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株安による下方修正が続出 11000円割れは避けられない情勢か
 前引け前に、米上院で金融安定化法案が可決し、下院に送付された。また、SECは金融株を対象にした空売り規制措置を、議会が金融安定化法案を可決するまで延長することを明らかにしたが、すでに市場では織り込み済みの材料だった模様。むしろ、法案可決後に東京市場の下げが加速した印象すら受ける。日経平均株価は9月30日の安値を割り込んだことで、明日以降は節目の11000円が意識される展開となるだろう。

これまでは、米金融動向が相場を大きく左右していた。上院で安定化法案が可決されたとはいえ、今後も株価に最も影響を及ぼすファクターであることに違いはない。それに加えて、企業業績も影響の度合いを強めてくると考えられる。前日の日銀短観で景況感の悪化が明らかとなったが、本業の低迷のみならず、企業が保有する株式の評価損計上が業績下振れリスクを加速させよう。エディオン<2730T>や奥村組<1833.T>、五洋建設<1893.T>が上記の理由で特別損失を計上(3社とも中間業績については集計中)、本日のザラ場にも東亜道<1882.T>が同様の理由で下方修正しており、足元の株安で特損計上を迫られる企業が続出するだろう。買収防衛策の一環として昨年は株式持合いが活発化。また、昨今ではM&AなどでプレミアムをつけたTOBがよくあるが、その持合い株等がここに来て業績の重石になりつつある。
2日後場の東京株式市場は、日経平均株価が前日比213円50銭安の1万1154円76銭と大幅反落し、9月30日の年初来安値1万1259円86銭を更新した。見送り機運が強い中で、主力株に売りが続き、一段安。値下がり1368銘柄(値上がりは283銘柄)と全体の8割に達し、全面安商状となった。東証1部の出来高は21億3643万株、売買代金は2兆2035億円だった。

 世界的な景気後退が懸念される中で、「外国人投資家の投げ売りに加え、国内機関投資家ロスカットも出ている」(ちばぎんアセットマネジメント 専務取締役・安藤富士男氏)といい、鉄鋼、機械、自動車など主力株が軟調に推移。GLOBEX(シカゴ先物取引システム)での米株価指数先物の下げ幅拡大や香港・ハンセン指数安なども重しとなり、先物売りを交え、日経平均株価は一時224円安となった。3日に予定されている米下院の金融安定化法修正案の採決を確認するまでは動きづらいとの見方が多く、買いは限定された。