来週は波乱含みの展開となりそうだ。日経平均心理的な節目の14000円台を回復すると、2月末に付けた直近の戻り高値(14105円)の更新も視野に入る。ただ、短期的には過熱感を示唆する指標も散見されるだけに、再び外部環境が悪化すれば利益確定売り機運が高まる可能性もある。来週も主力企業の決算発表が相次ぐことから、業績面で銘柄選別の動きが鮮明となりそうだ。今期も業績拡大が見込まれる大手商社を市場がどう評価するのか注目したい。

 イベント面では、国内、米国とも金融政策を巡る動きが注目されそうだ、国内では、30日の日銀「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で、2008年度の実質成長率予測の下方修正、金融政策のスタンスも従来の利上げから中立に変更されそう。米国では、1-3月GDP、3月雇用統計などの経済統計は重要だか、29〜30日開催のFOMCがキーポイントになりそうだ。金融不安の後退を受けて、大幅な利下げを見込む向きは皆無で0.25%を実施するとの見方が多い。また、バーナンキ議長が利下げ打ち止めを示唆する発言をすれば、円安・ドル高に振れる公算が大きそうだ。

 ■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■

 2008年4月25日の東京株式市場は日経平均株価が大幅反発いたしました。
昨晩の米NY株式市場は続伸。DOWは+85ドルの12,848ドル、NASDAQ総合指数は+23.71ポイントの2,428.92ポイントとなりました。
 シカゴ平均株価先物大証終値+140円の13,720円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、買い3080万株、売り2920万株、差し引き160万株の小幅買い越し(金額ベースは売り越し)観測でした。

 東京株式市場は急反発。日経平均株価始値13,614円と前日終値13,540円から74円高くスタート。前日の米国株高や円安基調が好感され幅広い銘柄が買われました。先物主導で上げ幅を拡大し13,800円台を回復。引けは+322円の13,863円で本日の取引を終了しております。
 東証1部の騰落数は、値上がり1,388銘柄、値下がり250銘柄、変わらずは78銘柄。東証1部の売買代金は2兆4,481億円、売買高は18億4510万株となっております。

 ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 本日の東京株式市場は主力株を中心に幅広い銘柄が買われました。利益確定売りをこなし日経平均株価は322円高の大幅上昇です。
 個別では、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、みずほフィナンシャルグループ(8411)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)など大手銀行株や、大和証券グループ本社(8601)、野村ホールディングス(8604)、新光証券(8606)など証券株が買われ上昇。

 三井不動産(8801)、三菱地所(8802)、住友不動産(8830)など不動産株や、新日本製鐵(5401)、住友金属工業(5405)、ジェイ エフ イー ホールディングス(5411)など鉄鋼株、ソニー(6758)、キヤノン(7751)、ファナック(6954)などハイテク株も買われ上昇いたしました。
 また、日本興亜損害保険(8754)、損保ジャパン(8755)、ニッセイ同和損害保険(8759)など損保株が大幅高。トヨタ自動車(7203)、日産自動車(7201)、ホンダ(7267)など自動車株も買われております。

 その中目立った銘柄では、ロプロ(8577)が仕手化し+30円の95円のストップ高と暴騰したのを始め、発表された決算内容が評価されたメルコホールディングス(6676)もストップ高まで買われました。
 その他、エックスネット(4762)、日本コンベヤ(6375)、サニックス(4651)、三菱UFJリース(8593)、愛知機械工業(7263)なども大きく買われております。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場は高安マチマチとなっております。主力株では、「一般会員注目銘柄」の楽天(4755)を始め、スパークス・グループ(8739)、デジタルアーツ(2326)、アイレップ(2132)などが上昇いたしましたが、ワークスアプリケーションズ(4329)、オプト(2389)、ミクシィ(2121)、サイバーエージェント(4751)、アクロディア(3823)、フルスピード(2159)、フリービット(3843)などは売られております。
 新興3市場は、JASDAQ平均、ヘラクレス指数は上昇いたしましたが、マザーズ指数は下落いたしました。

 個別では、大阪証券取引所(8697)を始め、アルデプロ(8925)、エス・エム・エス(2175)、チップワンストップ(3343)、ナノ・メディア(3783)、SBIフューチャーズ(8735)などがストップ高まで買われた他、大崎エンジニアリング(6259)、トレジャー・ファクトリー(3093)、スター・マイカ(3230)などが買われ上昇いたしました。

 さて、昨日まで伸び悩んでいた日経平均株価ですが、本日週末要因・連休前もなんのその大幅上昇で戻り高値を更新。昨日までのヨコヨコの動きは再上昇の為の準備だったようです。「先物主導の上げ」といわれておりますが、これまでの「債先買い・株先売りの巻き戻しの動き」に「国内年金の資金が流入しているとの観測」もあり、市場では「これからは簡単には下がらない」と強気な見方も出ております。
 連休のなか日に新たな仕掛けが入るのか?市場に変化が出てきているだけにワクワクとしてきます。買い気も高まってきておりますので日経平均株価の動きがもたつき、買われている主力株が調整入りとなっても、仕手株や材料株、新興市場銘柄などが動き出すことも予想されます。再度リズムを掴み銘柄を選別していきます。

 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は+322円の13,863円と大幅上昇。昨晩の米NY株式市場は続伸。それほど悪い内容ではない企業の決算や米景気指標に加え、ドル高から金や原油など商品先物相場が下落したことなどを材料に買われております。
 東京株式市場は、米NY株式市場の上昇やシカゴ平均株価先物大証終値+140円の13,720円と高く回ってきたこと、ドル高・円安基調の為替を好感し買い気配で取引を開始いたしました。

 日経平均株価は+34円の13,613円でスタート。寄り付き後も買いは続き上昇。前場終了間際には13,800円台に乗せ、後場に入り更に上げ幅を拡大。そのまま崩れることなく+322円の13,863円で取引を終了いたしました。
 中期基調は上向き継続。短期基調も上向き継続となっております。日経平均株価のサイコロは●○●○○○○○●○●○と「8勝4敗」。25日移動平均線は13,145円と上向き。日足は幅のある陽線を形成しております。
 日経平均株価は高く寄り付き更に上昇と非常に強い動きとなっております。3月17日安値の11,691円から本日の13,886円まで上げ幅は2,195円に達しております。

 安値からの上げ幅を考えると、いつ反発終了から下げに転じても可笑しくない位置です。ただ基調は強く、ここ1・2年見られなかった程の強い動きとなっております。本日高値を明確に抜けてきたことから、このまま来週も強い動きが予想されます。