7/2 17:25
買い手掛かりに乏しく先安感が強い
 米国株が安値から切り返して反発したことに加え、東京市場は前日まで9日続落していたことから、ある程度のリバウンドを期待する向きが多かったが、完全に肩透かしに終わった。日経平均は寄り付きこそ上昇したが、心理的な節目の13500円を目前に失速。早々と下げに転じると、先物主導で売り込まれるという最悪の展開。2ヵ月半ぶり(4月16日以来)の安値になったと同時に、43年4ヵ月ぶり(1965年2月19日〜3月2日以来)の10日続落という不名誉な記録をも作った。割安感を示唆する指標も散見され始めており、いつ反発しても不思議ではない状況だが、米国市場を中心に底入れ機運が台頭するまで厳しい状況が続きそうだ。世界各国の株価指数が年初来安値、数年来の安値圏に沈む中、日経平均は依然として年初来安値から13.6%も高い水準にあるだけに、下値余地は大きいのかもしれない。

 物色面では、新興国向け需要を背景に業績を拡大してきた銘柄の下げが目立つのが気掛かり。きょうはスズキが7%超下落したのを筆頭に、コマツ日立建機ダイキンなどが5%弱下落した。これらの銘柄は相場の先導役の色彩が強いだけに、いつ下げ止まるか注目される。また、MUFGの売り残の急増ぶりも気になる。東証が7月1日に発表した6月4週時点での信用残は、売り残が8015万株(前週比+3325万株)だった。信用買い残はそれほど大きな変化がみられないが、売り残は日経平均が直近の戻り高値をつけた6月2週に1200万株弱、日経平均が年初来安値を更新した3月3週が800万株強だったことを勘案すると、いかに急増しているかが分かる。米金融不安を懸念した売りだと見られるが、同社株の売り残が増加している状況は相場の先安感の表れなのかもしれない。