日経平均は3日ぶりに終値ベースで13000円台を回復したが、日中値幅は110円、後場に限れば僅か52円と方向感に乏しい展開。インテル効果でGlobexが大幅高だったことを勘案すると、不完全燃焼の感は否めない。物色面では、年初からの下落が大きい内需関連が相場を牽引し、先駆して上昇していた資源関連の一角が利益確定売りに押されるなど、リターン・リバーサルが随所にみられた。このような相場は長続きしないケースが多いだけに、商いを伴っての上昇を期待したい。

 注目されたインテルの決算は市場予想を上回る内容で、1月中旬にみられたようなインテルショックを回避。投資家心理の改善に寄与したが、週末には金融大手の決算発表が控えており、予断を許さない状況には変わりない。足下では、メリル、シティなどの追加損失報道が相次いでおり、これらが無事通過するまでは上値を積極的に追う展開は難しそうだ。今夜の米国市場では重要な経済統計、JPモルガン、IBMなど主力企業の決算が控えている。インテル効果で米国株上昇は織り込まれているだけに、仮に下落すれば戻り待ち売りが膨らみそうだ。

 ■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■

 2008年4月16日の東京株式市場は日経平均株価が続伸いたしました。
昨晩の米NY株式市場は反発。DOWは+60ドルの12,362ドル、NASDAQ総合指数は+10.22ポイントの2,286.04ポイントとなりました。
 シカゴ平均株価先物大証終値+65円の13,055円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り2540万株、買い3000万株、差し引き500万株の買い越し(金額ベースは売り越し)観測でした。

 東京株式市場は金融株やハイテク株が買われ堅調。日経平均株価始値13,130円と前日終値12,990円から140円高くスタート。上げ基調で始まり前場中頃には+232円の13,222円まで上げ幅を拡大する場面が見られました。後場に入っても崩れることなく13,100台で推移し、引けは+155円の13,146円で本日の取引を終了しております。
 東証1部の騰落数は、値上がり1,145銘柄、値下がり460銘柄、変わらずは114銘柄。東証1部の売買代金は2兆109億円、売買高は17億9,375万株となっております。

 ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 本日の東京株式市場は主力株を中心に幅広い銘柄が買われ続伸いたしました。
 個別では、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、みずほフィナンシャルグループ(8411)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)など大手銀行株や、大和証券グループ本社(8601)、野村ホールディングス(8604)など証券株が買われ続伸。

 三井不動産(8801)、三菱地所(8802)、住友不動産(8830)など不動産株や、新日本製鐵(5401)、住友金属工業(5405)、ジェイ エフ イー ホールディングス(5411)など鉄鋼株や、ソニー(6758)、キヤノン(7751)、アドバンテスト(6857)などハイテク株も買われ上昇いたしました。
 目立った銘柄では、わらべや日洋(2918)が引き続き決算内容を好感した買いが入り大幅続伸。インテル関連銘柄としての見方から新光電気工業(6967)、イビデン(4062)が共に人気化し大幅高。
 仕手性銘柄の鈴丹(8193)、業績の上方修正が好感された新日本空調(1952)、これまで大きく売られていたサンフロンティア不動産(8934)なども買われ幅のある上昇を演じております。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場はしっかり。主力株では、スパークス・グループ(8739)、日本風力開発(2766)、ザッパラス(3770)、サイバー・コミュニケーションズ(4788)、ダヴィンチ・アドバイザーズ(4314)などは上昇いたしましたが、 楽天(4755)、ACCESS(4813)、フルスピード(2159)などは売られ株価を落としております。
 新興3市場は、JASDAQ平均、マザーズ指数、ヘラクレス指数が揃って上昇いたしました。

 個別では、サイバーファーム(2377)、サダマツ(2736)、ホッコク(2906)、T&Cホールディングス(3832)、フリービット(3843)、アイ・ピー・エス(4335)、ニューフレアテクノロジー(6256)などがストップ高まで買われた他、モンテカルロ(7569)、日本精密(7771)、暁飯島工業(1997)、ミナトエレクトロニクス(6862)などJASDAQの低位銘柄に短期資金が流入し買われております。

 さて、本日は日経平均株価が続伸し市場のムードもやや改善に向かっております。大手銀行や不動産、鉄鋼、ハイテク株に買いが入り「信用不安は後退。需給関係も改善に向かう」と強気に転じる見方も出ております。ただ、今晩のJPモルガン・チェースを始め、17日にメリルリンチファイザーユナイテッド・テクノロジーズ。18日にはシティグループキャタピラーなどの決算発表が予定されており、気の抜けない日々が続きます。

 銘柄では、仕手材料株からダイワボウ(3107)、中国工業(5974)を引き続きマーク。虹技(5603)もそろそろ動きが出てくるでしょう。日経平均株価が「上」を目指す形となれば、東証1部の安値圏に位置する銘柄も反発期待で見て行きます。

 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は+155円の13,146円と続伸。昨晩の米NY株式市場は反発。4月NY連銀景気指数が市場予想を上回ったほか、銀行大手のUSバンコープが減益ながら市場予想以上の決算を発表したことなどが好感されました。

 東京株式市場は、NY株式市場の反発や、ドル高・円安推移の為替を好感。また時間外取引半導体大手インテルが市場予想を上回る決算を発表し上昇したことも買い材料となっております。
 日経平均株価は+140円の13,130円と小高くスタート。高寄り後もジリジリと買われ、10時に入ると+232円の13,222円まで上昇。後場に入ると13,160円前後でもみ合う動きが続き、引けは+155円の13,146円となっております。
 中期基調は下向き。短期基調も下向き継続となっております。日経平均株価のサイコロは○○○●○●●●○●○○と「7勝5敗」。25日移動平均線は12,783円と上向き。日足は上ヒゲを持つ短小陽線を形成。上に向かいたがっているが売り物も多く飛び上がれない形です。

 先日の大幅下落で「上昇(反発)はこれで完全にお終い。大きく下げだすぞ。」と弱気な見方が強まっておりましたが、2日続伸し下落に対し抵抗を見せております。25日移動平均線の上でフラッグ形成が進んでおります。煮詰まってきましたので明日以降、ここから「上」に跳ねるのか?「下」に落とすのか?どちらか選択してくるでしょう。
 本日安値の13,000円を割り込んでくると軟調な動きとなりますが、本日終値水準で寄り付いてくれば反発基調継続となります。どちらに走るのか注目です。