2008年6月25日 15時28分

平均株価は19円安と小幅に5日続落、買い戻し主体に下げ幅を縮小=東京株式市場・25日後場


25日後場の東京株式市場は、平均株価が前日比19円64銭安の1万3829円92銭と小幅に5日続落したが、下げ幅を縮小する流れとなった。

 上海などアジア株の堅調推移に加え、昼休みの立ち会い外バスケット取引で「200億円の買い越し」(米系証券)だったことを背景に、後場寄りから戻りを試す展開。現地25日のFOMC(米連邦公開市場委員会)を前に様子見ムードが強い中、「現物市場の売買注文が薄く、先物への買い戻しで指数が大きく動く」(別の米系証券)相場つきとなり、短期筋の買い戻しに平均株価は下げ渋った。

 市場では、「日本株を買い越してきた海外勢が、足元では動きが鈍ってきており、商いが膨らまない。ただ、様子見姿勢に徹しているだけで、積極的に売っているわけではなく、他国に比べ安定感のある日本株には再び海外資金が流入するとみている。直近では国内公的資金流入観測もあり、下値不安は乏しい」(銀行系投信)との声が聞かれた。

 東証1部の騰落銘柄数は値上がり871、値下がり760。出来高は19億8471万株。売買代金は2兆1671億円。午後3時時点の東京外国為替市場は1ドル=107円台後半(24日終値は1ドル=107円92銭)で取引されている。

 東証業種別株価指数では、全33業種中、15業種が下落。UBS証が目標株価1600円に引き下げた武富士 <8564> や、OMCカード <8258> などノンバンク株に売りが継続。スルガコーポの民事再生法申請を受け資金繰り懸念が広がり、URBAN <8868> 、ゼファー <8882> 、野村不HD <3231> など不動産関連株も大幅安。住友信託 <8403> 、みずほ <8411> など銀行株も一段安となり、JFE <5411> 、合同鉄 <5410> など鉄鋼株も軟調に推移した。

 UBS証が投資判断「ニュートラル」(中立)に引き下げたしまむら <8227> や、ダイエー <8263> など小売株も下落。TDK <6762> 、ファナック <6954> など値がさハイテク株も下押した。個別では、日雇い派遣事業の完全撤退が報じられたグッドウィル <4723> がストップ安比例配分。前日急騰した植木組 <1867> 、浅沼組 <1852> は値下がり率1位、2位となった。

 半面、年初来高値を更新したJR東海 <9022> や、JR西日本 <9021> など電鉄株が堅調。郵船 <9101> 、第一中汽 <9132> など海運株も買い優勢。25日付株式新聞1面トップで取り上げたツムラ <4540> や、塩野義薬 <4507> など医薬品株にも買いが継続した。個別では、09年2月期第1四半期(3〜5月)連結決算で最終黒字転換した鈴丹 <8193> や、東特線 <5807> がストップ高比例配分。25日付株式新聞速報ニュース「先読み作戦指令室」で取り上げた巴川紙 <3878> は大幅高となった。