来週は波乱含みの展開となりそうだ。今後の相場動向を占う意味で注目された日経平均の週末終値は、4月限SQ値(13129円)を大幅に上回った。SQ値を上回る(下回る)と翌週以降の相場は上昇(下落)する傾向がみられるだけに、来週は強含みの展開を期待したい。心理的な節目の13500円をあっさり上回れば、14000円を試す展開も考えられる。ただ、外部環境の悪化などで13500円の奪回に失敗すれば、再び13000円割り込み調整色を強める可能性も否定できない。

 来週は米国市場の動向に大きく左右されそうだ。サブプライム問題の影響が実体経済に及び始めるなか、米1Q(1-3月期)決算が本格化を迎える。S&P500指数採用企業の1Qの合計純利益は前年同期比13.2%減の2桁減益が見込まれているが、今週からスタートしたアルコアなどの業績は芳しくない。来週はインテル、IBMなど主力ハイテク株に加え、シティ、メリルなど大手金融機関も決算発表を予定している。IMFの世界金融安定報告では、米国の金融混乱に伴う金融機関の損失総額を約9450億ドルと試算。昨年10月時点(2400億ドル)の約4倍で1990年代の日本の金融危機に匹敵する規模とみている。そのような状況下、シティは今後も損失拡大の恐れがある高リスクの債券など金融資産120億ドル相当を複数の投資会社などへの売却、メリルリンチは新たに評価損65億ドルを計上する可能性が報じられている。サブプライム問題の主役であるシティ、メリルの決算を無事通過するか否かが、カギを握りそうだ。また、G7後の為替動向にも要注目したい。

本日の株式市場の全般的な動き

 ■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■

 2008年4月11日の東京株式市場は日経平均株価が大幅反発いたしました。
昨晩の米NY株式市場は反発。DOWは+54ドルの12,581ドル、NASDAQ総合指数は+29.58ポイントの2,351.70ポイントとなりました。
 シカゴ平均株価先物大証終値+90円の13,050円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り1940万株、買い2230万株で、差し引き290万株の買い越し(金額ベースは売り越し)観測でした。

 東京株式市場は4日ぶりに買われ大幅上昇。日経平均株価始値13,061円と前日終値12,945円から116円高くスタート。幅広い銘柄が買われ上げ幅を拡大しました。後場も高値を保って推移し、引けは+378円の13,323円で本日の取引を終了しております。
 東証1部の騰落数は、値上がり1,513銘柄、値下がり146銘柄、変わらずは55銘柄。東証1部の売買代金は2兆5433億円、売買高は20億2875万株となっております。

 ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 週末金曜日、本日の東京株式市場は主力株を筆頭に幅広い銘柄が買われ大幅上昇いたしました。
 個別では、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、りそなホールディングス(8308)、みずほフィナンシャルグループ(8607)など大手銀行株の一角や、大和証券グループ本社(8601)、野村ホールディングス(8604)、新光証券(8606)など証券株が買われ上昇。

 三井不動産(8801)、三菱地所(8802)、住友不動産(8830)など不動産株や、ソニー(6758)、京セラ(6971)、ファナック(6954)、キヤノン(7751)などハイテク株が上昇。新日本製鐵(5401)、住友金属工業(5405)、神戸製鋼所(5406)など鉄鋼株や、三菱マテリアル(5711)、三井金属(5706)、DOWAホールディングス(5714)など非鉄金属株も買われ上昇いたしました。
 また、伊藤忠商事(8001)、三菱商事(8058)など商社株や、帝人(3401)、東レ(3402)、三菱レイヨン(3404)など繊維株も買われております。

 目立った銘柄では、ユーシン(6985)が第1四半期の決算内容が好感されストップ高となったのを始め、減益見通し発表が悪材料出尽しなったスター精密(7718)、09年2月通期連結営業利益見通しが好感されたダイエー(8263)、最高益更新見込みのアトリウム(8993)などが人気化し大幅上昇。
 その他、ディーアンドエムホールディングス(6735)、セブン&アイ・ホールディングス(3382)、バルス(2738)なども大きく買われました。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場押し目買いが入り反発。主力株では、スパークス・グループ(8739)、オプト(2389)、ワークスアプリケーションズ(4329)、日本ベリサイン(3722)、ベストブライダル(2418)、ダヴィンチ・アドバイザーズ(4314)、アセット・マネジャーズHD(2337)、ガンホーオンライン(3765)などは買われ上昇いたしました。
 新興3市場は、JASDAQ平均、マザーズ指数、ヘラクレス指数が揃って反発いたしました。

 個別では、ヒューマンホールディングス(2415)、WDB(2475)、エルクリエイト(3247)、駐車場綜合研究所(3251)、ケイブ(3760)、ターボリナックス(3777)、アールテック・ウエノ(4573)、トライアイズ(4840)などが買われストップ高。e−まちタウン(4747)、日本レップ(8992)、ネクストジェン(3842)なども買われ上昇いたしました。

 さて、前日までの弱い動きが嘘のように大きく買われました。日経平均株価は378円高終値13,323円。東証1部の騰落数では値上がり1,513銘柄と全面高です。先物主導での動きですが外国人の買いにG7に向けての期待買いもあったようです。
 ただ、本日は低位材料株や新興市場の主力株の動きはそれほど良くはありません。来週は本日の動きを引き継ぎ東証1部の主力銘柄を中心に買われるのか?或いは、そちらは一服となり先日までのように仕手性銘柄や低位銘柄などが買われるのか?見方が分かれます。

 それほど焦る場面でもありませんので、米NY株式市場、為替、商品市況などの動向を見ながら、週明けに実際の動きを見ての判断となります。
 本日の動きを見るとスター精密 (7718)は減益見通しを発表、みずほフィナンシャルグループ(8411)は下方修正を発表となりましたが、両者共に悪材料出尽くしと大幅上昇です。安値付近でこのような動きが出てくると「流れに変化が出た」として強気で買い向かうのですが、来週頭の動きを見て判断して行きましょう。
 上昇トレンド継続の楽天(4755)、デジタルアーツ(2326)。材料銘柄から三井松島産業(1518)、ダイワボウ(3107)などをマーク。

 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は+378円の13,323円と大幅反発し、一気に13,300円台に戻してきました。昨晩の米NY株式市場は反発。雇用指標の改善やウォルマート、デュポンなど主要企業の業績見通しの上方修正などが好感され反発いたしました。
 東京株式市場は、米NY株式市場の反発やシカゴ平均株価先物大証終値+90円の13,050円と高く買われたことなどを好感し買い優勢で取引を開始いたしました。

 日経平均株価は+116円の13,061円と高くスタート。本日は高寄り後も堅調な動きが続きジリジリと上げていきました。後場に入ってもしっかりと推移し+378円の13,323円と大幅高。4日ぶりの大幅反発となりました。
 中期基調は上向きから下向きに転換。短期基調は下向き継続となっております。日経平均株価のサイコロは●○●○○○●○●●○と「6勝6敗」。25日移動平均線は12,739円とやや上向き。日足は高寄りではっきりとした陽線を形成。

 3月17日安値の11,691円から4月7日高値の13,485円まで1,794円幅の上昇。その後、昨日の安値12,898円まで587円幅の下落となりました。
 昨日は3日続落と弱い動きが続いていたことから「リバウンド一巡から再下落」と思われましたが、急反発しひとまず売られ続けるような動きを否定しております。来週もこの動きが継続し、戻り高値を抜けてくるかが注目されます。