30日後場の東京株式市場は、上げ幅を拡大し、平均株価が前日比214円07銭高の1万4338円54銭と大幅続伸。終値で1月10日以来約4カ月半ぶりに1万4300円台を回復した。

 昼休みの立ち会い外バスケット取引で、「200億円の買い越し」(米系証券)といい、後場寄りは買いが優勢。「GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)による買いが700億〜800億円規模で入っている」(外資系証券)と指摘され、主力株中心に堅調に推移し、一時242円高まで上げ幅を拡大した。国土交通省が午後2時に発表した4月の新設住宅着工戸数が、前年同月比8.7%減と10カ月連続で減少したものの、市場予想平均値(同11.9%減)を上回ったことも買い安心感を誘った。

 市場からは、「原油安やドル高・円安が株価を押し上げている。また、上昇月といわれる6月相場への期待感も強い。スティールによるアデランスH <8170> の社長ら再任否決で、外国人投資家が日本株を再評価するとの声も聞かれ、海外資流入が続くとの見方が高まっている」(SMBCフレンド証券・投資情報部・中西文行氏)との声が聞かれた。

 東証1部の騰落銘柄数は値上がり1280、値下がり334。出来高は25億833万株。売買代金は2兆9527億円。午後3時時点の東京外国為替市場は、1ドル=105円台前半(29日終値は1ドル=104円98銭)で取引されている。

 東証業種別では全33業種中32業種が上昇。ドル高・円安を背景に、ファナック <6954> 、キヤノン <7751> 、ソニー <6758> など値がさハイテク株や、ホンダ <7267> 、トヨタ <7203> 、デンソー <6902> など自動車関連株が指数を押し上げ。欧州資金流入が観測された住友信託 <8403> 、三菱UFJ <8306> 、三井住友 <8316> など銀行株が業種別値上がり率トップとなった。国際帝石 <1605> 、石油資源 <1662> など資源開発株や、コスモ石 <5007> 、出光興産 <5019> など石油株も上昇。中部電 <9502> 、東北電 <9506> など電力株や、大ガス <9532> 、東ガス <9531> などガス株も上げ基調となった。

 個別では、キーコーヒー <2594> や東宝不 <8833> などがストップ高比例配分。空港施設 <8864> もストップ高となり、年初来高値を更新。ほか、エステー <4951> 、応用地質 <9755> なども値上がり率上位に浮上した。

 半面、個別で、子会社による破産手続き開始の申し立てを発表したゼファー <8882> がストップ安比例配分。09年2月期連結で最終赤字修正の創建 <8911> が一時ストップ安に値下がり率トップのまま。ほか、名鉄 <9048> が年初来安値を更新し、三城 <7455> は連日の上場来安値更新となった。