日経平均は3日続伸で、4月7日に付けた直近の戻り高値(13485円)を上回ったが、13500円回復は、またもお預けとなった。トヨタや鉄鋼大手の今期減益報道などに反応しなくなり、悪材料出尽くしたと見る向きも増えているようだが、安易な楽観論は禁物だろう。上昇の主体が買い戻しであることや、連日の後場伸び悩み、日経平均が年初来安値を付けた3月17日から1ヵ月間で1611円上昇したことなどを勘案すると、短期的に高値警戒感が台頭しても不思議ではない。あすの日経平均終値が13323円を上回れば、週間ベースで5週連続の陽線・上昇。これは昨年10月2週以来、約半年ぶりの記録だが、前回はそこが戻り高値となり年末にかけて調整色を強めた経緯がある。また、東証1部の騰落レシオ(25日移動平均)でも、やや過熱感が台頭しつつあるようだ。騰落レシオは、一般的に70%未満が「売られ過ぎ」、120%以上が「買われ過ぎ」と言われ、騰落レシオが上向けば底入れシグナル、逆に株価指数が高値圏で騰落レシオが低下すれば下げ転換のシグナルとみられている。現状は112.75%で、日経平均が14000円台を回復した2月末以来の高水準。心理的な節目の13500円をあっさり上抜く展開となれば、オーバーシュートする可能性もあるが、13500円を奪回できなければ利益確定売り機運が高まりそうだ。

 米国市場では、今週から主力企業の決算が本格化しているが、インテル以降は概ね市場予想を上回る内容。金融大手では、ウェルズ・ファーゴ、JPモルガン・チェースとも、前年同期比で大幅減益ながら、市場予想を上回ったとして、評価されるなど楽観論が広がっている。とはいえ、サブプライム問題の主役であるメリルリンチ(今夜)、シティ(明日)の決算が控えており、予断は許さなそうだ。

 ■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■

 2008年4月17日の東京株式市場は日経平均株価が続伸いたしました。
昨晩の米NY株式市場は大幅続伸。DOWは+256ドルの12,619ドル、NASDAQ総合指数は+64.07ポイントの2,350.11ポイントとなりました。
 シカゴ平均株価先物大証終値+310円の13,510円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り1850万株、買い3110万株、差し引き1260万株の買い越し(金額ベースも買い越し)観測でした。

 東京株式市場は米NY株式市場の大幅高を好感し上昇基調を強めております。日経平均株価始値13,315円と前日終値13,146円から169円高くスタート。じりじりと買い進められ+349円の13,495円まで上げ幅を拡大する場面がありました。後場に入ると上値の重さから上げ幅を若干縮小し、引けは+252円の13,398円で本日の取引を終了しております。
 東証1部の騰落数は、値上がり1,255銘柄、値下がり339銘柄、変わらずは128銘柄。東証1部の売買代金は2兆3500億円、売買高は18億6,331万株となっております。

 ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 本日の東京株式市場は主力株を中心に幅広い銘柄が買われ続伸いたしました。
 個別では、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、みずほフィナンシャルグループ(8411)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)など大手銀行株や、大和証券グループ本社(8601)、野村ホールディングス(8604)、新光証券(8606)など証券株が買われ続伸。

 三井不動産(8801)、三菱地所(8802)、住友不動産(8830)など不動産株や、新日本製鐵(5401)、住友金属工業(5405)、ジェイ エフ イー ホールディングス(5411)など鉄鋼株や、ソニー(6758)、キヤノン(7751)、アドバンテスト(6857)などハイテク株も買われ上昇いたしました。
 また、トヨタ自動車(7203)、日産自動車(7201)、ホンダ(7267)など自動車株や、飯野海運(9119)、新和海運(9110)、川崎汽船(9107)など海運株も買われ上昇いたしました。

 目立った銘柄では、アゼル(1872)が大幅高になり東証1部上昇率ランキングトップに君臨。業績の上方修正に鳥インフルエンザ関連とされるイワキ(8095)は+50円の232円とストップ高
 その他、ゼクス(8913)、クボテック(7709)がストップ高まで買われ、グッドウィル・グループ(4723)、アトリウム(8993)、ヤマタネ(9305)、サンフロンティア不動産(8934)なども大きく買われております。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場はしっかり。主力株では、ミクシィ(2121)、GCAサヴィアングループ(2174)、フィールズ(2767)、サイバーエージェント(4751)などは上昇いたしましたが、USEN(4842)、スパークス・グループ(8739)、ワークスアプリケーションズ(4329)、スタートトゥデイ(3092)、ザッパラス(3770)などは売られ株価を落としております。
 新興3市場は、JASDAQ平均、マザーズ指数は上昇いたしましたが、ヘラクレス指数は下落いたしました。

 個別では、シーフォーテクノロジー(2355)、ホッコク(2906)、エム・ピー・テクノロジーズ(3734)、ケイブ(3760)、パイプドビッツ(3831)、イー・キャッシュ(3840)、レイ(4317)、ニューフレアテクノロジー(6256)、エムティジェネックス(9820)などがストップ高まで買われた他、モンテカルロ(7569)、エムティジェネックス(9820)、キング工業(7986)などJASDAQの低位銘柄の一角が大幅高。反面、インテリジェンス(4757)は今期見通しが嫌気されストップ安に沈んでおります。

 さて、日経平均株価は続伸し市場のムードも改善に向かっております。大手銀行を始めとした幅広い銘柄に買いが入り堅調な動きが続いております。今晩はメリルリンチファイザーユナイテッド・テクノロジーズなどの決算発表が予定されており引き続き気の抜けない日々が続きます。
 銘柄では、乾汽船(9113)、日本航空電子工業(6807)など、これまで大きく売られてきた銘柄の戻りに期待していきます。

 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は+252円の13,398円と続伸。昨晩の米NY株式市場は大幅続伸。前日発表のインテルの決算が市場予想を上回ったのに続いて、JPモルガン・チェースの決算内容も好感されました。

 東京株式市場は、NY株式市場の大幅上昇や、シカゴ平均株価先物大証終値+310円の13,510円と大きく変われたことなどを素直に好感。買い優勢で取引を開始いたしました。
 日経平均株価は+169円の13,315円と高くスタート。高寄り後もジリジリと買われ10時過ぎには+349円の13,495円と、13,500円の一歩手前まで上昇。後場に入るとやや売り物に押されぎみとなり上げ幅を縮小。引けは+252円の13,398円となっております。
 中期基調は下向きから上向きに転換。短期基調も下向きから上向きに転じました。日経平均株価のサイコロは○○●○●●●○●○○○と「7勝5敗」。25日移動平均線は12,804円と上向き。日足は窓を空け上ヒゲを持つ小陽線を形成。

 先日は下落を否定し窓空け上昇となりましたが、本日も続伸し市場では買い安心感も広がりつつあります。本日ザラ場では直近高値7月7日の13,485円を上回る場面を見せるなど上げ足を強めております。
 ただ後場に入ると伸び悩んでおり、市場では「また下げる。この上昇ももって数日」と冷めた見方もございます。これまでしっかりと上げても、「さぁ、これからだ」という場面で腰折れを繰り返した動きが続いただけに、素直に買い向かえない見方も強いですが、連日の上昇から「下向き」から「上向き」に転換。基調も強く変化しておりますので、明日以降押したとしても「しっかり」で、その後は戻り高値を更新する展開になることも予想されます。