日経平均は反発したとはいえ、前日下落分の2割弱しか戻せず、心理的な節目の13000円も奪回するには至らなかった。上昇の牽引役となった鉄鋼、銀行、不動産などの上昇を見る限り、売り方の買い戻しの色彩が強そうだ。むしろ、井筒屋、丸善など往年の仕手株が商いを伴って急騰する相場には、やや手詰まり感の一端がうかがかえる。東証1部の売買代金は今年最低を記録した前日よりも4%増加したものの、2兆円すら回復できなかったところに投資家の様子見姿勢が感じられる。

 日本の主力企業の本決算発表は概ね来週からスタートするが、米国では一足先に主力企業の四半期決算がスタートし、今週から本格化する。特に今夜決算予定のインテル半導体業界のみならず、ハイテク全体への影響度が大きいだけに、足元の実績および今後の見通しは要注目だろう。ちなみに、インテルが1月15日に発表した第4四半期(10-12月期)決算では、売上高が2桁増ながら市場予想を下回る着地。第1四半期(1-3月期)の売上高見通しも市場予想を下回ったことで、インテル株は時間外取引で急落。それを受けた1月16日の東京市場日経平均が468円安となった経緯がある。きょうの東京市場では、野村が半導体製造装置セクターの投資評価を「強気」に引き上げたことで、東京エレクなど半導体関連は軒並み高となっただけに、「インテルショック」には要警戒したい。

 ■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■

 2008年4月15日の東京株式市場は日経平均株価が反発いたしました。
昨晩の米NY株式市場は小幅続落。DOWは−23ドルの12,302ドル、NASDAQ総合指数は−14.42ポイントの2,275.82ポイントとなりました。
 シカゴ平均株価先物大証終値−5円の12,965円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り3010万株、買い1530万株、差し引き1480万株の売り越し(金額ベースも売り越し)観測でした。

 東京株式市場は鉄鋼株が買われ相場をけん引しております。日経平均株価始値12,952円と前日終値12,917円から35円高くスタート。朝方は売りが優勢となりましたがその後は+135の13,052円まで上昇。後場は13,000円を挟んでもみ合いとなりました。引けは+73円の12,990円で本日の取引を終了しております。
 東証1部の騰落数は、値上がり934銘柄、値下がり647銘柄、変わらずは140銘柄。東証1部の売買代金は1兆9,426億円、売買高は16億6,703万株となっております。

 ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 本日の東京株式市場は押し目買いが入り反発いたしました。
 個別では、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、みずほフィナンシャルグループ(8411)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)など大手銀行株や、大和証券グループ本社(8601)、野村ホールディングス(8604)、新光証券(8606)など証券株が買われ反発。

 三井不動産(8801)、三菱地所(8802)、住友不動産(8830)など不動産株や、伊藤忠商事(8001)、住友商事(8053)、三菱商事(8058)など商社株が上昇。新日本製鐵(5401)、住友金属工業(5405)、ジェイ エフ イー ホールディングス(5411)など鉄鋼株や、住友金属鉱山(5713)、三菱マテリアル(5711)、DOWAホールディングス(5714)など非鉄金属株が上昇。
 更に、新日本石油(5001)、昭和シェル石油(5002)、コスモ石油(5007)、 新日鉱ホールディングス(5016)など石油株が買われております。

 目立った銘柄では、買収にケンウッド(6765)など4陣営が名乗りを上げたと報じられたディーアンドエムホールディングス(6735)がストップ高まで買われ東証1部上昇率ランキングトップに君臨。低位材料銘柄物色から井筒屋(8260)、中国工業(5974)などが上昇。
 その他、今期大幅増益見通しの わらべや日洋(2918)や、これまで大きく下げていたサンフロンティア不動産(8934)がストップ高。第三者割当増資が発表された丸善(8236)、空調設備関連から三機工業(1961)などが大きく買われております。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場は高安マチマチ。主力株では、フィールズ(2767)、スタートトゥデイ(3092)、ザッパラス(3770)、ダヴィンチ・アドバイザーズ(4314)、ガンホーオンラインエンター(3765)などが上昇いたしましたが、ACCESS(4813)、ワークスアプリケーションズ(4329)、日本風力開発(2766)などは売られ株価を落としております。
 新興3市場は、JASDAQ平均、マザーズ指数は反発いたしましたが、ヘラクレス指数は続落となりました。

 個別では、「ザラ場の銘柄情報」でピックアップしたマネースクウェア・ジャパン(8728)、マネーパートナーズ(8732)が揃ってストップ高となった他、CDS(2169)、サダマツ(2736)、五洋インテックス(7519)、日本レップ(8992)などがストップ高まで買われました。
 反面、直近公開銘柄のアールテック・ウエノ(4573)や、アクセルマーク(3624)、アセット・マネジャーズHD(2337)、アイディーユー(8922)などは大きく売られております。

 さて、本日は日経平均株価が反発に転じましたが、全般的には値下がり銘柄も多く目につくなど上昇に迫力はございません。
 ただ昨日に続き、中国工業(5974)が買われ、JASDAQ市場ではミナトエレクトロニクス(6862)、サダマツ(2736)、五洋インテックス(7519)などの低位銘柄がストップ高まで買われるなど、市場の先行き不透明感が払拭されない中でも値幅取り期待の短期資金の動きは悪くなく、飛び乗り飛び降りで取れる相場は続いております。
 ただ、今晩のインテルの決算発表を始め、明日のIBMなど主力企業の決算発表を控え警戒する必要もございます。

 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は+73円の12,990円と反発。昨晩の米NY株式市場は続落。企業業績に対する不透明感が増しており、15日以降に予定されているインテル、IBMなどハイテク株やシティグループなど主要金融株の決算発表を前に様子見ムードが続いております。

 東京株式市場は、ややドル高・円安水準に傾いた為替や、米NY株式市場の下落が小幅に留まったことなどからしっかり。
 日経平均株価は+35円の12,952円と小高くスタート。寄り付き後に12,875円まで売られましたが売り一巡後に反発開始。先物主導で上昇し前場は+125円の13,043円と上昇し終了。後場はもみ合いが続き+73円の12,990円で本日の売買を終了いたしました。
 中期基調は下向き。短期基調も下向き継続となっております。日経平均株価のサイコロは●○○○●○●●●○●○と「6勝6敗」。25日移動平均線は12,763円と上向き。日足は上下に短い下ヒゲを持つ短陽線形成。前日の406円安の翌日ということもあり、ひとまず反発です。

 昨日の大幅下落で「上昇(反発)はこれで完全にお終い。大きく下げだすぞ。」と弱気な見方もございましたが、上値は重いものの下落に対し抵抗を見せております。ここの位置では、「売り」も「買い」も仕掛け難い位置といえます。
 ただ、米NYDOWやNASDAQ総合指数はチャートの悪化が進行中です。先日の大陰線を否定する上昇があれば良いのですが、それも難しいでしょう。
 日経平均株価はこの水準でモミモミした後に上げだすのか?或いは25日移動平均線の12,763円付近からの反発となるのか?更には、25日線も割り込み12,200円ほどまで下げてしまうのか?どの動きとなっても可笑しくはありません。決め付けずに実際の動きを見つつ、日々修正を加えながら追っていく必要がございます。