きょうから3月期決算企業の本決算が本格化したが、厳しい船出となったようだ。取引時間中に決算発表したファナック、JSRなどは、今期見通しが市場予想を下回ったことで売り込まれ、JFEに至っては今期見通しを示すことが出来なかった。鉄鋼大手は、未曾有の原料高を鋼材価格に転嫁すべく交渉中という状況下だけにやむを得ない部分もあろうが、15日付「日経新聞」で観測記事が出ていたことを勘案すると、見通しを示さなかったことに不信感を招いたと思われる。引け後発表のリコー、イビデン任天堂などの今期見通しも、市場予想には届いていない。さらに、1Q(1-3月期)決算を発表したキヤノンは2桁減益。1Q決算としては2002年以来の減収減益で、中間期及び通期見通しを下方修正した。下方修正の要因は、主に為替レートの変更とはいえ、北米市場の落ち込みも無視できない。堅実なイメージの強いキヤノンが1Q決算時に早くも下方修正を余儀なくされたのは、今後の主力企業の本決算発表に対して影を落としそうだ。

 ■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■

 2008年4月24日の東京株式市場は日経平均株価が小幅反落いたしました。
昨晩の米NY株式市場は反発。DOWは+42ドルの12,763ドル、NASDAQ総合指数は+28.27ポイントの2,405.21ポイントとなりました。
 シカゴ平均株価先物大証終値+60円の13,680円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り3460万株、買い6230万株で、差し引き2770万株の大幅買い越し(金額ベースも買い越し)観測でした。

 東京株式市場は売り買い交錯しもみ合い。日経平均株価始値13,613円と前日終値13,579円から34円高くスタート。買い一巡後に−82円の13,497円まで急落する場面がありましたが、直ぐに切り返しプラスに転じました。しかし買いは続かず後場は前日終値を挟んでもみ合う動きとなりました。引けは−38円の13,540円で本日の取引を終了しております。
 東証1部の騰落数は、値上がり518銘柄、値下がり1,068銘柄、変わらずは128銘柄。東証1部の売買代金は1兆9,395億円、売買高は15億7867万株となっております。

 ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 本日の東京株式市場は主力株を中心に売り物に押され下落いたしました。決算発表を前に様子見気分が強くなり見送りムードが強まっております。高い銘柄もございますが方向感の乏しい展開となっております。
 個別では、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、りそなホールディングス(8308)など大手銀行株や、三菱地所(8802)、住友不動産(8830)など不動産株が下落。

 新日本製鐵(5401)、住友金属工業(5405)、ジェイ エフ イー ホールディングス(5411)など鉄鋼株や、住友金属鉱山(5713)、三菱マテリアル(5711)、東邦亜鉛(5707)など非鉄金属株も売り物に押され下落。新日本石油(5001)、昭和シェル石油(5002)、コスモ石油(5007)などの石油株や、国際石油開発帝石ホールディングス(1605)、関東天然瓦斯開発(1661)、石油資源開発(1662)など資源開発株も売られております。

 その中目立った銘柄では、発表された決算内容が好感された日立ビジネスソリューション(4738)、新神戸電機(6934)がストップ高まで買われ、今期大幅増益見込みの芝浦メカトロニクス(6590)や、業績の上方修正からホーチキ(6745)なども幅のある上昇を演じております。
 その他、MUTOHホールディングス(7999)、日本電産コパル(7756)、ウェザーニューズ(4825)なども上昇。クボテック(7709)、ゼクス(8913)はストップ高まで買われております。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場は売り物に押され軟調。主力株では、GCAサヴィアングループ(2174)、日本風力開発(2766)、フルスピード(2159)、アルデプロ(8925)などが上昇いたしましたが、アルゼ(6425)、スパークス・グループ(8739)、ワークスアプリケーションズ(4329)、フィールズ(2767)、サイバーエージェント(4751)などは売られております。
 新興3市場は、マザーズ指数は上昇いたしましたが、JASDAQ平均、ヘラクレス指数は下落いたしました。

 個別では、シーフォーテクノロジー(2355)、クリエアナブキ(4336)、カルナバイオサイエンス(4572)などがストップ高となった他、「一般会員提案銘柄」のアクセルマーク(3624)も大幅上昇。その他、ネクストジェン(3842)、オンコセラピー・サイエンス(4564)、トレジャー・ファクトリー(3093)などが買われ上昇いたしました。

 さて、日経平均株価も伸び悩み買い疲れ感も感じさせております。本日も下げ渋り踏ん張っておりますが、騰落レシオなど各指標は過熱を示していることから、大きく買う場面ではありません。
 ただ、以前と比べると短期資金の動きも良く、本日はアサヒ衛陶(5341)、大運(9363)、プロジェ・ホールディングス(3114)など大証2部の低位銘柄が物色されておりました。資金の逃げ足も速いので買い向かえませんが、この動きが広がりを見せるようでしたら、腕自慢の方は飛び乗り飛び降りで狙ってみても良いでしょう。
 日本化成 (4007)の三角持合い上放れ期待。大証1部の低位銘柄から虹技(5603)の上昇に期待していきます。

 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は−38円の13,540円と小幅反落。昨晩の米NY株式市場は上昇。市場予想を上回る企業決算が多く発表されたことなどが好感されました。
 東京株式市場は、米NY株式市場の上昇やシカゴ平均株価先物大証終値+60円の13,680円と高く回ってきたこと、寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況が差し引き2770万株の大幅な買い越しとなったことなどを好感、買い優勢の展開で取引を開始いたしました。

 日経平均株価は+34円の13,613円でスタート。寄り付き直後に13,654円まで買われましたが、買い一巡後は軟調。その後は13,500円〜13,630円程で上下に揺れる動きとなり、引けは−38円の13,540円と前日比マイナス圏で本日の取引を終了いたしました。
 中期基調は上向き継続。短期基調も上向き継続となっております。日経平均株価のサイコロは●●○●○○○○○●○●と「7勝5敗」。25日移動平均線は13,090円と上向き。日足は短陰線を形成。ヨコヨコの動きとなっております。
 日経平均株価は3月17日安値の11,691円から4月21日の13,739円まで、既に2,048円幅の反騰を演じておりますので、いつ反発終了から下げに転じても可笑しくはありません。ただ基調は上向きを維持しており、下げ難くしっかりとした動きが続いております。

 日経平均株価は引き続き上手に過熱感を解消しながら、もう一段上に向かう動きを続けるのか?21日の高値13,739円が目先の高値となりこのまま2週間ほどの調整に入るのか?正念場となっております。明日も見定めていきます。