来週も調整色を強める展開か
 来週も調整色を強める展開が予想される。日経平均は5月中旬につけた直近安値(13540円)及び心理的な節目の13500円をも2ヵ月ぶりに割り込んだ。チャート面からは、大発会につけた年初来高値(15156円)と、3月17日に付けた年初来安値(11691円)を起点とした三角保ち合いから大きく下ブレており、外部環境の悪化が続けば13000円割れも視野に入ろう。NYダウが約1年9ヵ月ぶりの安値に沈んだのを筆頭に、世界各国の株価指数は年初来安値圏にある一方で、日経平均は年初来安値から15.8%も高い水準。他国に比べインフレ懸念は小さいとはいえ、相対的に割高感の強い日本株の下落余地は大きいとみられる。足下の調整で一時期の過熱感、高値警戒感は薄れたとの見方もできるが、商品市況の高騰、米金融不安などが沈静化するまでは反発は期待できない。物色面では、主力株を手掛けにくい状況だけに、材料株物色が続く可能性がある。洞爺湖サミットを約1週間後に控えて、環境関連の勢いが持続するのか否か注目されよう。

 来週は、6月日銀短観が注目されそうだ。代表的な指標である大企業製造業DIの市場予想は+3(前回比-8)だが、これを下回りマイナスに転落ともなれば、投資家心理はさらに冷え込みかねない。ちなみに、日銀短観の前哨戦と目された、4-6月期の法人企業統計景気予測調査では、大企業全産業の景況判断指数が-15.2(前回は-9.3)と大幅に悪化し、2四半期続けて調査開始後の過去最低を更新。全産業と製造業、非製造業の全ての企業規模の業況判断が大幅なマイナスで、中堅企業の製造業を除く業種がすべて過去最低を記録するなど散々な結果だった。米国では重要な経済統計が多いが、特に6月雇用統計は要注目。5月統計では失業率が1986年以来で最大の伸びを記録したことで、株価急落、商品市況の急騰を招いただけに、今回も警戒したい。また、ECBが3日の定例理事会で利上げ実施に踏み込むのか否か、これを受けて為替相場、商品市況がどのような反応を示すかにも注視したい。