平均株価は19円高と小反発、イランのミサイル試射報道で上げ幅が急縮小=東京株式市場・9日後場


9日後場の東京株式市場は、平均株価が前日比19円03銭高の1万3052円13銭と小反発。ただ、イランのミサイル試射報道を受け、ドルが対主要通貨で下落したことを受け、上げ幅が急激に縮小した。

 香港や上海などアジア株高を支えに、後場寄りは堅調だったが、手掛かり材料に乏しく上値は限定的。午後1時30分すぎに、イラン国営テレビでイランが中長距離地対地ミサイル9発を試射したと報じられ、ドル・円が下落すると、現物・先物ともに売り圧力が強まり、急速に伸び悩んだ。GLOBEX(シカゴ先物取引システム)で米株価指数先物が弱含んだことも警戒感を強める要因となった。

 市場からは、「イランのミサイル試射はきっかけにすぎず、週末のオプションSQ(特別清算指数)算出をにらみ、権利行使価格1万3000円に近づけたい向きがいるようだ。現物市場では相変わらず熱気が感じられず、先物市場での空中戦が続いている」(米系証券)との見方が聞かれた。

 東証1部の騰落銘柄数は値上がり793、値下がり781。出来高は19億6661万株、売買代金は2兆1369億円。午後3時時点の東京外国為替市場は1ドル=107円台前半(8日終値は1ドル=106円40銭)で取引されている。

 東証業種別株価指数では、全33業種中、値上がり17業種。三井不 <8801> や野村不HD <3231> など不動産株に買い戻しが継続。みずほ <8411> 、三井住友 <8316> など大手銀行株も堅調。野村証の9日付リポートで評価が高まったソフトバンク <9984> や、KDDI <9433> も上昇。武田薬 <4502> 、エーザイ <4523> など医薬品株も物色された。

 半面、石油資源 <1662> 、コスモ石 <5007> など石油関連株や、三菱商 <8058> 、三井物 <8031> など商社株が軟調。第1四半期で連結営業2割減のイオン <8267> や、7&iHD <3382> など小売株も下げ基調。経済産業省による6カ月の業務停止命令が報じられたベルーナ <9997> はストップ安比例配分となった。