802)、住友不動産(8830)など不動産株や、京セラ(6971)、ファナック(6954)、キヤノン(7751)などハイテク株が下落。アイフル(8515)、武富士(8564)、アコム(8572)など消費者金融株も売られております。
 一方、伊藤忠商事(8001)、住友商事(8053)など商社株が上昇。ヤフー(4689)、ネットワンシステムズ(7518)、ドワンゴ(3715)などIT関連株の一角も買われております。

 その中目立った銘柄では、丸山製作所(6316)が+17円の237円と大きく買われ東証1部上昇率ランキングトップに君臨。光量を従来に比べ10%〜15%増やせるLED向けパッケージ技術を開発したとの発表が好感されたシーアイ化成(7909)も上昇。
 その他、ラウンドワン(4680)、テクノメディカ(6678)、SANKYO(6417)、コロムビアミュージックエンタテインメント(6791)、ディーアンドエムHD(6735)などが買われております。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場は売り物に押され続落。主力株では、スパークス・グループ(8739)、ワークスアプリケーションズ(4329)、フィールズ(2767)、GCAサヴィアングループ(2174)、ガンホーオンライン(3765)などは売られましたが、楽天(4755)、ACCESS(4813)、ザッパラス(3770)などは買われ上昇いたしました。
 新興3市場は、JASDAQ平均、マザーズ指数、ヘラクレス指数が揃って続落となりました。

 個別では、CDS(2169)、メディビックグループ(2369)、WDB(2475)、プロパスト(3236)、メビックス(3780)、セイクレスト(8900)、フリード(9423)などがストップ高。反面、モック(2363)、アールテック・ウエノ(4573)、レーサム(8890)などがストップ安。フルスピード(2159)、ビットアイル(3811)なども大きく売られております。

 さて、日経平均株価は本日も下落し13,000円を割り込んできました。先週までのしっかりとした相場が嘘のように積極的な買いは入らず売物にズルズルと押される展開が続いております。本日の下落で投資家心理は更に後退しており嫌なムードとなっております。

 ただ、丸山製作所(6316)などの上昇を見ても短期資金は、リスク高い銘柄にも飛び込んでいきますので、朝方動きの出た銘柄は飛び乗り飛び降りでもついていけるような動きといえます。
 資金の逃げ足も早く、食い散らし感もございますが、次なる上昇相場のリード役となるような銘柄の出現を待つ形となります。

 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は−166円の12,945円と3日続落し13,000円割れです。昨晩の米NY株式市場は下落。貨物輸送大手UPSの1―3月期の1株利益見通し引き下げに原油先物相場の最高値更新が重なり売られております。
 東京株式市場は、シカゴ平均株価先物大証終値+5円の13,135円とほぼ変わらずで回ってきましたが、寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況が差し引き1770万株の大幅売り越し観測となったことなどから軟調商状で取引を開始いたしました。

 日経平均株価は−82円の13,029円と安くスタート。寄り付き後もズルズルと下落し12,898円まで売られました。しかしその後は下値を切り上げる動きに。後場軟調もみ合いが続き引けは−166円の12,945円。早くも13,000円を割り込んできました。
 中期基調は上向きから下向きに転換。短期基調は下向き継続となっております。日経平均株価のサイコロは●●○●○○○●○●●と「5勝7敗」。25日移動平均線は12,735円とフラット。日足は下ヒゲを持つ陰線を形成、陰線は3本連続となっております。

 3月17日安値の11,691円からジリジリと上昇し4月7日高値の13,485円まで1,794円幅の上昇を遂げましたが、ここに来て調整色を強めております。本日12,898円の安値をつけましたので、直近高値の13,485円から既に587円幅の下落となっております。
 このままズルズルと下げを続ける可能性もございますので過度な期待は禁物かとも思われますが、テクニカル的には一端反発となっても可笑しくは無い水準となっております。引き続き一般的な見方では25日移動平均線の12,735円付近までの調整が想定されますが、ここからは実際の動きを見て強弱を探ります。