日経平均は今年4番目の上げ幅を記録し、14000円台を回復した。前日は14000円を目前に失速する嫌な流れだったが、きょうは米国株高、円安進展を追い風に一気に巻き返す格好となった。米耐久財受注が市場予想を上回る着地を見せたことで米長金利が約5ヵ月ぶりに4%台乗せすると、東京市場でも金利上昇(債券売り)の流れが継続。長期金利の代表的な指標である新発10年債利回りは一時1.795%を付け、昨年8月上旬以来の水準を記録した。この過程で「債券売り・株買い」の色彩が強まったようだ。その一方で、東証1部の売買代金は2兆円台前半と低迷が続いており、先物に振り回される構図から脱却できていない。

 あすは寄り付き前に発表される4月CPI(全国消費者物価)が鍵を握りそうだ。3月CPIは前年同月比+1.2%と10年ぶりの上昇率を記録し、エネルギーと食料を除くベースでも+0.1%と9年半ぶりに上昇に転じた。4月CPIの市場予想は+1.0%と、暫定税率の期限切れに伴うガソリン価格の下落で、3月よりも伸びが鈍化するとみられている。だが、物価上昇の波が幅広い商品に広がり始めているだけに、市場予想を上回る数字となれば金利上昇を誘発しそうだ。今週に入り、日経平均は急落(月)→急騰(火)→急落(水)→急騰(木)と繰り返しており、順番通りならばあすは急落する可能性が高そう。とはいえ、4月末以降の金曜日は債券相場が崩れる特異日でもある。それだけに、米国市場の動向や4月CPIを受けて、順番通りの急落で再び14000円台を割り込むのか、それとも「債券売り・株買い」の流れが加速し直近の戻り高値(14392円)に迫るのか。どちらにせよ、先物主導で値動きの荒い展開となりそうだ。