日経平均心理的な節目の13500円割れから切り返すなど、押し目買い意欲の強さは感じられた。その反面、前日高値を上回る場面もありながら、大引けにかけて伸び悩んだのは短期的に高値警戒感も根強い証拠だろう。米国株式相場の上昇がやや一服となってきただけに、今後は個別銘柄の選別物色となりそうだ。既に3月期決算企業の本決算発表はスタートしているが、主力企業の決算発表は今週末にかけて本格化。あすは任天堂KDDI、JFE、スズキ、イビデンなどが決算発表を予定している。前08.3期実績の達成の可否(外部環境が悪化した4Q業績)は勿論ながら、今09.3期見通しが市場コンセンサスに対してどのような水準となるか注目されよう。企業側は下方修正を嫌うため、期初段階では保守的に見積もり、その後に業績上方修正という傾向がみられる。そのため、期初段階の見通しがコンセンサスを下回り失望売りを浴びるというケースが多い。既に減益観測、アナリスト予想の引き下げなどで、ある程度の業績悪化は織り込んでいる可能性もあるが、例年以上に外部環境が悪化していることを勘案すれば、企業側はさらに保守的に見積る公算もある。なお、今期は為替レート次第で利益水準が大きくブレるだけに、企業側がどの水準に想定為替レートを設定するかも注目されよう。

本日の株式市場の全般的な動き

 ■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■

 2008年4月23日の東京株式市場は日経平均株価が小幅反発いたしました。
昨晩の米NY株式市場は下落。DOWは−104ドルの12,720ドル、NASDAQ総合指数は−31.10ポイントの2,376.94ポイントとなりました。
 シカゴ平均株価先物大証終値−5円の13,555円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り2850万株、買い1760万株、差し引き1090万株の大幅売り越し(金額ベースも売り越し)観測でした。

 東京株式市場は売り買い交差し高安マチマチ。日経平均株価始値13,455円と前日終値13,547円から92円安くスタート。売り一巡後はプラスに転じ、+170円の13,717円まで上昇いたしました。しかし高値警戒感も強く引けにかけて伸び悩み、結局+31円の13,579円で本日の取引を終了しております。
 東証1部の騰落数は、値上がり862銘柄、値下がり712銘柄、変わらずは143銘柄。東証1部の売買代金は2兆761億円、売買高は17億157万株となっております。

 ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 本日の東京株式市場は日経平均株価が小反発。高い場面も見せましたが、明日から本格化する企業の3月期決算発表を前に積極的な買いが手控えられ引けにかけて上値を切り下げる展開となりました。
 個別では、りそなホールディングス(8308)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)など大手銀行株の一角や、三井不動産(8801)、三菱地所(8802)、住友不動産(8830)など不動産株が上昇。

 住友金属鉱山(5713)、DOWAホールディングス(5714)、東邦亜鉛(5707)など非鉄金属株や、商船三井(9104)、新和海運(9110)、乾汽船(9113)など海運株、伊藤忠商事(8001)、三菱商事(8058)、住友商事(8053)など商社株が上昇。
 またNY原油先物価格の連日の最高値更新を買い材料に、新日本石油(5001)、昭和シェル石油(5002)、コスモ石油(5007)、AOCホールディングス(5017)などの石油株や、国際石油開発帝石ホールディングス(1605)、関東天然瓦斯開発(1661)、石油資源開発(1662)など資源開発株が買われました。

 目立った銘柄では、日本鋳鉄管(5612)が+27円の169円と大幅上昇し東証1部上昇率ランキングトップに君臨。日経新聞で09年3月期連結営業利益が90億円前後になる見通しと報道されたミサワホーム(1722)はストップ高
 「特別会員銘柄」のクラリオン(6796)が+23円の222円と大幅上昇を演じ東証1部上昇率ランキング5位にランクイン。その他、今09年3月期経常利益最高益更新見通しの日立ツール(5963)や、野村証券が投資判断を「2」から「1」に格上げしたディー・エヌ・エー(2432)なども上昇いたしました。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場はしっかり。主力株では、「一般会員注目銘柄」の楽天(4755)が一時ストップ高まで買われ高値更新したのを始め、アルゼ(6425)、ワークスアプリケーションズ(4329)、フィールズ(2767)、スタートトゥデイ(3092)、アルデプロ(8925)などが上昇いたしましたが、ACCESS(4813)、USEN(4842)などは売られております。
 個別では、「ザラ場の銘柄情報」でピックアップしたトレイダーズホールディングス(8704)、テックファーム(3625)などがストップ高まで買われた他、テクノアルファ(3089)、アクセルマーク(3624)など直近公開銘柄がストップ高まで買われました。

 さて、本日は安く始まりましたがしっかりと反発する場面を見せるなど、「下」を否定する動きを見せております。市場では「下げない、強い、買いだ」と強気な見方もございます。ただ、騰落レシオなど各指標が過熱を示していることから、強気で買い向かう場面ではなく、コツコツとしっかり利益確定をするなど慎重姿勢で見て行きます。
 銘柄では、本日動きを見せた新興市場の直近公開銘柄や、ヤマタネ(9305)、日本配合飼料(2056)など食料関連株や仕手材料株の動きを追っていきます。

 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は+31円の13,579円と小幅反発。昨晩の米NY株式市場は下落。原油価格の最高値更新などが嫌気され売り物に押されました。東京株式市場は、米NY株式市場の下落などから売り優勢で取引を開始。
 日経平均株価は−92円の13,455円と安くスタートいたしましたが、売り一巡後は上昇に転じ10時前には前日終値を回復いたしました。その後も売り方の買戻しの動きも後押しし上昇。後場入り直後には+170円の13,717円まで買われた場面がありましたが、引けは+31円の13,579円と伸び悩む形で取引を終えました。

 中期基調は上向き継続。短期基調も上向き継続となっております。日経平均株価のサイコロは●●●○●○○○○○●○と「7勝5敗」。25日移動平均線は13,039円と上向き。日足は上ヒゲを持つ陽線を形成しております。

 日経平均株価は3月17日安値の11,691円から4月21日の13,739円まで、既に2,048円幅の反騰を演じておりますので、いつ反発終了から下げに転じても可笑しくはありません。ただ基調は上向きを維持しており未だ強い動きが続いていることから、上手に過熱感を解消しながら、もう一段上に向かう動きを続けることも考えられます。
 また高値を取ってくるのか?21日の高値13,739円が目先の高値となり2週間ほどの調整に入るのか?明日も見定めていきます。