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戻りは鈍く下値模索の展開が続く
 諸悪の根源と目される原油高の調整、金融不安に揺れる米国株の大幅反発、市場予想を上回る5月機械受注など、これ以上になくリバウンドの条件は揃った。それだけに、前日下げ分の帳消しを期待する向きも多かったとみられるが、またしても肩透かしに終わってしまった。日経平均は米国株高を歓迎する形で大幅高となる場面がありながら、CME清算値(13320円)、前日高値(13294円)を目前に失速。後場はイランのミサイル発射で地政学リスクが高まり、戻り待ちの売りに屈した。辛うじてプラスをキープしたとはいえ、ほぼ安値引けで下げに等しいと言っても過言ではなかろう。

 前引け段階で東証1部の値上がり銘柄数は約8割(1368)にも達していたが、大引け段階では800弱に急減。金融、不動産は終日堅調だったが、月曜日同様に売り方の買い戻しに過ぎないとみられ、外部環境が悪化すれば再び売り直される公算が大きい。国際優良株に関しては、リバウンドを期待して高値掴みをした投資家が多かったとみられ、その後遺症が懸念される。新興市場では、マザーズヘラクレス指数が連日の最安値を更新しており、投資家心理はさらに冷え込みかねない。7月7日に開幕したサミットはきょうで閉幕。6月から折に触れて環境関連が賑わいをみせてきたが、その最後発組である三晃金属が後場急落したところをみると、環境関連の相場もひとまず終了した可能性がある。東証1部の騰落レシオ(25日平均)は売られ過ぎの目安とされる「70%」を5ヵ月半ぶりに割り込み、いつ反転しても不思議ではない状況だが、きょうのような展開が続くと、投資家はますます及び腰になりそう。今週は薄商いのなか、先物主導で乱高下する展開が続いているが、あすは7月限オプションの取引最終日だけに、その色彩が強まりそうだ。