日経平均は長い下ヒゲを付けての反発。ほぼ高値引けで、再び14000円の大台を伺う水準まで戻した。上昇に転じた要因は、投信設定による下支え、円高進行がやや一服したことなどもあろうが、売り一巡後に下値を叩く動きが限定的だったことで、買戻しが入ったと考えるのが妥当だろう。直近の相場下落を主導していた銀行株の動向からもそれが窺い知れる。また、前場に債券相場が急落しており、「債券売り・株買い」の構図が先物主導の上昇を誘発したのかもしれない。

 今月に入り、日経平均が直近高値から調整局面を迎えたのは、月初(5月8〜12日)に続いて、今回(5月20〜22日)が2度目。前回の5月12日は、米株安を受けて下げてスタートしたが、後場先物主導で上昇。13500円及び25日移動平均割れを回避し、その後上昇する起点となった。きょうも米株急落を受けて大幅安となる場面もあったが、後場上昇に転じて終値ベースで25日移動平均(13804円)割れを回避したのは、ある種の既視感を覚える。とはいえ、現在の東京市場は本決算発表が一巡したことで手掛かり材料に欠けており、外部環境に左右される状況。米FRBが経済成長率見通しを大幅に引き下げ、商品市況の高騰など不透明要因も多く、きょうで日柄調整が済んだと決めつけるのは早計だろう。