日経平均は大幅反落で、4日ぶりに25日移動平均(14150円)を割り込んだ。前日は売り一巡後に下げ渋り上昇に転じたが、この日は押し目買いが入ることなく下値模索の展開を余儀なくされた。日経平均採用銘柄のうち209銘柄(92.3%)が下落、TOPIXコア30では任天堂を除く29銘柄(96.7%)が下落するなど、時価総額上位の主力株が総崩れとなったことがうかがえる。電池関連など材料株が連日で賑わっているが、その象徴的な存在であるGSユアサが上髭をつけての陰線となっているだけに、明日以降、材料株物色も停滞する可能性を否定できない。

 米国市場はスタグフレーション懸念、金融不安から調整色を強め、NYダウが3月17日以来の安値まで沈んだ。また、中国株は前日の上昇分を帳消しにする急落で1年4ヵ月ぶりの安値になるなど、世界同時株安の様相を呈している。これに対して、日経平均は年初来安値から20%強も高く、年初来高値さえも視野に入る水準。メリルリンチの6月ファンドマネージャー調査によれば、日本株をアンダーウエイトしている投資家が41%→27%と大幅に減少し、世界の投資家は中立になったとしており、これが足元の相対的な強さの背景にあるとみられる。しかし、今後上昇するためには積極的に買い進む投資家(アウトパフォームに変更する投資家)の存在が不可欠だが、ファンダメンタルズ面に裏付けがないだけに厳しいと思われる。相対的に強い日本株は下げ余地も大きいだけに、今後も外部環境の悪化が続けば日本株も世界同時株安の渦に巻き込まれる可能性を否定できない。