日経平均は小幅ながら続落。昨年12月12〜19日(6日続落)以来、約6ヵ月ぶりの5日続落となった。後場の急速な下げ渋り、3日連続の陽線など、下値の固さを評価する向きもあろうが、イベント前にショートカバーが入ったに過ぎないとみるのが妥当だろう。むしろ、週初の安値(13667円)を割り込むなど徐々に下値を切り下げており、調整局面はこれから本格化する可能性が高そうだ。また、スルガコーポの経営破たんで中堅不動産会社に急落が相次いだほか、アイフルを筆頭に消費者金融CDSスプレッドが拡大するなど、財務リスクの高まりも懸念される。世界的にインフレ懸念が強まるなかで、長期金利が1.7%台を割り込んできたのはリスク許容度低下の証左ではなかろうか。物色状況をみても鉄道、薬品などディフェンシブ関連に資金がシフトし、安全志向の高まりが垣間見えた。その一方で、前日急騰した低位ゼネコン株が早くも息切れし、兼松日産や鈴丹など往年の仕手株が短期資金を集めるなど日替わりで材料株物色が続くのは手詰まり感の表れだろう。外部環境の好転なくして、相場が反転するとは考えにくい。

 今後の相場を占う意味でも、今夜のFOMC後の米国市場の動向に注目される。昨年9月以降、7ヵ月半で7回(計3.25%)もの利下げが行われてきたが、足下では利下げ休止が現実味を帯びている。FRBは4月まで景気悪化に強い危機感を示していたが、原油価格の高騰に拍車がかかった5月以降にインフレ警戒感を示しており、今回は政策金利を維持する公算が大きい。ただ、年内の利上げも視野に入りつつあるとみられ、声明文で今後の舵取りをどのように示すか要注目だろう。