日経平均は先週末の高値(14392円)を目前に足踏み状態が続いている。きょうも上昇する場面をみせながら、上値を積極的に買い進めないところをみると短期的に高値警戒感が台頭しているようだ。東証1部の騰落レシオ(25日移動平均)をみると、それが顕著に見受けられる。騰落レシオは、一般的に70%未満が「売られ過ぎ」、120%以上が「買われ過ぎ」と言われ、騰落レシオが上向けば底入れシグナル、逆に株価指数が高値圏で騰落レシオが低下すれば下げ転換のシグナルとみられている。きょうの騰落レシオは前日比+6.74ポイントの136.07となり、2月27日(136.01)を上回り今年最高を記録した。前回の局面では、2月末が戻り高値になったこと(3月上旬は円高進行などで急落)を勘案すれば、今回も短期的に調整があっても不思議ではない。

 日経平均TOPIXで除したNT倍率は10.11倍に低下し、約3ヵ月半ぶりの低水準を記録。また、前日触れた大証250種は6日続伸し、連日で高値を更新した。いずれも、鉄鋼など素材株の上昇が背景にあると思われる。為替相場をみると一時期の円高・ドル安が一服し、1ドル=103〜105円のレンジで推移しているが、ドルは対豪ドルで24年ぶりの安値を記録している。世界的なインフレ懸念に加え、ドルの相対的地位がさらに低下すれば、ドルと逆行しやすい資源価格の上昇を誘発しそうだ。相場全体に高値警戒感は否めないが、もうしばらく資源株優位の相場が続くと思われる。