やはり買い戻しの域を脱しなかったようだ。「FRBなどによる政府系金融会社の支援発表→Globex高→今夜の米国株式市場の反発」を先取りする形で、日経平均前場に150円近く上昇する場面もあったが息切れ。後場は今夜の米国市場に対する懐疑的な見方が強まり、徐々に戻り待ちの売りに押される構図。先週末とほぼ同様な相場展開で後味の悪さだけが残った。海外市場ではNYダウ、S&P500指数に続き、MSCI世界指数までもが昨年10月の最高値から20%下落し、ベアマーケットに突入している。日経平均は辛うじて終値ベースの13000円割れを回避し続けているが、外部環境に好転が見られないなか、買い戻しのみに依存した状況では終値ベースの大台割れも時間の問題と思われる。

 今週の米国市場では、メリルリンチ、JPモルガン・チェースシティグループなど、米金融大手の決算が控えており、金融不安がさらに高まるか否かが相場のカギを握るとみられる。足元の金融不安を計る意味で、シカゴ・オプション取引所では「恐怖指数」との異名を取るvix(ボラティリティー)指数に注目したい。11日の同指数は前日比+7.42%の27.49に急騰、一時30目前まで上昇する場面もあった。同指数は株価変動の大きさを示すもので、株価の下落局面で上昇する傾向があり、一般に20を下回ると「平常」、20〜30は「警戒」、30超で「総悲観」とされている。ベア・スターンズが実質破綻した3月中旬には35.60(終値ベースでは32.24)まで上昇し、破綻直後に同指数は急落。その後、金融不安の後退から世界的にリバウンド相場が始まった経緯がある。きょうはFRBなどによる政府系金融会社の支援を受けてvix指数は多少なりとも下落する公算が大きいが、逆に上昇となれば金融不安はさらに高まりかねない。