日経平均は2月27日以来、約2ヵ月ぶりに14000円台を回復する場面もみられた。東証1部の売買高は約2週間ぶりに20億株台を回復、売買代金は2兆8265億円(前週末比15.4%増)と膨らみ、2月20日以来(SQ算出日を除く)の高水準。活況の目安とされる3兆円には届かなかったが、先週後半から商いを伴って上昇していることはポジティブに評価できよう。東証1部の年初来高値を更新した銘柄数は110(前週末は55)と急増し、4月2日(115)以来の高水準。特に相場の下落を主導してきた銀行、不動産などで高値更新銘柄が相次いでいる。売り方の買い戻しの側面も強いが、大手銀行株が売買代金上位を独占するなど商いを伴っての上昇が続いているのは、相場底入れの兆候かもしれない。

 日経平均は2月末の高値(14105円)を上抜ければ騰勢を強める可能性はあるが、過熱感を示唆する指標も多いだけに、上値の重い状況が続けば目先天井となる可能性も否定できない。14000円近辺は直近の戻り高値であると同時に、昨年末時点では下値抵抗ライン(2006年安値は14045円)と目された水準だけに、戻り待ちの売り圧力は強いと思われる。今週も主力企業の決算発表が相次ぐうえ、週半ばに日米で金融政策を巡る動き(日銀展望リポート、FOMC開催」、週末には米雇用統計など重要な経済統計も多いだけに、波乱含みの相場となりそうだ。

 ■□ 本日の株式市場の全般的な動き □■

 2008年4月28日の東京株式市場は日経平均株価が小幅続伸いたしました。
先週末の米NY株式市場はしっかり。DOWは+42ドルの12891ドル、NASDAQ総合指数は−5.99ポイントの2422.93ポイントとなりました。
 シカゴ平均株価先物大証終値+130円の13,960円。寄り付き前の外資系証券13社経由の注文状況は、売り3260万株、買い4440万株で、差し引き1180万株の大幅買い越し(金額ベースも買い越し)観測でした。

 東京株式市場は銀行株が買われ相場をリードしております。日経平均株価始値13,907円と前日終値13,863円から44円高くスタート。堅調に推移し前日比+140円の14,003円まで上昇する場面がありました。後場に入ると下げ基調に転じ一時マイナス圏へ下落。引けにかけて買い戻され、結局+30円の13,894円で本日の取引を終了しております。
 東証1部の騰落数は、値上がり1,154銘柄、値下がり478銘柄、変わらずは87銘柄。東証1部の売買代金は2兆8,262億円、売買高は20億3,740万株となっております。

 ■□ 主力株・1部2部銘柄などの動き □■

 週明け月曜日、本日の東京株式市場は金融株を筆頭に買われ堅調な動きが続いております。
 個別では、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、みずほフィナンシャルグループ(8411)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)など大手銀行株や、大和証券グループ本社(8601)、野村ホールディングス(8604)、新光証券(8606)など証券株が買われ続伸。

 三井不動産(8801)、三菱地所(8802)、住友不動産(8830)など不動産株や、アコム(8572)、プロミス(8574)、アイフル(8515)など消費者金融株も上昇。更には、新日本製鐵(5401)、住友金属工業(5405)、ジェイ エフ イー ホールディングス(5411)など鉄鋼株や、日本興亜損害保険(8754)、損保ジャパン(8755)、ニッセイ同和損害保険(8759)など損保株、川崎汽船(9107)、新和海運(9110)、乾汽船(9113)なども買われております。

 その中目立った銘柄では、エアコン需要拡大と今期増益・増配見通しの富士通ゼネラル(6755)を始め、今期増益基調の持続と増配予想が好感された日立工機(6581)、ベンチャーの投資・育成・大企業向けコンサルのドリームインキュベータ(4310)、ダイエー(8263)、ゼクス(8913)などがストップ高まで買われた他、丸三証券(8613)、松井証券(8628)、武蔵精密工業(7220)なども大きく買われました。

 ■□ 新興市場銘柄の動きと投資戦略 □■

 本日の新興市場は高安マチマチながら売り物に押され軟調な銘柄が散見されます。主力株では、ダヴィンチ・アドバイザーズ(4314)、USEN(4842)、デジタルアーツ(2326)、アールテック・ウエノ(4573)などが上昇いたしましたが、ワークスアプリケーションズ(4329)、GCAサヴィアングループ(2174)、ミクシィ(2121)、ACCESS(4813)、サイバーエージェント(4751)、フルスピード(2159)などは売られております。
 新興3市場は、JASDAQ平均、ヘラクレス指数は上昇いたしましたが、マザーズ指数は下落いたしました。

 個別では、エス・エム・エス(2175)を始め、アルデプロ(8925)、イントランス(3237)、アイル(3854)、インデックス・ホールディングス(4835)、エリアリンク(8914)、アルデプロ(8925)、リプラス(8936)などがストップ高まで買われた他、日本レップ(8992)、エン・ジャパン(4849)、フィンテック グローバル(8789)などが買われ上昇いたしました。

 さて、本日の大手銀行株や不動産株、証券株などの動きを見ても単なるリバウンドの動きではなく、明らかに動きに変化が生じていることが判ります。これまでなかった大きな買い需要の発生から日経平均株価押し目という押し目をいれずに本日14,003円を記録。
 これまでの下落トレンドが肌に染み付いていることから「買いも大きく下げるのを待ってから」と見てしまいますが、市場では強気な声が日に日に高まっており、「需給を逆転させるような大きな悪材料などが出現しない限り上昇が続く」との見方が優勢です。いつ調整入りとなっても可笑しくないことを頭に入れながら、腰折れとなるまではこの流れに乗っていく形となります。

 ■□ 日経平均株価の動向と予想 □■

 本日の日経平均株価は+30円の13,894円と小幅続伸。先週末の米NY株式市場はしっかり。アメリカン・エキスプレス決算で米景気減速の影響は軽微との見方が支援ししっかり。原油価格の上昇から石油関連株が上昇し相場を押し上げております。
 東京株式市場は、米NY株式市場がしっかりと推移したことやシカゴ平均株価先物大証終値+130円の13,960円と高く回ってきたこと、為替も1ドル=104円台後半で落ち着いた動きを見せていたことなどから買い優勢で取引を開始いたしました。

 日経平均株価は+44円の13,907円でスタート。寄り付き後も買いは続き上昇し10時24分には14,003円と、念願の14,000円台に乗せました。その後は利益確定売りに押され軟調もみ合い。引けは+30円の13,894円となっております。
 中期基調は上向き継続。短期基調も上向き継続となっております。日経平均株価のサイコロは○●○○○○○●○●○○と「9勝3敗」。25日移動平均線は13,202円と上向き。日足は上下にヒゲを持つ短小陰線を形成しております。

 先週末に「本日高値を明確に抜けてきたことから、このまま来週も強い動きが予想されます」と書かせて頂きましたが、上昇基調は継続、強い動きが続いております。日経平均株価は3月17日安値の11,691円から本日の14,003円まで上げ幅は2,312円に達しております。
 引き続き、上昇継続と見ておりますが、安値からの上げ幅を考えるといつ反発終了から下げに転じても可笑しくない位置となっているのでコツコツと利益を確定しながら乗っていく形となります。